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2006年12月28日 (木)

「12月としては記録的」

200612280024h  12月26日から27日にかけ,発達した低気圧が日本付近を通過し,関東以北に豪雨,暴風をもたらしました.12月28日21時現在,消防庁による集計は発表されておらず,全国の被害概要はよくわかりません.左図は,アメダス観測値を元にした,12月27日24時の24時間降水量分布図です.

 報道では例によって,「12月としては記録的な・・・」といった表現が散見されます.豪雨災害の場合,同じ降水量が6月に記録されようと,12月に記録されようと,その結果(激しい現象であれば災害,被害)に違いが出ることは余り考えられません.しかし,日本の多くの地域では,夏季の降水量と冬季の降水量に大きな差がありますから,「6月の日降水量の過去最大値」と「12月の日降水量の過去最大値」は大きな差があり,太平洋側では一般的に後者の方が少です.「12月としては激しい雨」は,必ずしも「その地域にとって激しい雨」とは限りません.

2006122711re01  ただし,今回の豪雨では,27日11時に,岩手県の普代および釜石で,1時間降水量が,アメダス観測開始(1979年)以降最大値を更新しています.24時間降水量はそれほど大きな値は記録されていません.これらの地域では,短時間降水量については,「12月としては」という限定条件下の話ではなく,文字通り「記録的な」値が観測されたと言っていいでしょう.実際に,岩手県内では被害が生じています.

 岩手県内の被害は,12月28日16時05分現在の同県の資料によると,住家の半壊1棟,一部損壊6棟,床上浸水22棟,床下浸水203棟とのことです.

http://www.pref.iwate.jp/%7Ehp010801/index/saigai12-28-1605.pdf

 この数字はまだ変化すると予想されますが,仮に,床下浸水家屋数200棟以上の記録を見ますと,気象庁の異常気象報告を元に筆者が集計したところによれば,岩手県内では,1970年代に7回,1980年代に8回,1990年代に6回の記録があり,「記録的な災害」とまでは言えそうにありません.ただし,岩手県では,1971年以降で見る限り,12月に住家の浸水の記録はなく,「季節外れの災害」であるとは言ってよさそうです.

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