防災気象講演会
本日10月27日,静岡地方気象台,静岡県,静岡大学防災総合センターの共催による「防災気象講演会」が,静岡県地震防災センターを会場に行われました.
http://www.jma-net.go.jp/shizuoka/20091027kouenkai.pdf
牛山は講師として出席し,「最近の豪雨災害に学ぶこと」のタイトルで講演を行ってきました.
| 固定リンク | トラックバック (0)
本日10月27日,静岡地方気象台,静岡県,静岡大学防災総合センターの共催による「防災気象講演会」が,静岡県地震防災センターを会場に行われました.
http://www.jma-net.go.jp/shizuoka/20091027kouenkai.pdf
牛山は講師として出席し,「最近の豪雨災害に学ぶこと」のタイトルで講演を行ってきました.
| 固定リンク | トラックバック (0)
このほど,内閣府の主催により, 「大雨災害における避難のあり方等検討会」が発足しました.
http://www.bousai.go.jp/oshirase/h21/091023kisya.pdf
牛山は,同検討会の委員を仰せつかり,10月26日に第一回の検討会が行われ,出席しました.討議の内容は後日議事録として公表されるとのことですので本稿では紹介を控えます.今後どのような議論がなされるのか,強い関心を抱いています.
| 固定リンク | トラックバック (0)
本日の日本災害情報学会にて,同学会の2009年廣井賞を授与いただきました.廣井賞とは,同学会が故廣井脩初代会長(前東京大学大学院教授)の志を継ぐ記念事業として,災害情報の分野で功績のあった個人・団体を表彰するもので,いわゆる学会賞です.
日本災害情報学会 廣井賞
http://www.jasdis.gr.jp/16hiroi_prize/index.html
会場で配布された受賞理由を挙げさせていただきます.
--------------------------------
【学術的功績部門】
■牛山素行氏(静岡大学防災総合センター准教授)
授賞理由
牛山素行氏は、災害情報を用いた風水害の被害軽減に関する実証的研究に、これまで一貫して取り組んでこられました。そして、現実的課題として、情報システムが整備されていてもそれだけでは活用が進まないこと、地域のハザードマップや防災ワークショップなどによるリスク認知にも難しさがあること、またソフト対策による犠牲者軽減効果の客観的検証など、災害情報分野の学術研究において顕著な功績をあげていると認められる。
--------------------------------
廣井先生は,我が国の災害情報学の世界の偉大な先駆者です.その先生のお名前を刻んだ賞をいただいたことは,非常に名誉なことであり,恐懼しているところでございます.今後ますます研鑽に励み,「災害情報の活用による被害軽減」を目指した調査研究を進めていきたいと考えております.今後とも,ご指導,ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします.
| 固定リンク | トラックバック (0)
日本災害情報学会第11回研究発表大会が,今週末の10月24日(土),25日(日)に,静岡市内で開催されます.
日本災害情報学会
http://www.jasdis.gr.jp/
当方からは2件の発表を行います.
牛山素行・小山真人・村越真・林能成・長谷川孝博,2009年8月11日駿河湾の地震後の調査にみられる「備え」の実情,日本災害情報学会第11回研究発表大会予稿集
http://disaster-i.net/notes/2009JSDIS.pdf
高柳夕芳・牛山素行,2004~2008年の豪雨災害による人的被害の原因分析,日本災害情報学会第11回研究発表大会予稿集
http://disaster-i.net/notes/2009JSDIS_takayanagi.pdf
また,この大会で牛山は実行委員会副委員長を仰せつかっており,大会運営にも携わらせていただくことになっております.本大会は,会員以外の方でも(参加費が会員\2000->非会員\4000と高くなりますが)ご自由にご参加できます.ご関心をお持ちの方は,ぜひお立ち寄りください.
| 固定リンク | トラックバック (0)
地表面に降った降水が、浸透、流出したり、蒸発したりせず、そのまま地表面に溜まったとした場合の水の深さをmm(ミリメートル)単位で計測したものを降水量といいます。最も簡単な方法,あるいは考え方としては、入口からそこまでの形が変化しない容器(たとえば茶筒)を地表面に置き、雨を貯め、貯まった水の深さをはかることによって観測することができます。貯まった水の「量」を測るものではありませんから,容器の大きさによって観測値が変わったりする事はありません。雪などの固形降水の場合は、それを溶かしてできた水の深さを測ります.
雨量という言葉もよく使われますし,間違った言葉ではありません.専門分野によっては雨量という言葉の方が一般的である事もあります.厳密に考えるのであれば,降水量という場合は,雪などの固体降水の形で降ってきたものも含めたものであり,雨量というのは液体の水で降ってきたもののみを指す事になります.雨なのか雪なのかわからない観測値が含まれている場合は,降水量と言った方が適切でしょう.例えば,明らかに冬は雪が降る札幌で,「年雨量は**mm」と言うのは適切ではなく,「年降水量は**mm」と言うのが適切です.
| 固定リンク | トラックバック (0)
これも覚え書きです.
現在発表される気象に関する注意報・警報では,「今のところ注意報だけれど,今後警報になる可能性がある」場合には,その旨があらかじめ発表されるようになっています.
たとえば,10月7日19時35分に静岡地方気象台から発表された情報の一部を挙げます.
-----------------------------
平成21年10月 7日19時35分 静岡地方気象台発表
富士山南東 [発表]雷,高潮注意報 [継続]大雨,強風,波浪,洪水注意報
特記事項 8日未明までに大雨警報に切り替える可能性がある
土砂災害注意 浸水注意
8日明け方までに暴風警報に切り替える可能性がある
8日明け方までに波浪警報に切り替える可能性がある
8日未明までに洪水警報に切り替える可能性がある
高潮 8日6時頃から8日9時頃まで ピークは8日8時頃
最大潮位 内浦 TP上 1.2メートル
土砂災害 7日夜遅くから8日昼過ぎまで
浸水 8日未明から8日昼前まで 雨のピークは8日明け方
1時間最大雨量 50ミリ
風 8日未明から8日夜のはじめ頃にかけて 以後も続く 北東の風のち西の風 ピークは8日明け方
最大風速 陸上 20メートル 海上 25メートル
波 7日夜遅くから8日夜のはじめ頃にかけて 以後も続く ピークは8日朝
波高 7メートル
洪水 8日未明から8日昼前まで
付加事項 竜巻 うねり
-----------------------------
静岡県の「富士山南東」地区(御殿場市,三島市,沼津市など)は,この時点で雷,高潮注意報が新たに発表され,大雨,強風,波浪,洪水注意報が引き続き発表されている,という内容になっています.この地区ではこの時点では警報は発表されていないわけですが,「特記事項」として,今後,だいたいいつ頃に,警報に切り替えられる可能性があるという情報が挙げられています.
「まだ注意報だから大丈夫だと思っていた.警報になりそうなときはあらかじめ知らせて欲しい」という意見を聞くことがあります.
★そのニーズはすでに満たされています★
無論,現象の変化が急激で,本当に急に警報発表となる場合もありますから,常にこのような発表形態になるとは限りません.しかし,情報が進歩していることも確かです.情報が足りない足りないと嘆く前に,探してみましょう.聞いてみましょう.
| 固定リンク | トラックバック (0)
高潮とは,台風などの発達した低気圧が海岸付近に接近した際,風によって海水が陸側(湾側)に吹き寄せられたり,気圧の低下により海水面が上昇したりすることによってもたらされる現象です.
気象庁による高潮の解説
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/4-1.html
目に見える形態としては,津波のように,海水面全体が高くなり,陸上に洪水のように押し寄せるものとなります.単なる浸水ではなく,激しい流れを伴うことが多いため,同程度の面積が浸水したとしても,河川の洪水より構造物などに被害がもたらされやすくなります.
今回の台風2009年18号では,東海地方で高潮の発生の危険性があり,一時愛知県などに高潮警報が出ていました.8日9時時点で,静岡県遠州南には高潮警報が出ています.

浜松
市にある舞阪潮位観測所(気象庁)の潮位観測記録を,気象庁webより引用します.左が観測値で,赤線が観測された潮位,青線が天文潮位,すなわち台風等の影響がない場合の潮位です.7日18時頃から観測潮位が天文潮位を上回り始め,8日6~7時頃にピークを迎えていることがわかります.これが高潮です.右図は潮位偏差,つまり天文潮位と観測潮位の差で,台風によってもたらされた潮位の上昇の大きさに当たります.潮位偏差のピークは6~7時頃ですが,天文潮位のピーク,つまり満潮時刻はこれより若干後(8:23)になっています.満潮と,潮位偏差のピークが重なれば,実際の潮位はさらに高くなることになります.
高潮に関する潮位の呼びかけは,高潮警報として,8日0時45分に発表されました.実際の表現は以下の通り.
-----------------------------
平成21年10月 8日00時45分 静岡地方気象台発表
中部南」大雨,洪水,暴風,波浪警報」雷,高潮注意報」
中部北」大雨,暴風警報」雷,洪水注意報」
伊豆」大雨,洪水,暴風,波浪警報」雷,高潮注意報」
東部」大雨,洪水,暴風,波浪警報」雷,高潮注意報」
遠州北」大雨,暴風警報」雷,洪水注意報」
遠州南」大雨,洪水,暴風,波浪,高潮警報」雷注意報」
((遠州南では、8日朝の満潮時を中心に高潮に警戒して下さい。県内では、8日朝にかけて非常に激しい雨による浸水害に、また、8日昼前にかけて、土砂災害、暴風、高波に警戒して下さい。))
遠州南 [発表]高潮警報 [継続]大雨,洪水,暴風,波浪警報 雷注意報
特記事項 土砂災害警戒 浸水警戒
高潮 8日6時頃から8日12時頃まで ピークは8日9時頃
最大潮位 舞阪 TP上 1.4メートル
土砂災害 8日昼前まで
浸水 8日朝まで 雨のピークは8日明け方
1時間最大雨量 60ミリ
洪水 8日朝まで
風 8日昼前まで 東の風のち南西の風 ピークは8日明け方
最大風速 陸上 20メートル 海上 30メートル
波 8日夕方まで ピークは8日朝
波高 11メートル
付加事項 うねり 竜巻
-----------------------------
また,満潮時刻などの情報は,「気象情報」として7日から発表されていました.具体的な表現の一例は以下の通り.
-----------------------------
平成21年 台風第18号に関する静岡県気象情報 第7号
平成21年10月7日23時15分 静岡地方気象台発表
(見出し)
台風第18号は非常に強い勢力を保ったまま、8日明け方から朝にかけて静岡県に最も接近するため、暴風、高波、低地の浸水、河川の増水、土砂災害、高潮、竜巻などの激しい突風に警戒して下さい。
(本文)
<中略>
[高潮の予想]
県内では、台風の接近する8日には、満潮時刻を中心に高潮に注意・警戒
が必要です。
8日の満潮時刻は、
清水港 7時56分、御前崎 8時00分
内浦 7時53分、石廊崎 7時57分
舞阪 8時23分
| 固定リンク | トラックバック (0)
先の記事で,台風の「激しさ」は,中心付近の最大風速にもとづく「強さ」と,風速15m/s以上の強風域の半径にもとづく「大きさ」で表現されることを紹介しました.
「強さ」の階級は,分類名称なし→強い→非常に強い→猛烈な,の4段階.「大きさ」は,分類名称なし→大型→超大型,の3段階です.以前は強さの階級に「弱い」,「並の」が,大きさの階級に「小型」や「中型」があり,文字通りの階級表現になっていました.しかし,これらの呼称は警戒心を弱めるといったことを言う人たちがおり,「わかりにくいので」使わないことになり,強そうな表現だけが残っているのです.
この階級表現の仕方には私は賛同しかねますが,ともあれ,客観的に現象の激しさを示す指標は,このように厳然とあるのです.にもかかわらず,それを捨てて,(比較対象の不明瞭な)「最大級」などという,いくらでも乱発できる感覚的表現を用いることに,私は憤りを感じます.情報を感覚的に適当に簡略化することが「わかりやすい災害情報の伝達」だとは私には思えません.
感覚的な情報ではなく,どこで,どのようなことが起こりつつあるのかという,客観的事実を,たとえどんなに「わからない,わからない」と拒絶されようとも,粘り強く伝え続けることが重要だと思います.
7日23時現在,大雨警報,洪水警報などが,関東以西の各地に発表されています.三重県では土砂災害警戒情報も出されています.比較的発表頻度が低い警報として,高潮警報が愛知県に出されているのがやや注意を引きます.全国アメダス観測所では,統計期間20年以上の観測所で各種記録を更新している箇所はありません.
| 固定リンク | トラックバック (0)
台風接近時の報道を見るたびに思うことなのですが,
「暴風域の『赤い円』ばかりが強調されるのはなんとかならないものか」
,と思います.全く同じ事を2年ほど前にも書いていますが.
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_f5f9.html
2年前の記事をさらに再掲しますが,
●暴風域=豪雨域ではありません●
●豪雨域は台風の中心よりずっとはなれています●
これらは,今回の台風の特徴ではなく,台風が日本列島付近に近づいた場合は,多くの場合このような状況が見られます.
10月7日21時の台風の位置と,同時刻の解析雨量(レーダーによって観測した雨量を地上観測所のデータで補正した雨量)の図,気象衛星画像を,気象庁webより引用します.
台風の中心は四国沖にあります.「赤い円」は四国や紀伊半島南部にかかろうとしているところです.一方,多雨域は四国付近には見られず,紀伊半島東側に見られます.雨域自体も,中心から同心円状に広がっているのではなくて,台風の中心の北東側に広がっているのが一目瞭然です.気象レーダーは,陸から離れた海上の降雨を十分とらえ切れない場合がありますが,衛星画像で見ても,発達した雲域(白色度の高い箇所)は「赤い円」の中にあるのではなく,それより北東側にあることがはっきりとわかります.
率直に言いますが,
「台風の中心がまだ遠くにあるから大丈夫だ」
という認識は改めるべき認識です.今は,レーダーもあるし,地上観測網も充実しているし,衛星画像だってあるのです.「台風の中心位置」などという,極言すれば「30年くらい前に有力だった災害情報」に依存するのではなく,今,どこで,との程度の雨が降っているのか,どの程度の風が吹いているのかという,「現代の災害情報」を元にした事実を把握しましょう.
| 固定リンク | トラックバック (0)
これもメディア取材を受けて気になったことです.
「台風が接近しています.私たちにできる備えは?」という質問をよく受けます.例によって私は,
「流れのある水は怖いので,近づかないこと」
「余裕があれば早期避難,状況が激しくなったら少しでも安全な場所へ対比するなど,次善の策を」
などとコメントします.しかし,これが必ずしも評判が良くないようです.なにか,「すぐにできる手立て」が人気があるようです.たとえば,「避難袋にこういうものを入れておくといい」とか,「簡単にできる土嚢の作り方」とか,「家の回りはこうしておこう」とか,「避難するときはこういう装備で」とか.
どうも,災害に対して身近なところで目に見える「なにか」をしておくことが,「身近な防災対策」だというイメージが強く持たれているように感じます.こういった「対策」は,すべて無駄だとも言いませんが,率直に言って,些末な事項だと思います.また,一般化できる話でもないと思います.
最も重要な個人レベルの防災対策は,生命を守ることでしょう.また,できるならば財産も守れればよいというところでしょう.そのためには,「ここではどういうことが起こりそうか」をまず理解し,その上で,「自分はどのように困り,どのようになりたくないか」を考えることしょう.どうなったら困るかは人によって違います.自分の置かれる状況をイメージして,自分にとって必要な準備をしておくことが重要でしょう.
土嚢を見たこともないような人が,浸水が心配で今から土嚢の作り方をネットで調べたりするヒマがあるのなら,水に浸かったら困るものを高いところに移して,浸水の危険がないところに早く避難しましょう.とにかく不安で,避難袋に入れるものをあれこれ考えているヒマがあったら,とにかく身の回りのものを持って,早く洪水・土砂災害の危険がなさそうなところに逃れましょう.
自分にとって何が重要なことかは,状況が平静なうちに少し冷静になって考えれば,ある程度わかると思います.小手先の「誰でもできそうな簡単な防災対策」は,よっぽど暇と余裕があるときにやればよいことではないでしょうか.
| 固定リンク | トラックバック (0)