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2007年7月19日 (木)

新潟県中越沖地震と携帯

新潟県中越沖地震については,情報収集は行っていますが,特に詳しく調べを進める予定はありません.

この災害で,筆者の専門に関わることで気になったこととしては,携帯電話に関する状況が挙げられます.今回の災害では,基地局自体の被災・停電により,音声通話,メール共に使えなくなる状況が発生しました.7月17日配信の時事通信によると,

「ソフトバンクモバイルでは、電話の電波を中継する基地局計90カ所が機能しなくなり、新潟県13市2町3村と長野県6市3村の一部で会話、パケット通信ともできなくなった。」
「NTTドコモでは、新潟県柏崎市の9つの基地局が、停電が原因とみられる障害で停止し、同市の一部で携帯電話が全くつながらなくなった。「au」ブランドのKDDIも3基地局が稼働停止に追い込まれ、新潟県上越、柏崎両市の一部で不通になった。」

とのことでした.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070717-00000002-jij-soci

「災害時に携帯メールは強い」という認識が,一部かなり強く出回っていると感じます.音声通話とパケット通信が切り分けられているので,輻輳の影響を受けにくいということで,2004年の新潟県中越地震の時にほとんど問題がなかったとも言われます(ただし,その後の第3世代機ではau以外では切り分けができなくなったともいわれます).

新潟県中越地震の被災地に学ぶ“強い通信”の実際
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20041113/152537/?ST=bcp

関東の震度5強で露呈した携帯電話の弱点
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050801/165634/

災害時の携帯メールのことについては,これまでにも何度か書いてきましたが,「音声通話よりましで,送信に成功すればいつかは届く」事は確かですが,けっして「普段通りに使える」とは考えられません.

8月16日宮城県沖の地震時の情報利用に関する調査結果(速報)について
http://www.disaster-i.net/disaster/20050816/050905rs.pdf

また,音声・パケットの切り分けがどうこうに関わらず,基地局に被害(あるいは停電)が発生してしまえば,使えなくなってしまいます.今回の事例は,報道で見る限り,基地局に各種の障害が生じ,通信が確保できなくなったものと思われます.予想外でも何でもない,当たり前のことが起こったと思っています.

携帯メールは,災害時の情報伝達手段の有力な一つであることは間違いありません.特に,緊急の状態を脱した後の復旧,復興過程では有効だと考えています.しかし,あくまでも「手段の一つ」です.

  • 災害時の携帯メールは,「普段と全く同様にスムースに使える」事は期待できません
  • 基地局が被災すれば,復旧までの間,完全に使えなくなります.

こんな当たり前のことに目をつぶって,「災害時に携帯メールは強い」などという希望的観測を信じる人がなぜいるのか,筆者には本当によく分かりません.

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