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2007年3月23日 (金)

自然災害を学ぶ(3.推薦する図書等)

(牛山素行,2007:自然災害を学ぶ,自然災害科学,Vol.25, No.5, pp.442-444. より)

3.推薦する図書等
 以下,筆者の専門領域に近い図書の中から,なるべく「災害そのもの」を学ぶ上で参考になりそうなものを挙げてみたい.

名称:防災事典
著者:日本自然災害学会
発行所:築地書館
寸評:自然災害科学分野の現在最も基本的な用語集.前版の「自然災害科学事典」(1988年刊)に比べて内容が一新されており,「自然災害科学事典」を少し古い時代の事例や概念について知るための用語集として併用すると効果的.

名称:防災学ハンドブック
著者:京都大学防災研究所編
発行所:朝倉書店
寸評:防災に関わる研究者サイドの最新の取り組み,関心分野などを知ることができるハンドブック.用語集としての「防災事典」の内容を掘り下げて知るときに重要になる.

名称:自然災害と防災の科学
著者:水谷武司
発行所:東京大学出版会
寸評:現在刊行されている数少ない「自然災害全般を扱った教科書的出版物」の一つ.地震災害から気象災害までほとんどのハザードを網羅し,それらの基礎的な構造を紹介すると共に,自然災害についての概念にも触れている.

名称:水谷武司
著者:自然災害調査の基礎
発行所:古今書院
寸評:自然災害全般の調査法について紹介した,ほぼ唯一の専門書.「ハザードの調べ方」ではなく,被害や社会の影響に関する調査法に触れており,間違いなく「災害そのものの調査法」の専門書である.1993年刊のため,情報収集法については事情が変わっている部分もあるが,基本的な概念は全く古さを感じさせない.

名称:NHK気象・災害ハンドブック
著者:NHK放送文化研究所編
発行所:日本放送出版協会
寸評:自然災害に関する用語集のひとつ.専門外の読者にも分かりやすい内容となっている.これまで4回刊行されており,既刊は気象用語集的な色彩が強かったが,2005年刊の現行版は,地震,火山,河川に関わる用語も取り上げられ,災害を意識した内容になっている.

名称:自然災害を知る・防ぐ
著者:大矢雅彦・木下武雄・若松加寿江・羽鳥徳太郎・石井弓夫
発行所:古今書院
寸評:「自然災害全般を扱った教科書的出版物」の一つで,「自然災害と防災の科学」よりはやや読み物的な色彩が強く,入門者向け.

名称:自然の猛威
著者:町田洋・小島圭二編
発行所:岩波書店
寸評:岩波書店の「日本の自然」シリーズの第8巻.書名から想像しにくいが,内容は自然災害全般に関する入門的専門書.日本の気象災害分布図など,基本的かつ重要な図表が多く掲載されている.1986年の初版と,1996年刊の改訂版があり,どちらも役立つ.

名称:災害論
著者:高橋浩一郎
発行所やURL:東京堂出版
寸評:気象庁長官を務めた気象・気候学の第一人者によって著された,災害の概念,災害を把握・理解するための考え方について触れた専門書.1977年刊とやや古典だが,けっして古い内容ではない.災害を巡っては,似たような問題意識,似たような議論が繰り返されてきていることを知る上でも参考になる.

名称:そこが知りたい気象と災害の法律知識
著者:気象災害研究会
発行所やURL:オーム社
寸評:気象業務法,災害対策基本法,水防法など,災害に関わる基本的な法律についての重要事項を解説した図書.気象予報士受験者向けの参考書だが,災害に関わる研究者も,この程度の知識は持っておきたい.1997年刊で,その後法改正されている部分があるが,基本的な概念については現在でも十分通用する.

名称:災害情報論
著者:廣井脩
発行所やURL:恒星社厚生閣
寸評:「災害情報」をメインタイトルとした数少ない専門書.情報伝達とその障害,パニック神話,災害時の流言など災害情報に関わる重要なキーワードについて,事例を元に紹介されている.やや入手しにくく,かつ20年ほど前の刊行物だが,同じ著者が分担執筆している,「災害と情報」(東京大学新聞研究所編),「災害と人間行動」(同)も,災害情報分野の基礎概念を知る上では参考になる.

名称:防災・危機管理eカレッジ
著者:総務省消防庁
URL:http://www.e-college.fdma.go.jp/
寸評:防災に関わる,無料で開設されているほぼ唯一のe-learningサイト.一般市民,防災リーダー向けの内容だが,防災についても携わることがあるハザード研究者にもお勧めしたい内容となっている.

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※現在でも入手可能な図書については,ブログ左段の「図書」リストにも掲げました.学術サイトでのアファリエイト利用には批判的なご意見もあるかもしれませんが,情報提示法の一つとして利用しております.

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