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2010年7月27日 (火)

2010年梅雨期の犠牲者の特徴

全国の死者・行方不明者は19名について,筆者がこれまでに行っている豪雨災害時の人的被害に関する研究での調査手法にもとづき,分類を行った.

  • 原因外力別犠牲者数は,土砂10名,河川6名,洪水3名だった.強風,高波による犠牲者は見られない.2004~2009年の犠牲者368名の集計では,洪水26.4%,河川20.1%,土砂34.8%なので,今梅雨期の原因別構成比では土砂の比率がやや多いが,総数がそもそも19名なので厳密に議論はできない,土砂の比率が最も高く,土砂,洪水,河川の3外力で大半を占めるという大局的な傾向は変わらない.
  • 年代別犠牲者数は,65歳以上12名,65歳未満7名で,高齢者に偏在している.2004~2009年の集計では65歳以上56.5%であり,同様な傾向である.
  • 遭難場所別犠牲者数は,屋外11名,屋内8名で,屋外がやや多かった.2004~2009年の集計では屋外64.4%であり,同様な傾向である.豪雨災害が起きるたびに「早期避難」「避難勧告の遅れ」が言われるが,屋外での犠牲者の方がむしろ多数派であり,「自宅にいる人を早く避難させる」という方法によって,人的被害を大幅に軽減することは難しい.可児市の事例で見られた移動中の車の犠牲者はむしろポピュラーな遭難形態であり,こういった犠牲者を軽減するための方策を探ることの重要性を改めて強調したい.
  • 危険があることを知った上で,自ら危険に近づいた事による犠牲者,すなわち「能動的な犠牲者」は6人が確認された.2004~2009 年の集計では,能動的犠牲者が32.6%であり,同様な傾向である.今回の犠牲者中では,浸水を防ぐ目的と思われる土嚢を積む作業をしていて遭難した犠牲者が2名確認された.浸水や土砂災害は,「思いもかけないところ」などでは起こらない.起こるべきところで発生する.そのような危険な作業をする以外に方法はないのか,残念でたまらない.

 このように,今梅雨期の人的被害に関しては,特に近年の傾向と大きく異なる特徴は見いだせない.

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