« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »

2007年5月16日 (水)

砂防学会

平成19年度砂防学会研究発表会が,5月23~24日に福井市において開催されます.

砂防学会
http://www.jsece.or.jp/

牛山は,5月23日に「豪雨災害を対象とした防災ワークショップの現状と課題」というタイトルで発表の予定です.

| | トラックバック (0)

2007年5月14日 (月)

リアルタイム豪雨表示システムのリニューアル

当方では,「リアルタイム豪雨表示システム」という,AMeDAS観測データを用いた降水量情報の提示ページを運営していますが,このたび,やや大きなリニューアルを行いました.

リアルタイム豪雨表示システム
http://www.disaster-i.net/rain/

このページは,2001年から運用しているものです.データ受信端末や,データ処理マシン,公開サーバなど,表から見えないところはかなり更新してきましたが,基本的な構造はほとんど変えることがありませんでした.今回の更新内容は以下の通りです.

  • 「府県別降水状況」を携帯版とPC版に分け,PC版では各観測所の1,2,24,48,72時間降水量と,それらの過去最大値との差を常時示すようにしました.
  • 各観測所の過去72時間分の降水量グラフをpng形式画像で示すことにしました.このグラフでは,グラフ描画開始時からの積算降水量を示すと共に,24,48,72時間降水量の過去最大値をグラフ内に示して,現在の積算降水量と見比べられるようにしています.
  • 「府県別降水状況」(各観測所のグラフも含む)は,過去1ヶ月分をアーカイブすることにしました.
  • 「降水量極値更新状況」のページを作り,1,2,24,48,72時間降水量の過去最大値を更新した観測所のみの表を示すこととしました.表の形式は「府県別降水状況」と同じで,観測所毎のグラフも含まれています.
  • 「降水量極値更新状況」は全てをアーカイブすることとしました.
  • 降水量分布図はこれまで通りの形式ですが,1,24時間降水量分布図と,1,24時間降水量の極値更新観測所分布図を1つのページにまとめて表示することとしました.
  • 過去の降水量分布図は,1ヶ月分のみをアーカイブすることとしました.管理できるサーバの容量的制限のためです.

2001年4月にこのシステムの運用を開始した当時は,雨量をwebや携帯で見ることができるシステム自体少なかったのですが,今では様々なものが整備されました.ただ,不思議なことに,各観測所の過去の記録と直接見比べることができる,すなわち「その場所の過去の降水量に比べ,現在どの程度激しい降水量が記録されているか」を把握できるシステムは,一向に姿を現しません.この点では,本システムはまだまだadvantageがあるものと考えています.

降水量の「激しさ」は地域によって極端に異なるので,観測された値だけから読み取ることは難しいものです.水位の表示では,計画高水位などを合わせてみせることで「激しさの目安」としていますが,「過去の降水量最大値」は降水量についての「激しさの目安」となりうると思います.無論,単純な過去最大値ではだめだ(極端に大きな値が観測されると目安にならない),という意見はあると思います.30年間の最大値とか,**年確率雨量とか,「目安」の候補はいろいろあると思います.本システムでは,「現時点で整備しやすく,かつ分かりやすい」指標として「過去最大値(AMeDASなので1979年以降最大値)」を便宜的に使用していますが,将来は変えるかも知れません.ただ,どの指標も決定的に適切あるいは不適切ということはないと思います.

ご覧いただけば分かりますように,今となってはかなり稚拙な作りのページです.お恥ずかしいのですが,私の実力ではこの程度のところです.

このシステムは,awk,GMT,gnuplotとそれらを制御するシェルスクリプトだけで作っています.パッケージではないので,この「システム」をどこかの観測システムに組み込む,というのは少々難しいと思います.

いろいろと変なところがあると思いますので,お気づきの点がありましたらご一報下さい.側対応は難しいと思いますが・・・

| | トラックバック (1)

2007年5月 8日 (火)

八幡平市大更地区の流れ山など

Dscf0695 5月4日に,岩手県八幡平市内を中心に,岩手山が作った地形などの観察をしてきました.私は火山が専門ではないので,説明がいささかあやしいですが,岩手山は第三紀以降少なくとも6回の山体崩壊を起こしており,山麓部に様々な火山特有の地形を見ることができます.

写真は,八幡平市大更地区でみられた流れ山の姿です.この付近では大小様々なサイズの流れ山を見ることができます.地質調査総合センター刊行の岩手山火山地質図によると,約7千年前に発生した,平笠岩屑なだれ(岩手山としては最新の山体崩壊)の痕跡の一部のようです.

岩手山火山地質図
http://www.aist.go.jp/RIODB/db099/volcmap/13/

平笠岩屑なだれの堆積物は,岩手山北東側の旧西根町付近に広く堆積しており,一部は盛岡市街地にも見られます(これが山体崩壊と同時に流下したものか,後日流下したものかは確定されていない模様).岩手山南東~南側山麓には,約12万年前の大石渡・小岩井岩屑なだれの堆積物などが広く覆っており,滝沢村,盛岡市,雫石町などのかなりの部分が岩屑なだれ堆積物の上に立地していることになります.岩手県立大学もまさにその中にあります.

山体崩壊は,発生すればその影響範囲の生物,人口構造物はほぼ壊滅すると思われ,現代の防災技術で対処できることはほとんどありません.早期避難による人的被害の軽減くらいでしょう.その発生する確率が,通常 の火山噴火や被害をもたらす程度の地震などに比べれば非常に低いこともあり,具体的な対策はほとんど考えられていないと言っていいでしょう.

このような破局的な災害に対してどのように「備え」をするかについては,まだ議論の緒についたばかりであり,様々な意見が存在しているのが現状です.このようなテーマに取り組んでいる,知り合いの火山学者の方々のページをご紹介しておきます.

静岡大学 小山真人研究室
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Welcome.html

群馬大学 早川由紀夫研究室
http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/index.html

私自身,「こうすべきだ」という考えは固まっていません.少なくとも「ここではこういう事があり得る(過去にはこういう事があった)」という事を知っておくことだけは必要だ,とは思います.ただ,それが単なる脅し,恐怖心の植え付けに終わってしまってはだめだとも強く思います.できることは必ずある.けして希望は捨てずに,具体的な対策を考える,というところでしょうか.考え方の基本は,他の災害とまったく同じだと思います.

| | トラックバック (0)

« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »