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2009年10月 7日 (水)

小手先の「防災対策」に走るのはいかがなものか

これもメディア取材を受けて気になったことです.

「台風が接近しています.私たちにできる備えは?」という質問をよく受けます.例によって私は,

「流れのある水は怖いので,近づかないこと」
「余裕があれば早期避難,状況が激しくなったら少しでも安全な場所へ対比するなど,次善の策を」

などとコメントします.しかし,これが必ずしも評判が良くないようです.なにか,「すぐにできる手立て」が人気があるようです.たとえば,「避難袋にこういうものを入れておくといい」とか,「簡単にできる土嚢の作り方」とか,「家の回りはこうしておこう」とか,「避難するときはこういう装備で」とか.

どうも,災害に対して身近なところで目に見える「なにか」をしておくことが,「身近な防災対策」だというイメージが強く持たれているように感じます.こういった「対策」は,すべて無駄だとも言いませんが,率直に言って,些末な事項だと思います.また,一般化できる話でもないと思います.

最も重要な個人レベルの防災対策は,生命を守ることでしょう.また,できるならば財産も守れればよいというところでしょう.そのためには,「ここではどういうことが起こりそうか」をまず理解し,その上で,「自分はどのように困り,どのようになりたくないか」を考えることしょう.どうなったら困るかは人によって違います.自分の置かれる状況をイメージして,自分にとって必要な準備をしておくことが重要でしょう.

土嚢を見たこともないような人が,浸水が心配で今から土嚢の作り方をネットで調べたりするヒマがあるのなら,水に浸かったら困るものを高いところに移して,浸水の危険がないところに早く避難しましょう.とにかく不安で,避難袋に入れるものをあれこれ考えているヒマがあったら,とにかく身の回りのものを持って,早く洪水・土砂災害の危険がなさそうなところに逃れましょう.

自分にとって何が重要なことかは,状況が平静なうちに少し冷静になって考えれば,ある程度わかると思います.小手先の「誰でもできそうな簡単な防災対策」は,よっぽど暇と余裕があるときにやればよいことではないでしょうか.

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