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2009年7月30日 (木)

静岡新聞に掲載されました

7月29日付静岡新聞に,当方の記事が載りました.今回の一連の豪雨災害より前に受けた取材にもとづくものですが,あらためて,梅雨末期集中豪雨の怖さを実感しているところです.

関係箇所を引用いたします.
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NEWS交差点=ゲリラ豪雨-問われる地域防災力 行動計画策定急ぐ県

<中略>
 ■インタビュー(牛山素行・静岡大准教授)

 ◆場所の特性知り準備を

 短時間に降る猛烈な雨は、さまざまな災害を誘因する。ゲリラ豪雨の危険から身を守るため、何に注意すべきか。静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(41)に聞いた。

 ―昨夏はゲリラ豪雨の被害が注目されました。

 「あまり知られていないが、昨年は台風の直撃がなく、例年と比べて降水量も被害も記録的に少ない年。死者や行方不明者、建物の全半壊などのデータからも、『大した雨が降らない』年だった。(児童ら5人が流された)神戸市の都賀川で起こった事故の衝撃が大きかったために、注目を集めたと言える」

 ―国が検討会を設置するなど、本格的な対策に乗り出しました。

 「都賀川の事故で、安全と思っていた公園で小学生の犠牲者が出るという衝撃性に、焦点が当たったのだろう。事故以来、ゲリラ豪雨は『特殊な自然現象』という認識が生まれたが、本当は『起こり得る当たり前の現象』。外力のせいにして思考停止するのは問題だ。人間側の対策で被害は軽減できる」

 ―気象庁は、黒い雲や雷鳴、冷たい風に注意を払うなどの対策を挙げています。

 「自然現象に目を向ける以前に、いる場所の地形や地質、気候、人口など、土地が持っている性質を知っておく必要がある。この場所でどういう災害が起こり得るのか。土地の脆弱(ぜいじゃく)性を知ることは、あらゆる災害対策の第一歩。過去にどのような被害があったのか。既にある情報を最大限に生かすべき。指定された危険個所やハザードマップなどを確認することが重要だ」

 ―ゲリラ豪雨に見舞われた際の注意点を教えてください。

 「04年以降の風水害の死者を調べると、用水路や田畑の様子を見に外出して流されるなど、自らの意思で危険な場所に接近して被害に遭う『事故型』が22%以上を占めているのが分かる。大雨警報と土砂災害警戒情報、記録的短時間大雨情報の3情報がセットになると危ない。豪雨のメカニズムを知ることよりも、自分がいる場所の特性をよく理解した上で、災害情報を知る心構えが大切になる」

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2009年7月29日 (水)

防府の1時間降水量について

AMeDAS防府では7月21日に最大1時間降水量72.5mmが記録され,これが観測史上最大値となった,としている資料があるが,これは,任意の1分ごとに統計を取る最大60分降水量である.本稿で用いているのは毎正時の観測値を元にした1時間降水量であり,この統計値で見ると今回の記録は最大値にはならない.すなわち,いずれの情報も間違っているわけではない.

最大60分降水量の統計値で見ると,1位は今回7/21の72.5mm,2位は2003/7/12の69mmであり,大差はない.したがって,「大きいことは大きいが,突出した値ではない」という見方は不適切だとは思えない.

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2009年7月28日 (火)

ページタイトル変更

7/21の山口県付近での豪雨に始まった,本年梅雨末期の各地での豪雨について,7/27に気象庁が「平成21年7月中国・九州北部豪雨」と命名しました.

平成21年7月19日から26日に中国地方及び九州北部地方で発生した豪雨の命名について
http://www.jma.go.jp/jma/press/0907/27a/gouumeimei200907.html

これにともない,当方で整理してきた山口での豪雨関係のページのタイトルも変更することにしました.

平成21年7月中国・九州北部豪雨による豪雨災害研究関係情報
http://disaster-i.net/disaster/20090721/

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2009年7月26日 (日)

8月1日に緊急報告会

8月1日(土)に,静岡市内で,今回の山口での豪雨災害に関しての緊急報告会を行います.詳細は,下記をご覧ください.

http://disaster-i.net/disaster/20090721/090801.pdf
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2009年7月21日,山口県南部の防府市付近を中心として,梅雨前線による豪雨が発生した.この豪雨により,防府市などで死者・行方不明者17名などの被害が生じている.全国で10名以上の人的被害を生じた豪雨災害は,2006年7月の平成18年7月豪雨(死者・不明者28名)以来であり,3年ぶりのまとまった規模の豪雨災害となった.報告者が7月22日におこなった現地調査などの結果を踏まえ,本災害をもたらした降水量,被害発生状況,災害情報面からの特徴などについて報告する.なお,関連情報はhttp://disaster-i.net/disaster/20090721/に掲載してある.
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話題提供者は私だけで,直後ということもあり内容的には,現地写真などを中心とした簡単なものではありますが,関心をお持ちの方はお越しください.

なお,参加方法については上記リンク先資料をご覧ください.当方にお申し込みをいただいても対応ができませんので,ご理解を賜りますようお願いいたします.

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2009年7月25日 (土)

山口豪雨災害・降水量に関して追記

2009年7月21日の梅雨前線による豪雨災害研究関係情報
http://www.disaster-i.net/disaster/20090721/

で,降水量関係の記述を加筆修正しました.関係箇所を挙げます.

03 7/21に,全国のAMeDAS観測所(1979年以降で統計期間20年以上)で,1時間降水量の最大を更新した観測所は2カ所(山口県・桜山,柳井),24時間降水量は同1カ所(山口県・防府),48時間降水量は同2カ所(防府,下松),72時間降水量は1カ所(下松)となっている.すなわち,記録的な豪雨がもたらされた地域は限定的である.1時間降水量の最大値を更新した観測所は,被害の大きかった防府とは別の場所である.

04 被害の大きかった防府の24時間降水量が最大値を更新しはじめたのは21日17時で,多くの土砂災害が発生した12時時点では 243.5mmと1979年以降2位で,最大値は更新されていなかった.ただし,48時間降水量の最大値を更新したのは同12時だった (257mm->285.5mm).72時間降水量は更新されなかった.1時間降水量は過去30年で2位の63.5mm(1位は68mm)で,大きいことは大きいが,突出した値ではない.

05 各地で土砂災害が発生した21日12時頃の後も断続的に降雨が続き,21日23時の時点では,24時間降水量275mm(1979年以降最大値250mm),48時間降水量332mm(同257mm)となり,これらが防府におけるあらたな最大値となった.しかし,主な土砂移動現象が生じたのは21日12時頃であり,「21日の最大値」を,今回の災害をもたらした代表的な観測値としてことさらに強調することは適切でない.

ここで用いているのは気象庁AMeDAS観測所の観測値である.AMeDAS防府は,防府市街地の南西にあり,真尾の老人ホームの現場からは南西約10km,下右田の国道の現場からは南に約6kmの位置にある.土砂災害が多発した現場とは降水量が異なっていた可能性もあるが,真尾の現場から西に約1kmの位置にある国交省真尾雨量観測所でも,21日12時の24時間降水量245mm,48時間降水量274mmとなっており,両地点間で雨の降り方に極端な違いはなかったものと判断される.観測所の位置は下記に.

各地での現象に関する地図上のメモ

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北部九州での豪雨には手が回りません

7/24~25にかけて,福岡県などでまとまった豪雨災害が発生しています.最低限の情報は見ていますが,いい加減な整理はしたくありませんので,遺憾ながらこの事例に対しては手が回りそうにありません.

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2009年7月24日 (金)

静岡新聞に掲載されました

今回の山口での豪雨災害に関し,7月24日付静岡新聞朝刊に当方のコメントが掲載されました.下記に引用します.

「大雨は何時間も続くものではない」は今から思うと適切でないコメントでしたが,確かに私自身このように言ってしまったことなので,仕方がありません.

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山口豪雨災害「油断しがちな状況か」-静岡大・牛山准教授が現地調査

 山口県の豪雨災害で、現地を訪れた静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(41)=災害情報学=は23日までに、甚大な被害が出た防府市の土石流に関する緊急調査結果をまとめた。「降雨のピークが2回あり、小康状態を挟んだ2回目の豪雨の中で土石流が発生した」と当時の状況を分析し、「油断しがちな状況だった可能性がある」と指摘した。

 牛山准教授は発生翌日の22日に被災地に入り、土砂にのみ込まれた特別養護老人ホームや国道262号などを見て回った。発生当時、大雨警報に加えて土砂災害警戒情報が発令され、隣接の山口市には記録的短時間大雨情報が出ていたことに注目し、「防げた災害と言うには酷だが、現場は土砂災害警戒区域に指定されていた。注意すべき情報はそろっていた」と述べた。

 国道262号の被災に関しては、「移動中は情報が伝わりにくく、逃げにくい。土砂に押し流されてつぶれた車が目立った」と話す。教訓として「車に乗ると何となく安心してしまうが、危険度は徒歩と同じ。大雨は何時間も続くものではない。可能なら移動は控えるべき」と強調した。

 県と県内各大学、静岡新聞社など報道機関で組織する「しずおか防災コンソーシアム」は8月1日午後1時半から、静岡市葵区駒形通の県地震防災センターで臨時の土曜セミナーを開き、牛山准教授が調査の詳細を報告する。問い合わせは同センター<電054(251)7100>へ。

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2009年7月23日 (木)

山口豪雨災害・人的被害について

山口県での豪雨災害関係.本日の報道などから,人的被害について,少し誤認識があったことがわかりましたので,記述を加筆修正しました.関係箇所を再掲します.

  • 7月22日の消防庁第9報をもとに分類すると,死者・行方不明者の発生原因は,土砂によるもの14名,事故型3名.洪水によるものは確認されていない.ほとんどが土砂によるものであり,近年よく見られる豪雨災害による犠牲者の発生形態と見なせる.
  • 国道262沿いで発生した土石流は,通行中の多数の車を押し流し,土砂に埋めた.そのうち1台の車内にいた1名が死亡,同乗者1名が行方不明となっている.車などでの移動中は危険な状態にあることを,あらためて注意喚起したい.

分類法などについては,筆者の

豪雨災害時の人的被害に関する研究
http://disaster-i.net/research4.html

を参照のこと.また,近年の豪雨災害による犠牲者の発生状況については,

2004~2008年の豪雨災害による人的被害の原因分析
http://disaster-i.net/notes/2008higai.pdf

も参照のこと.

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2009年7月22日 (水)

現地より帰着

先ほど現地調査より帰着しました.

2009年7月21日の梅雨前線による豪雨災害研究関係情報
http://www.disaster-i.net/disaster/20090721/

に現地調査写真を追加するとともに,コメントの内容を加筆,修正しました.特に,老人ホームの土砂流出の発生時間を誤って認識していたようです.明日,さらに情報収集,検討を加えたいと思います.

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2009年7月21日 (火)

山口豪雨災害・22日に現地調査

今回の豪雨災害による被災地である,山口県防府市などを,あす
7月22日に現地調査することにしました.明日中には結果の簡単な
報告ができると思われます.

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2009年7月21日の梅雨前線による豪雨災害研究関係情報

2009年7月21日の梅雨前線による豪雨災害研究関係情報
http://www.disaster-i.net/disaster/20090721/

を公開しました.同ページにも書いてありますが,気になっている点を列挙します.

  • 7/21に,全国のAMeDAS観測所(1979年以降で統計期間20年以上)で,1時間降水量の最大を更新した観測所は2カ所(山口県・桜山,山口),24時間降水量は同1カ所(山口県・防府),48時間降水量は同1カ所(防府),72時間降水量は0カ所となっている.すなわち,記録的な豪雨がもたらされた地域は限定的である.1時間降水量の最大値を更新した観測所は,被害の大きかった防府とはやや離れた場所にある.
  • 防府の24時間降水量が最大値を更新したのは21日17時で,多くの土砂災害が発生した正午から5時間程度後だった.また,更新の規模も大きくない(250mm->257mm)ただし,48時間降水量の最大値を更新したのは同12時で,こちらは更新の規模もやや大きい (256mm->314mm).一方,72時間降水量は更新されていない.本事例は,同地域における,あらゆる角度から見ての最大規模の豪雨とはみなせない.7月21日19時のNHKニュースによると,本事例による死者・行方不明者は,山口県防府市などで13名である.2006年七月以降の豪雨災害で最大規模の人的被害となった.# 死者の詳細は7/21夜の時点で不詳であるが,土砂災害によるものが中心.主な被災現場は,防府市真尾の特別養護老人ホームと防府市下右田の国道沿い裏面崩壊.後者では,走行中の車の犠牲者もいた模様.
  • 国道沿い法面の崩壊は,1140頃とのことで降雨中に発生しているが,老人ホームの方は1350頃とのこと.AMeDAS防府では13 時の降水量が11.5mm,14時が0.5mmなので,老人ホームの崩壊は雨がほぼ上がった後に発生している.警戒しにくいタイミングの発生だった可能性がある.
  • 降雨のピークが2回あり,国道の崩壊は1回目のピークの後になる.こちらも,警戒しにくいタイミングの発生だった可能性がある.
  • 老人ホームの被災によるまとまった犠牲者の発生は,1998年那須豪雨の福島県西郷村での事例と共通しているように思われる.

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山口県付近で豪雨による災害

7月21日正午前後,山口県防府市を中心とした地域で,比較的大きな被害をもたらした豪雨災害が発生しました.21日19時のNHKニュースによると,死者・行方不明者は13名とのこと.3年ぶりのまとまった豪雨災害となってしまったようです.

現在,情報を収集中です.おそらく明日には現地に行くことになると思います.

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2009年7月11日 (土)

豪雨災害人的被害に関する参考資料公開

筆者は,ここ何年か,豪雨災害による人的被害の発生状況に関する研究を続けています.

豪雨災害時の人的被害に関する研究
http://disaster-i.net/research4.html

これまでの整理結果をまとめた図表などは,

牛山素行,2008:2004~2007年の豪雨災害による人的被害の原因分析,河川技術論文集,Vol.14,pp.175-180.
http://disaster-i.net/notes/2008kasen.pdf

にまとめていますが,同文献に掲載した図表は2007年までの被害を元にしたものでした.このたび,2008年の被害及び未調査だった2004年の一部被害を追加して図表のみを書き直した資料として下記を公開しました.

2004~2008年の豪雨災害による人的被害の原因分析(参考資料)
http://disaster-i.net/notes/2008higai.pdf

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2009年7月 4日 (土)

河川情報センターでの講演がweb掲載

去る6月11日に河川情報センターで行った講演会,

河川情報センターで講演
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-e1ac.html

の内容が,同センターのwebに掲載されました.

河川情報センター講演会09.06.11
「最近の日本の豪雨災害と災害情報を巡る諸課題」講演記録
http://www.river.or.jp/koueki/090611/result.html

相変わらず似たような話しかしていないことがばれてしまいますが.

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2009年7月 3日 (金)

静岡放送に出演

去る7月1日(水),静岡放送(SBS)の夕方の情報番組「イブニングeye」のなかの,「防災最前線」というコーナーに出演しました.このコーナーはweb上に,文章でほぼ完全に保存されております.

7月1日放送 「大雨から身を守るには」
http://blog.shizuokaonline.com/eye/2009/07/post_161.html

静岡放送へは,7月8日(水)にも出演の予定です.今度は,天気コーナーへの出演が予定されています.

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