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2008年8月29日 (金)

東海豪雨との比較

今回の豪雨は,その発生場所などから,2000年東海豪雨を連想させる.しかし,端的に言えば,今回の豪雨は,その外力(降水量の規模)も,被害の程度も,東海豪雨とは比較にならない事例だったと言える.

東海豪雨時のAMeDAS観測所の最大24時間降水量は,愛知県の東海で557mmで,今回の愛知県・岡崎での24時間降水量302.5mmよりはるかに多い.降水量の多寡は,地域によって全く異なるので一般的には観測値そのもので直接比較はできないが,東海豪雨時の多雨域は今回の豪雨の多雨域に近接し,かつ地形的にも大きな違いがないので,この場合は直接比較しても大きな問題はない.

また,多雨域も東海豪雨時よりはるかに狭い.AMeDASで24時間降水量300mm以上を観測したのは岡崎のみだが,東海豪雨時には300mm以上の雨域は愛知県ほぼ全域に広がっていた.下記ページ内の図は東海豪雨時の2日降水量の分布図だが,このときの降雨イベントはほぼ24時間以内で終わっており,24時間降水量の分布図と大差はない.

http://disaster-i.net/disaster/20000911/distribution.html

被害の規模も,東海豪雨ほど激しいものには今のところなっていない.東海豪雨による被害は,2000年10月2日現在の総務省消防庁資料によると,全国で死者10名,住家全壊27棟,半壊77棟,一部損壊208棟,床上浸水27180棟,床下浸水44111棟だった.今回の被害はまだ全貌が明らかとなっていないが,床上浸水家屋数で見ると,少なくとも1桁以上は小さな規模である.外力が小さいのだから,その結果としての被害が少ないことも当然と思われる.

筆者は,ことさらに災害を過小に評価する意図は持っていない.過去の災害のことを速やかに忘却し,あたかも全く経験もしたことがないような現象が次々に発生しているかのようなとらえ方がなされることに懸念を持っているだけである.過去の災害の教訓「だけ」を重視することは無論好ましくない.しかし,あまりにもあっさりと過去の災害の実像や教訓を忘却することは,何とか防いでいかなければならないと思う.

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