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2010年8月 2日 (月)

毎日新聞で報道されていました

7/22付け毎日新聞(中部朝刊)に,当方のコメントが掲載されました.

避難勧告対象者が何人で,実際に避難した人がわずかに何人,といった議論はよく行われるところです.避難勧告対象者を最小限にすべき,という考え方も強く,「本当に危険な場所をピンポイントで予測せよ」という「ニーズ」も極めて強くあります.しかし,それは極めて困難なことです.その一方で,あまり現実的でない「全員避難勧告」という状況になることも珍しくありません.

結局,平時にどの程度議論しておけるかにかかっているように思います.災害に対する「備え」を声高に言う人たちがいますが,「備え」とは避難袋の用意や「避難訓練」のことではない(だけではない,と言いたいところですが,最近はもうもっと強く言うべきだと考え始めました)と思います.避難袋で人的被害は軽減できません.「地震を想定した避難訓練」で,一体どんな種類の外力の,どんな形態の犠牲者を救うことができるというのでしょうか.持てる情報を最大限生かして考えることを放棄しては,「防災」はできません.

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岐阜集中豪雨:発生1週間 被害の拡大、なぜ防げず

 <検証>
 岐阜県東部を15日に襲った集中豪雨から、22日で1週間となる。短時間に降った記録的な大雨により、同県可児市と八百津町で計4人が死亡し、2人が行方不明になるなど、地域に深い傷を残した。被害は本当に避けられなかったのか。被害の背景と次の被害を防ぐための課題を探った。【岡大介、石山絵歩、三上剛輝】

<中略>

 ◇避難住民わずか139人
 ■八百津
 土砂崩れで民家が倒壊し、家族3人が犠牲となった八百津町は約1万1000人に避難勧告、130人に避難指示を出した。各世帯に配布してある防災無線で告げたが、実際に避難所に避難したのはわずか139人で、実効性に課題を残した。
 「あの雷と大雨の中、誰も外に出ようとは思わない」。勧告を受けながら避難しなかった土砂崩れ現場近くの女性(72)はこう言う。町は15日午後8時15分ごろから勧告を出し始めたが、当時既に1時間54ミリの雨が降っていた。消防団が避難所まで誘導したのは勧告より強い指示を出した世帯に限られた。
 町には県が土砂崩れの危険性などを指摘した「急傾斜地崩壊危険個所」が86カ所もある。今回の土砂崩れ現場もその一つだ。避難の必要性は高かったが、多くの住民は動かなかった。以前から避難訓練のモデル事業に手を挙げる自治会も少ない。町の防災担当者は「防災意識を高めてもらうことが課題」と話す。
 牛山素行・静岡大防災総合センター准教授は「避難勧告に実効性を持たせるには、日ごろから行政と住民が協力し、地域にどのような危険があり、災害時にどう行動すべきか理解を深める必要がある。ただし避難しない方が安全な場合もあり得るので応用性のある計画を立ててほしい」と指摘する。

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