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2009年8月24日 (月)

朝日新聞で報道されました

少し時間が経過していますが,8月16日付朝日新聞で当方に関する報道がありました.佐用水害に関しての記事で,朝日新聞による同行取材を受けての記事です.

記事中の「公民館には、災害時の連絡網や避難場所についての掲示があり、自治会の防災意識の高さがうかがえる。」は私も確認しており,重要なポイントとして注目しています.これについては,今後もう少し精査したいと考えています.

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冠水80センチ、避難中犠牲に 兵庫・佐用の豪雨から1週間 【大阪】

 西日本を中心に襲った豪雨から16日で1週間。被害が集中した兵庫県佐用町では、避難しようとした多くの住民が濁流にのまれる異例の惨事が起きた。豪雨災害の人的被害について研究する静岡大防災総合センター准教授の牛山素行(もとゆき)さん(41)と14日に現場を歩き、水害対策に生かすための教訓を探った。(川田惇史、浅倉拓也)

 3家族の8人が死亡、1人が行方不明になった佐用町本郷の町営幕山住宅。建物の損傷は目立たないが、町内での死者・行方不明者20人のほぼ半数を占めた。避難場所の幕山小学校までは北東に200メートルほど。牛山さんは「逃げたくなるのも無理はない」。
 小学校近くの道路に並行して幅約1・5メートルの用水路があり、はんらんした幕山川に注ぐ。目撃情報などから、犠牲者はこの付近で流されたとみられる。用水路付近は周囲より土地が低い。こびりついた草から、豪雨が降った夜は80センチほど冠水していたことがわかった。幕山住宅と小学校の間にある公民館には、災害時の連絡網や避難場所についての掲示があり、自治会の防災意識の高さがうかがえる。
 ただ、大人でも、流れる水にひざまでつかればほとんど歩けなくなるという。水深50センチほどだ。牛山さんが専門器具で地形の高低差を測ると、平らに見える住宅地でも1メートル前後の起伏があった。「1、2メートルの高低差はほとんど意識されないが、水害時の避難ではとても重要だ」という。
 一方、幕山川が合流する佐用川流域の久崎(くざき)地区では堤防の一部が壊れ、多くの住宅が倒壊。商店の壁には2メートル近くの高さまで泥水の跡が残っていた。それでも死者・行方不明者は出なかった。
 ここは04年9月にも台風で浸水被害を受けた。住民の多くは「その経験があって助かった」と口をそろえる。呉服店を営む花高イヨさん(59)は「04年の時は深いところで50センチほど冠水し、何とか近くの体育館に避難した。今回はすぐに水かさが増して04年の時を超え、外は危ないと判断した」。商店街の他の人たちもそれぞれ2階に上がった。牛山さんは「犠牲者が出なかったのは驚きだ」と言う。
 牛山さんが04~08年の全国の豪雨災害について調べたところ、計262人の犠牲者のうち8割は避難行動を取らないまま遭難。避難先や避難の途中で亡くなった人は1割にも満たなかった。
 このため、水害時の避難の経路や場所について行政は十分に検討してこなかった。牛山さんが04年末、全国737自治体を対象に豪雨災害への備えなどを聞いたところ、4割の自治体は「避難場所の選定で浸水の影響は考慮していない」と答えた。「災害の種類に応じた準備を、自治体だけでなく地域や個人でも考えておくべきだ」。牛山さんはこう指摘した

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2009年8月23日 (日)

この記事はさすがに

8月16日付読売新聞(東京朝刊)に当方のコメントが掲載されています.

ただ,これはさすがにちょっと不本意な使われ方です.

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牛山素行准教授は「耐震化のおかげと考えるのは早計」とみる。もしプレート内型とタイプの異なる地震だったら、被害が拡大した恐れがあるからだ。「理由をしっかり検証することが大事だ。6弱でも大丈夫と信じると、備えがおろそかになる」と戒めている。
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とあるのですが,「理由をしっかり検証することが大事だ。6弱でも大丈夫と信じると、備えがおろそかになる」はいいのですが,この文だと,私がその理由として「もしプレート内型とタイプの異なる地震だったら、被害が拡大した恐れがあるからだ」と発言したと読み取れます.

私は地震そのもののメカニズムは素人ですから,このようなコメントはしていませんし,できません.私の方で言えることは,特に根拠もなく「この地震で大丈夫だったから」と安心するのは早計ではないか,という指摘のみです.

以下に全文を引用します.
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静岡沖地震 半壊2棟、全壊なし 短周期「プレート内型」要因?

 11日に起きた静岡沖地震では、約6000棟の住宅に被害が出たが、2棟が半壊しただけで、全壊はなかった(総務省消防庁調べ・14日現在)。ところが、2005年3月の福岡県西方沖地震では、最大震度が同じ6弱なのに、全・半壊が497棟に達している。なぜこんなに違うのか?

 地震は、震源となる場所によってタイプが異なる。静岡沖地震は、日本列島の下に潜り込む海側のプレート(フィリピン海プレート)の中で起きた「プレート内型」地震だった。これに対し、福岡の地震は、陸側のプレートで起きた「内陸型」。予想される東海地震は、2枚のプレートの接触面で起きる「境界型」だ。

 昨年7月に起きた岩手北部の地震は、静岡沖と同じプレート内型で、やはり最大震度は6弱だったが、建物被害は全壊1棟にとどまった。このタイプの地震は、震度が大きくても、建物を壊す力が小さくなる傾向があるようだ。

 海側のプレートは、上に重い陸のプレートが乗っているため、大きな圧力がかかっている。プレート内の岩石は高圧で固まっており、壊れにくい。東京大学地震研究所の古村孝志教授は「地震のエネルギーの大きさに比べ、壊れる岩盤の面積が小さい。このため揺れの周期が小さく、揺れる時間も短い地震が多いのではないか」と推測している。

 ◆備えは油断禁物

 実際、同研究所の纐纈(こうけつ)一起教授によると、海のプレートの中で起きる地震は、揺れ1回の周期が1秒以下の、ガタガタという小刻みな揺れの成分が多い。花瓶や置物が飛んだり、倒れたりしやすいが、家は壊れにくい。筑波大の境有紀准教授が、今回の地震波を分析したところ、主な揺れの成分は0.3~0.5秒と、やはり短周期だった。

 静岡県は2001年、古い建物の耐震化を促す「TOKAI-0」プロジェクトを始めた。08年度末現在で、県内住宅の耐震化率は8割に達したと推計されている。

 被害が少なかったのは、この対策の効果と指摘する意見もあるが、静岡大防災総合センターの牛山素行准教授は「耐震化のおかげと考えるのは早計」とみる。もしプレート内型とタイプの異なる地震だったら、被害が拡大した恐れがあるからだ。「理由をしっかり検証することが大事だ。6弱でも大丈夫と信じると、備えがおろそかになる」と戒めている。

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2009年8月16日 (日)

共同通信の記事になっていますが

8月15日付の共同通信配信の記事に当方のコメントが載っています.どこかの地方紙でも使われているかもしれません.

ただ,これはちょっと予想外の使われ方でした.そもそも私は美作市の土砂災害についてはほとんど情報収集もしていませんし,現場も見ていません.また,「自治体は、発令時のシミュレーションをし、地域ごとの避難計画を策定すべきだ」というコメントからは,あらゆる状況を考慮して『自治体が』地域ごとの避難計画を決めなければいけない,というように読み取れますが,私の意図とは全く反します.『自治体が』決めよ,という考え方を転換すべきと考えます.本当にソフト防災を進めるのであれば,我々みなが当事者意識を持たないとできないと思います.

また,「地域ごとの避難計画」というと,きっちりとしたマニュアルをイメージすると思いますが,そういうことをいいたいのではありません.災害の状況は様々です.全国一律,教条的なマニュアルを作るのではなく,まずはそれぞれの地域の災害特性を十分理解し,地域や個人それぞれにとって必要な行動をいろいろ考えておくことが重要だと思います.

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土砂警戒情報また生きず  豪雨被害の岡山・美作市

 9日夜、豪雨に見舞われた岡山県美作市が、避難勧告発令の基準となる土砂災害警戒情報が出されたのに、土砂崩れで1人が死亡した同市田原地区に勧告を出していなかったことが15日、分かった。

 同情報が美作市に発令されたのは2007年の運用開始以降初めてだった。市の中西祐司総務課長は「聞いたことがなく、勧告の基準にする考えはなかった。勉強不足だった」と話している。

 7月に起きた山口県の豪雨災害でも土砂災害警戒情報が生かされておらず、行政の対応の甘さが再び露呈した。

 美作市などによると、岡山県と気象台が警戒情報を市に出したのは9日午後9時15分。土砂災害警戒区域に指定されている田原地区の危険度は「直ちに避難すべき基準」とする最高レベルにまで上がった。

 一方、市は午後10時半、同市林野地区に避難勧告を発令した。水位など市独自の基準を目安にした発令で、田原地区は対象外だった。

 田原地区では午後9時半ごろに土砂崩れがあり、民家2棟が倒壊。4人が埋まり、全員救出されたが1人が死亡した。

 山口豪雨では同県防府市に土砂災害警戒情報が届いたが、市は土石流で多数の死者が出た特別養護老人ホームに避難勧告を出さなかった。

 静岡大の牛山素行准教授(災害情報学)は「災害予測の情報は生かせなければ意味がない。自治体は、発令時のシミュレーションをし、地域ごとの避難計画を策定すべきだ」と指摘している。

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2009年8月15日 (土)

佐用豪雨災害・現地調査写真

昨日8月14日,兵庫県佐用町の被災現場を踏査してきました.現地写真を整理しています.

2009年8月台風9号(台風0909号)豪雨災害 研究関係情報
http://disaster-i.net/disaster/20090809/
http://disaster-i.net/photo/090814/090814p.htm

今回の災害では,人的被害の発生状況に大きな特徴があります.以下に整理します.
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  • 8/15までに整理した情報を元に検討すると,今回の災害による死者・行方不明者の原因別内訳は,洪水19名(+3名となる可能性あり),事故型 2名,土砂1名などとなっており,洪水そのものによる犠牲者が非常に多い.1980年代以降で見ると,2004年台風23号(洪水による犠牲者32名),昭和57年7月豪雨(長崎豪雨・同約30名)に次いで3番目の規模である.
  • 2004年台風23号の洪水による犠牲者は近畿・四国を中心に広域で生じており,ほぼ1自治体内で集中的に発生したケースとしては,長崎豪雨に匹敵する.
  • 洪水による犠牲者は,1名を除き全員が,自宅など屋内ではなく,屋外を移動中に遭難している.近年の洪水による犠牲者の多くは屋外を移動中の遭難であり,このこと自体は一般的な傾向と言える.
  • 洪水による死者行方不明者19名中,少なくとも11名は避難先への移動中に遭難している.筆者の2004~2008年の豪雨災害犠牲者 262名を対象とした調査によると,何らかの避難行動をとっていたものが25名,うち,避難先への移動中だったものが14名である.すなわち,今回の災害では,最近5年間の「避難先への移動中の遭難者」の総数と同程度の犠牲者を1回の事例で生じてしまったことになる.まだ精査していないが,1回の事例で,このような形態の遭難者が10名以上も生じた事例は,1980年代以降初めてだと思われる.

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2009年8月13日 (木)

毎日新聞で報道されました

8月11日付毎日新聞(大阪朝刊)に,兵庫での豪雨災害に関する当方のコメントが報道されました.以下に引用します.

「過去5年間の水害では、犠牲者の3分の1が水に流されて亡くなり、うち8割が避難などで自宅の外にいて命を落としている」は,ちょっとまわりくどい言い方だったかなと思いますが,おおむねこのようなコメントをしました.

豪雨災害による犠牲者のうち,3割程度(2004-2008年の調査では262名中72名)は洪水そのものでなくなっています.そのうち,約8割(同72名中55名)が屋外を車や徒歩で移動中に遭難しています.「避難などで」という言い方は間違いではないのですが,避難中になくなった人が多いということではありません.避難目的で移動中に遭難している人は,やや不確実なところがありますが,十数名で,多くは避難ではなく普通の移動中に遭難しています.

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台風9号:西日本豪雨 避難途中に犠牲 不明18人、死者13人に

 台風9号による大雨の被害は10日午後、兵庫県佐用町で新たに1人の遺体が発見され、亡くなったのは同町で11人▽同県朝来市1人▽岡山県美作市1人の計13人になった。連絡が取れない行方不明者は、佐用町15人▽兵庫県豊岡市1人▽徳島県吉野川市と徳島市で各1人の計18人。兵庫県警は10日午後7時に行方不明者の捜索を打ち切り、11日朝から400人体制で再開する。

<中略>

 ◇夜の移動危険増大 ひざ下の水でも足取られ

 夜間の避難については「水の状況が分からず危険が増す」との指摘もある。暗い中で冠水などに気づかない可能性があるからだ。

 静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(災害情報学)によると、ひざ下あたりの高さの水が秒速1メートルで流れた場合、年齢を問わずほとんどの人が足をとられ、自動車でも浮かび上がる状態になるという。

 牛山准教授は「過去5年間の水害では、犠牲者の3分の1が水に流されて亡くなり、うち8割が避難などで自宅の外にいて命を落としている」と指摘する。

 「家の周辺が浸水しているなら、無理して避難するより、自宅の2階に逃げるほうがいい場合もある。日ごろから自宅周辺の地形などを知り、いざというときにどう避難するかを考えておく必要がある。避難するかどうかの見極めも大切だ」と話している。

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読売新聞で報道されていました

8月10日付読売新聞(大阪夕刊)で,当方の調査結果について紹介されていたようです.取材を受けたわけではありませんので,公表資料を元に紹介していただいたもののようです.以下に引用します.

「避難行動中に」というのは厳密には,「なんらかの避難行動をとっている途中,もしくはとった後」という意味です.「避難場所に向かっている最中に」というケースは,下記で紹介されている262名中25名よりだいぶ少なくなります.

熱低も台風も,災害をもたらす激しい現象という意味ではあまり変わらない,という指摘には共感できます.

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豪雨の兵庫・佐用、濁流一気に住民のむ 2家族が手つなぎ?無事で…安否気遣う

<中略>

 ◆夜間の避難 危険伴う(解説)

 今回の大雨では、避難する途中で水に流されたと見られる被害が相次いだ。同様の被害は過去の水害でも繰り返され、夜間の避難行動は危険を伴うことに改めて警鐘を鳴らした。

 夜間に浸水が起きた後で避難すると、側溝に誤って転落したり、川から水があふれているのに気付くのが遅れて流されたりする危険がある。2006年の7月豪雨では、島根県出雲市で避難所に向かう車が川のようになった道路で水に流され、一家3人が死亡した。

 雨量や水位が基準を超えると一律に避難勧告すると定めている自治体が多いが、教訓を踏まえて、夜に基準を超える見込みになったら早めに勧告を出すなどの改善を進める必要がある。

 静岡大防災総合センターの牛山素行准教授が04~08年の主な豪雨災害の死亡・行方不明262人の状況を調べたところ、うち約1割の25人が避難行動中に犠牲になったと考えられた。

 04年の新潟水害の死者12人について現地調査した林春男・京都大防災研究所教授は、うち5人が浸水の中を行動して流されたことを突き止め、「あらかじめ自分が住む地域の危険性を調べておき、家が破壊されるほどの浸水でなければ、むやみに指定避難所へ行くだけでなく、2階に屋内退避することも考えるべきだ」と提言している。

 住民も水の怖さを知っておく必要がある。一般に、歩く速度の3倍ほどで流れる水の中では、深さが足首を超えると逆らって歩けなくなるとされる。

 今回の大雨をもたらした台風9号は、日本に近づいた後で熱帯低気圧から台風になったため、警戒が遅れた可能性もある。

 熱低も台風も、熱帯生まれの激しい渦巻きという自然現象に違いはなく、風の強さで区別されているだけだ。台風になる前から被災地周辺では強い雨が降っており、熱低だからといって油断してはならない。(科学部・川西勝)

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2009年8月12日 (水)

リアルタイム豪雨表示システムおおむね復旧

昨日の地震によるサーバトラブルで運用停止していた,

リアルタイム豪雨表示システム
http://www.disaster-i.net/rain/ 

は,8月12日午後現在,おおむね復旧しました.ただし,14日頃まで一部の表示にエラーが残ります.

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大学周辺を簡単に現地踏査

本日8月12日午後,静岡大学周辺を現地踏査してきました.付近では,地震による外見上の変化はほとんど見られません.

P1030238 久能山の南方,海岸沿いの静岡市駿河区平松,安居地区では,比較的古い家屋の一部で,屋根瓦のズレが見られました.

この後,三保半島付近や,清水港などの港湾施設もざっと見てきましたが,墓石やブロック塀などの転倒,道路の亀裂,岸壁の損壊などは確認できませんでした.

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災害への調査対応について

昨日の静岡での地震,9日からの兵庫県等での豪雨など,災害が続いています.それぞれ情報収集中ですが,割ける力は限られており,いい加減な仕事はしたくありませんので,焦点を絞った調査研究をしたいと考えています.

兵庫県内での豪雨災害は,洪水による犠牲者が多いこと,避難途中の犠牲者が目立つことなど,近年の豪雨災害にあまり見られなかった特色を持っており,極めて重大な教訓を与える事例であると考えています.このため,本事例に関しては,今後,人的被害の発生状況に関してを中心に,調査を進める予定です.さしあたり,14日(金)に最初の現地調査を行う予定です.

静岡での地震に関しては,当方の専門からやや離れますので,できることは限定されそうです.今のところ,各人の災害への備えとその効果に関してなどを,アンケートなどによって緊急に調査することを考えております.他の観点からの検討も考えていますが,今のところは具体的な案はできていません.

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兵庫豪雨関係・朝日新聞で報道されました

兵庫での豪雨に関係して,当方の市町村防災担当者対象のアンケート結果が,8月11日付朝日新聞朝刊で紹介されました.以下に関係箇所を引用します.

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(時時刻刻)避難路、勧告時に冠水 住民、暗闇を移動 集中豪雨被害の兵庫・佐用

<中略>
 ●高齢者対策、課題残す
 総務省消防庁などのまとめによると、7月に山口県などであった豪雨被害と今回とを合わせた死者は43人。身元が確認できた人のうち、65歳以上が6割近くを占める。
 観測史上最多の10の台風が上陸した04年の被害でも、土砂災害や洪水で200人以上が死亡したうち、お年寄りが7割に及んだ。雨の音もあって防災無線が聞こえない。家族は老いた夫婦だけで思うように移動できない。避難所へ移動中に被害に遭ってしまった――。そんな事例が報告され、国は要援護者の避難対策についてのガイドラインを作成。高齢者や障害をもつ人たちについてリストをつくり、有事の際は早めの避難を呼びかけるよう自治体に求めた。
 しかし、取り組みは思うように進んでいない。消防庁の調査では、今年3月末現在、要援護者の避難計画を立てている市区町村は576と全体の3割強にとどまる。
 静岡大学防災総合センターの牛山素行准教授らが実施した全国調査では、避難経路や避難場所などを盛り込んだハザードマップを7割の自治体が整備していたものの、一方で住民向けの説明会や講習会などを開いていたところは4割にとどまっていた。そして、防災行政に取り組む専任者を一人も置いていない市町村が3割程度あったという。
 リアルタイムの雨量・水位情報も含め、行政が住民に提供する情報は増えてきた。しかし牛山准教授は、勘どころをつかみ、生きた防災活動につなげられる職員が不足している、とみている。「市町村が専任の職員を多く置けるよう、国や県が支援することが必要だ」
 住民側の問題も浮かぶ。「ここは大丈夫だろう」「あの時も平気だったから」。特に、年齢が高い層で「経験」が判断のマイナス要因になり、甘くとらえる傾向があるという。
 田中淳・東大総合防災情報研究センター長は「家の近くで水がつからない安全な場所はどこかなど、事前に家族で話し合っておくことが大事だ。その時にハザードマップを参考にすればより安全な場所がわかる」と指摘する。「行政も、携帯電話への防災メールなど伝達手段を多様化する必要がある」

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2009年8月11日 (火)

第14回 水シンポジウム 2009 in にいがた

本日8月11日は,土木学会ほかの主催による,

第14回 水シンポジウム 2009 in にいがた
http://mizusympo14.jp/

に出席しておりました.今朝ほど新潟にいたのはこのためです.新報ジウムはいくつかの分科会に分かれていましたが,このうちの第一分科会「身近な川の魅力と怖さを知ろう」で,パネリストをつとめてきました.

提供した話題のなかでは,兵庫県佐用町などでの事例も挙げつつ,「避難行動中に犠牲となるケースがある」という点を指摘させていただきました.これは,最も痛ましく,かつ今後の教訓にしなければならないケースだと考えています.地震が起こるとそちらに目が向きがちですが,絶対に忘れ去ってはならない事例だと考えています.

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リアルタイム豪雨表示システムは停止中

リアルタイム豪雨表示システム
http://disaster-i.net/rain/

は,8月11日朝の地震によるサーバのトラブルのため,現在停止中です.復旧の見通しは立っていません.

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静岡に帰着

先ほど静岡に帰着し,研究室まで来ました.静岡大学周辺で見る限り,特に目に見えての物理的な被害はありません.研究室内には少しモノが落ちている程度でした.

取り急ぎ,状況報告まで.

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東海地方で地震

今朝,静岡県を中心に強い地震がありました.私自身は現在新潟市におり,静岡の状況は詳しくはわかりません.今連絡が入っている範囲では,私の周囲では特に被害などは出ていないようです.

今後の予定はまったく未定です.

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人的被害の特徴

不明確な点が多いのですが,佐用町などでの豪雨災害における人的被害の特徴について,10日23時ころ時点での当方の見解です.

洪水そのものによる犠牲者が多いと思われることが大きな特色です.

  • 10日23時時点ではまだ詳細に検討できていないが,犠牲者の多くは洪水そのものによる犠牲者のように思われる.近年の豪雨災害では,洪水そのものによる犠牲者は多くなく,仮に10名以上がそうであれば,2004年台風23号以来の規模となる.
  • 避難しようとしていて,流されて死亡したケースが複数見られるようである.筆者の2004年以降の豪雨災害犠牲者の調査によると,何らかの避難行動をとっていたにもかかわらず犠牲となったケースは全体の約1割(262名中25名程度)で,さらに避難先に向かう途中に犠牲となったケースは十数名である(他は避難先での遭難や,避難場所から離れた後での遭難).
  • まだ明確には言えないが,今回の事例では,「避難先に向かう途中に遭難した犠牲者」が,1事例あたりでみると2004年以降最多となった可能性がある(これまでの事例ではこのようなケースは1事例あたり最大4人程度).

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2009年8月10日 (月)

避難途中に犠牲となった可能性

兵庫県佐用町付近での豪雨災害では,避難行動中に流されるなどして犠牲になったケースが複数あったらしいことが,10日夕方以降の報道で伝えられてきました.

洪水災害の場合,徒歩や車で移動中に遭難するケースが多い(洪水による犠牲者の8割以上)こと,避難行動をとったにもかかわらず犠牲となったケースがあることは,ここ数年私が繰り返し主張してきたことです.自ら避難行動を起こした人が,そのことによって犠牲となるようなケースは絶対になくさなけばならない,ともいってきました.しかし,それが,ややまとまった規模でおきてしまったように思えます.

無論,どうすればいいのか,という即効策はなく,難しい問題であることは間違いないのですが.しかし,やはり残念でなりません.

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2009年8月台風9号(台風0909号)豪雨災害 研究関係情報

2009年8月台風9号(台風0909号)豪雨災害 研究関係情報
http://disaster-i.net/disaster/20090809/

を公開しました.

どうも被害状況に関しての詳報がまだ少ないようですので,上記ページはまだ表紙程度です.

降水量に関してだけ下記のようなメモを入れましたが,まさに,本格的な豪雨です.「この地域としては激しい雨が降った」ということになります.繰り返し,繰り返し言っていますが,「24時間降水量326mm」という降水量の絶対値が「全国的に見ても特別に大きい」のではありません.「この地域としては特に大きい」のです.

  • 佐用では,9日20時に1時間降水量59.5mmを記録した.佐用の1時間降水量1979年以降最大値が57mmなので,この時点で最大値を更新している.続けて21時には81.5mmを記録し,2時間続けて1時間得降水量最大値が更新された.この2時間の降水量は141mmで,1979年以降最大値101mmを大きく更新した.
  • 佐用の24時間降水量は,20時の時点で183.5mmと1979年以降最大値187mmとほぼ同程度となり,21時には265mm と大きく更新している.48時間降水量も21時には更新された(250mm->265mm).24時間降水量と48時間降水量が同値であることからもわかるように,前日8月8日は無降水で1mm以上の雨は8月4日以降降っていなかった.先行降雨はほとんどなかったことになる.
  • 佐用では,9日18時の時点で24時間降水量113mmと,この地域としてはまとまった雨がすでに降っていた.その後に記録的な1時間降水量が連続して記録された.長時間の降水量,短時間の降水量ともに激しく,かつ激しい短時間降水量がまとまった長時間降水量の後に記録されるという降雨パターンであり,豪雨災害の発生が極めて強い雨の降り方だったと考えられる.

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昨夜からの兵庫県付近での豪雨災害

まだ情報があまり出てきていませんが,昨夜から兵庫県西部を中心として,短時間に集中的な豪雨が生じ,20人前後の死者・行方不明者が出ているようです.

断片的な情報からの印象ですが,土砂災害とともに,洪水そのものによる被害がかなり出ているように感じます.避難行動中や,移動中に犠牲となった人もいるようで,これはまさに当方が従来から指摘していたタイプの犠牲者と言えそうで,何とも無力感を感じます.ともかく,情報がはっきりしないのですが,重大な関心を持ってみています.

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気象協会セミナーで講演

8月7日(金)に,大阪市で日本気象協会関西支社の主催による「JWA関西防災セミナー」が開催されました.

毎年開催されているセミナーとのことですが,今回は「局地的豪雨とそれに対する地域防災の役割 -情報の防災への活用-」というタイトルで行われ,気象協会からお二人の話題提供があった後で,当方から,「市町村役場における豪雨災害情報の利活用状況について」のタイトルで講演を行ってきました.

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2009年8月 9日 (日)

毎日新聞(東京夕刊)で報道されました

8月7日付毎日新聞の東京地区夕刊に,当方で行っている豪雨災害時の人的被害に関する研究のうち,「避難行動をとったにもかかわらず犠牲となってしまった事例」について報道されました.以下に記事を引用します.

毎日の記事になるとYahoo!ニュースにも取り込まれます.その記事はこちら.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090807-00000051-mai-soci

豪雨災害時の避難行動は,様々な課題があります.避難行動という,積極的な防災行動がとられることは当然望ましいことであり,その行動が悪い結果につながってしまうようなことは避けなければいけません.過去の教訓をよくよく見つめ,今後に生かすことが必要ではないでしょうか.

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豪雨:死者の1割、避難途中 「2階の方がいい場合も」--04~08年、静岡大調査

 04~08年に国内で発生した豪雨による死者のうち約1割は、避難行動中だったとみられることが、静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(災害情報学)の調査で分かった。浸水がひどくなった後に避難を開始して流されたケースもあり、牛山准教授は「状況によっては、自宅の2階などに逃げた方が助かりやすい場合がある」と指摘している。

 調査対象は、04~08年に起きた豪雨のうち、被害が大きかった20例。

 その結果、船の沈没や海岸でのレジャーが原因のケースを除いた死者・行方不明者計262人のうち、25人が何らかの避難行動中だったとみられることが分かった。

 25人の死亡原因は、洪水が13人、土石流・がけ崩れが10人など。避難行動の内訳は、徒歩や車で移動中▽知人宅に滞在中▽避難所を一時的に離れた--などだった。

 06年7月の豪雨の際、鹿児島県大口市で死亡した86歳の女性は、自宅が浸水したため避難しようと外に出たところ、近くの川からあふれた濁流に巻き込まれた。女性宅周辺は当時、最大で約2メートルの高さまで浸水しており、女性は自宅の2階に避難していれば助かった可能性があるという。

 牛山准教授は「ひざの高さ程度まで浸水して流れもある場合に移動するのは危険」と話す。【福永方人】

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2009年8月 8日 (土)

毎日新聞(静岡)で報道されました

市町村防災担当者対象のアンケートについて,8月6日付毎日新聞(静岡面)でも取り上げていただきました.

毎日の記事は地方面でもYahoo!ニュースに取り込んでもらえます.そのリンク先は下記.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090806-00000003-mailo-l22

以下に記事を引用します.
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ハザードマップ:全国の市区町村、作製率3割増7割 住民周知が課題 /静岡

 静岡大防災総合センターの牛山素行准教授が全国の市区町村を対象に行った豪雨災害情報の利活用状況調査で、回答した市区町村の7割が予想される被害を示す地図「ハザードマップ」をまとめていることが分かった。作製率は、05年調査時の約4割から大幅にアップした。

 調査は昨年12月~今年4月、1805市区町村を対象に実施。このうち1244市区町村(69%)から回答を得た。結果は速報値で、5日に静岡地方気象台での勉強会で示された。

 ハザードマップの作製率は全体では向上しているが、町では47%、村では28%と小規模自治体ほど作製率が低い傾向は変わらなかった。また、作製後も住民への説明会など何らかの形で周知していたのは全体の41%にとどまった。調査報告では、国や県による専門的な人材支援が望まれるとしている。

 マップを作製した市町村のうち、約8割はマップを全戸配布しているほか、約7割がホームページで公開している。ただ、牛山准教授は「災害情報の住民の認知度はまだまだ低い」と指摘し、「活用して住民にどう伝えていくかがカギになる」と話している。【望月和美】

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静岡新聞のコラム「時評」に寄稿

静岡新聞に「時評」というコラムがあります.このたび,同欄に寄稿させていだく機会をいただきました.今後数ヶ月に1回寄稿させていただくことになりそうです.第1回の記事が,8月5日付朝刊に掲載されました.以下に引用します.

ちょっと取っつきにくい内容かもしれませんが,「防災のセンセイ」という存在に対して,世間から誤解があるなあ,という気がしていましたので,そのあたりを綴ってみました.

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「防災の専門家」

 「防災の専門家」という言葉から,どのような人物像を思い浮かべるだろうか.「災害に対する日頃の備えを指導してくれそうだ」と思う人もいるかもしれない.あるいは,「地震や土砂崩れなどのメカニズムを説明してくれるだろう」というイメージを持つ人もいるかもしれない.「防災」という概念には非常に幅広い内容が含まれており,様々な立場からの「専門家」が存在する.

 筆者は学生時代から一貫して防災・災害をキーワードとして調査研究を行ってきた,「防災についての研究者」である.しかし,一口に防災・災害と言っても,地震と豪雨とでは,原因となる自然現象について理解するための専門的基礎知識がかなり異なり,それぞれ別の「専門家」が存在する.

 筆者は主に豪雨による災害を対象として,情報による被害軽減をはかるあり方などについての研究を専門としている.したがって,「今回の豪雨災害をもたらした雨の降り方はこのような特徴がある」とか,「豪雨災害による犠牲者の発生の仕方にはこのような傾向がある」といったことについては専門的立場からコメントができる.しかし,たとえば「避難所の運営方法」とか,「災害で負傷した人の救出方法」などについてアドバイスを求められても,専門的なコメントをしたり,実技指導したりすることは不可能である.

 

また,そもそも「研究者」は,災害を引き起こす自然現象のメカニズムや,災害に関わる社会的な現象の特徴などを「調べる」ことは得意とするが,被害を軽減するための制度作りとか,訓練の企画指導などを「実行すること」は必ずしも得意ではない.逆に,「研究者」とは違う立場の人で,こういった活動を「実行すること」を得意とする「専門家」も存在する.あるいは,たとえば建設技術者,医師,消防関係者など,防災に関わる専門的な知識・技能をもとに,実務的な業務を行っている「専門家」もいる.

 「防災」という概念を構成する「専門的基礎知識・経験」は非常に多岐にわたっており,すべての分野に精通した「専門家」はほぼ存在し得ない.しかし,防災に関わる何らかの特定分野に精通した「専門家」あるいは「技術者」は,我々の身近な地域にも存在する.災害に立ち向かうためには,様々な専門的基礎知識が必要である.地域にいる様々な「専門家」が,それぞれの得意分野を生かし,役割を分担しあって取り組んでいくことが重要だろう.

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2009年8月 7日 (金)

静岡新聞で報道されました

8月5日付静岡新聞夕刊に,当方で行った市町村防災担当者対象のアンケートについての記事が載りました.下に引用します.

避難勧告積極派:慎重派が7:3であること,洪水ハザードマップ作成率が大幅に向上したことなどを,グラフ入りで紹介していただいています.

054 地震災害や津波災害では,「避難勧告をためらう」という状況が発生することはほとんど考えられません.地震災害では,「災害前の避難勧告発令」が事実上あり得ず,逆に津波災害の場合は,「災害前の避難勧告発令」が行える可能性が極めて大です.しかし,豪雨災害ではこれらと異なり,「災害前の避難勧告発令」が行える可能性自体はあるものの,津波のようにトリガーが明確ではありませんから,勧告の判断をすることは容易ではありません.

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土砂災害で全国市町村調査 避難指示など積極派67%-静岡大

 静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(災害情報学)は5日までに、全国の市町村の防災担当者を対象にした土砂災害対策のアンケート調査の結果をまとめた。市町村長が出す「避難指示・勧告」について、「“空振り”を恐れずに積極的に出すべき」と答えた市町村が67・6%を占めた。一方で、空振りを懸念して「慎重に出すべき」と答えた市町村が32・4%あり、牛山准教授は「避難勧告をためらう自治体が少なくない。どのような情報の出し方がいいか、地域ごとに意識共有を図る必要がある」と訴えている。

 避難指示の出し方や避難方法の伝え方は、7月末に中国・九州地方を襲った豪雨災害で問題化した。情報の利活用は「住民が判断すべき」が53・4%、「行政が責任を持って判断すべき」が46・6%と分かれた。

 牛山准教授は「7月末の豪雨災害のケースでは、被災地住民の間に、『空振りを恐れるくらいなら積極的に発表してほしい』という意見が目立った。情報の受け手の意識は高い。行政任せではなく、関連機関や市民が一緒に情報の扱いを考えていくべき」と話している。

 洪水や土砂災害に対応したハザードマップ(災害予測図)の作成率は72・1%。3年前に実施した同様の調査の40・5%を大幅に上回った。

 調査は昨年末、全国1805市町村(昨年12月現在)の防災担当者あてにアンケート用紙を郵送し、今年4月末までに回収した。回収率は68・9%。

 内容は解析を進めた上で、9月28、29日に京都大(京都府)で開かれる日本自然災害学会で発表する。

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2009年8月 6日 (木)

静岡新聞で報道されました

8月5日付静岡新聞朝刊で,8月1日の山口豪雨土砂災害の報告会に関する紹介記事が載りました.以下に引用します.

「利用者側にも努力が必要」という言葉は,私自身そういっている言葉ですが,あるいは上から目線に感じられるかもしれません.ここで言う「利用者」とは,「住民」だけを指すのではなく,行政機関,住民,滞在者など,災害情報を「利用する」立場にある人すべてを指します.

利用者,あるいは受益者と言い換えた方がいいかもしれませんが,受益者が何の努力もしなくてよかったハード防災対策と異なり,災害情報などのソフト防災対策は,利用者に努力を強いる防災対策です.取っつきやすそう,簡単そう,優しそう,などというイメージは幻想です.本気でソフト防災を進めていくのならば,我々はかなりの覚悟が必要になってきます.

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「利用者も努力必要」、災害情報を生かそう-静岡でセミナー、山口豪雨視察の牛山准教授が報告

 県と県内6大学、静岡新聞社など報道機関で組織する「しずおか防災コンソーシアム」はこのほど、静岡市葵区の県地震防災センターでセミナーを開き、7月21日の山口県豪雨災害を現地調査した静岡大防災総合センターの牛山素行准教授が現地の様子を緊急報告した。災害の概要を説明し、「災害情報をどう生かすのか、利用者側にも努力が必要」と強調した。

 牛山准教授は被災翌日の22日、現地に入り、被害が顕著だった特別養護老人ホームや国道262号を調査した。土砂にのまれた家屋や車など、現地で撮影した写真を示した上で、「以前にも頻発している土砂災害と同様な形態で、十分起こり得る災害だった」と説明した。

 老人ホームをはじめ、大規模な被害があった場所は土砂災害警戒区域に指定されていたことを踏まえ、「災害情報は充実してきている。情報の生かし方を考え、住んでいる土地の性質を学ぶことが減災につながる」と、平常時の備えの重要性を訴えた。

 市民約80人が聴講した。県砂防室の加納章室長も講演し、がけ崩れ・土石流の対策など、県が取り組んでいる事業を説明した。

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2009年8月 5日 (水)

市町村アンケートの結果などを紹介

本日8月5日午後,静岡地方気象台において「豪雨災害情報に関する勉強会」が行われ,先日公開した市町村役場を対象とした防災情報についてのアンケート結果などの紹介を主題として講演をさせていただきました.

気象台の関係者,県など行政機関,メディア関係のみなさん方を対象とした勉強会で,50名ほどのご参加をいただきました.また,思っていた以上にご関心をお持ちいただき,ありがたく感じました.

この調査結果の概要でも指摘していますが,豪雨防災情報は,整備・周知の段階から,「利用」の段階に移ったと思います.情報整備でできることは広がりました.次は,これらの情報を,だれが,どう使うかです.「みんなで情報を利用して被害軽減を」は現実的ではありません.不特定多数を対象,というのは誰も対象にしていないのと同じだと思います.どうしても使って欲しい人は誰か,ということを考える必要があると思います.

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岩手日報で報道されました

既報の市町村防災担当者を対象としたアンケート調査についてですが,8月4日付岩手日報でも取り上げていただきました.この調査の実作業は,岩手県立大の学生のみなさんに協力していただきましたので,岩手でも報じられたことは意義があったかと思います.

以下に記事を引用しておきます.
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避難勧告 判断に差 県立大、静岡大の全国自治体対象豪雨災害調査 「慎重に出すべき」32.4%

 県立大と静岡大などは3日、全国の自治体を対象とした豪雨災害情報の利活用状況のアンケート結果を発表した。行政側の避難指示・勧告の判断について「積極的に出すべき」67・6%、「慎重に出すべき」32・4%と意見が分かれ、自治体間での認識の違いが浮き彫りになった。
 調査は、3月まで県立大に在籍した静岡大防災総合センターの牛山素行准教授が中心となって、昨年12月1日時点の全国1805市区町村を対象に実施。回収率は68・9%。前回の2005年は、2393市区町村で、回収率は45・5%だった。
 避難指示・勧告の判断については「避難勧告や指示は空振りでもいいから、できるだけ積極的に出すべき」と「空振りは許容されないので慎重に出すべき」の二者択一で聞いた。空振りを懸念する慎重派が約3分の1あった。
 避難の判断は「住民が最終的に判断すべき」53・4%、「行政が責任を持って判断すべき」46・6%と意見が分かれた。
 牛山准教授は「避難勧告・指示の『空振り』を懸念するよりも、積極的に出すべきで、単に空振りを非難するのではなく、日ごろから情報の在り方について地域で意識を共有することが重要だ」と語る。
 洪水ハザードマップの作製率は前回比32・3ポイント増の58%。土砂災害ハザードマップの作成を含めると72・1%に上り、災害情報の体制強化が進んでいることが分かった。
 ただ、町47・1%、村28・4%と小規模自治体ほど作製率が低く、牛山准教授は「市町村役場の専門的な人材不足が課題。外部からの支援を活用すべきだ」とアドバイスする。

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朝日新聞で報道されました

8/3付けで公開された,市町村防災担当対象のアンケートについて,8月4日付朝日新聞朝刊(全国版)にて報道されました.

以下に関係箇所を引用します.
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ハザードマップ、住民説明に課題 静岡大などが全国自治体を調査

 各地で相次ぐ豪雨災害。その被害を減らすためのハザードマップは7割余りの市町村が整備しているものの、住民への説明会を開いていない、実際の避難に活用していない、といった課題があることが、静岡大学や日本自然災害学会などの調査でわかった。
 調査は郵送で行い、今年4月までに全国1244市町村から回答があった。浸水や土砂災害が想定される地域や避難場所を記したハザードマップは897市町村が備えていて、約7割に達した。マップを整備した市町村の8割は、全戸配布などしていた。
 ただ、マップ整備率は政令指定都市の90%に対し、一般市は69%、町が47%と、自治体の規模により差があった。
 マップを整備した自治体にも課題は残る。9割近くがその防災効果を重視しているのに、住民向けの説明会や講習会、学習会などを行っていた市町村は42%にとどまる。
 また、マップ作製後、実際に避難勧告を出したことのある市町村は218あったが、その際にマップを参考にしたと答えたのは、半分以下の98市町村。あまり活用していない実態が浮き彫りになった。
 調査にあたった静岡大学防災総合センターの牛山素行准教授は「専門業者に委託するなどして作っているため内容を十分説明できる人材が自治体に不足している。整備が進まない市町村も専門家の不足が一因で、国や県の支援が求められる」と指摘している。
 一方、山口県防府市での土砂災害では避難勧告の遅れなどが指摘されているが、今回の調査結果では、避難の最終判断について「最終的には住民が判断すべきで、行政はそれをサポートする」が53%、「行政が責任を持って判断すべきだ」が47%と、回答は分かれていた。(大久保泰)

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2009年8月 4日 (火)

報告書の一部訂正

昨日公開した,

市町村役場における豪雨災害情報の利活用状況について[報告書]
http://disaster-i.net/notes/090803report.pdf

ですが,一部文言を訂正します.

P.24 結果の要点
【誤】
1)広域かつ詳細な水位・雨量情報を得ることができるサイトである「川の防災情報」の存在は,市町村防災担当者の9割以上に認知されるようになった.
【正】
1)広域かつ詳細な水位・雨量情報を得ることができるサイトである「川の防災情報」の存在は,市町村防災担当者の約9割に認知されるようになった.

現在公開されている報告書は上記のように訂正されています.

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2009年8月 3日 (月)

市町村防災担当者を対象としたアンケートの速報公開

牛山が調査代表者となって,静岡大学防災総合センター・岩手県立大学総合政策学部地域政策講座・日本自然災害学会災害情報委員会の共同による,全国の市区町村防災担当者を対象としたアンケート調査を行いました.現在その結果を解析中ですが,主な集計結果を速報として公表します.

「市町村役場における豪雨災害情報の利活用状況について」
アンケート調査結果(速報)の公表[概要]
http://disaster-i.net/notes/090803release.pdf

市町村役場における豪雨災害情報の利活用状況について[報告書]
http://disaster-i.net/notes/090803report.pdf

主なポイントを挙げておきます.

  • 洪水・土砂災害対応のハザードマップの作成率は大きく向上し全市町村の約7割に
  • リアルタイム雨量水位情報やハザードマップのWeb公開,防災メールの整備など,一般にも使える豪雨防災情報がさらに充実
  • 小規模自治体でのハザードマップ整備が進まない.地域への専門的人材による支援が重要に.
  • 「空振り」を懸念して避難勧告をためらう市町村も少なくない.単に「空振り」「見逃し」を非難するのではなく,日頃から情報のあり方について地域での意識共有を.

当方では,類似の調査を過去4回ほど実施してきました.今回の調査では,特に2005年に実施した調査結果と比較しています.みなさまのご参考になれば幸いです.

この調査結果についてご関心をお持ちの方は,当方までご連絡をいただければ幸いです.

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2009年8月 2日 (日)

山口豪雨の速報会実施

7/26日付本欄
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/81-d8f8.html

でもご案内しましたように,昨日8月1日,しずおか防災コンソーシアム主催の緊急土曜セミナーとして,山口豪雨災害の速報会が実施され,話題提供を行ってきました.

内容的には,当方webで公開している情報の範疇ですが,現地の写真なども少し多めに紹介させていだきました.

北部九州での豪雨も少し落ち着いてきたようです.一連の災害について,おそらく人的被害発生状況の観点を中心に今後取り組んでいくことになると思います.

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