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2011年1月 7日 (金)

国交省沼津河川国道事務所長さんと対談

先日,静岡新聞社の企画により,国土交通省沼津河川国道事務所長の前佛和秀さんと「対談」をさせていただきました.その内容が新年の企画記事として,1月4日付け静岡新聞に掲載されました.

小山町での豪雨災害時に,町役場や地域による迅速な対応が被害を最小限にした可能性は高いと筆者も考えています.ただ,そういったソフト対策「だけ」で被害軽減を図れるものではなく,さまざまなハード対策が効果を上げていることも,主張・検証していくべきだと思います.コンクリートが大嫌いという個人的感傷を持つのは結構ですが,コンクリートに守られて日常生活が送られていることも事実だと思います.
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2011年1月4日 静岡新聞
対談-被災時の自助・共助と公助=牛山素行(静大防災総合センター副センター長)-迅速な対応大きな効果/前佛和秀(国交省沼津河川国道事務所長)-関係機関の連携不可欠

 県東部で多発する豪雨災害から住民の身を守るすべは何か。災害情報学・自然災害科学(豪雨災害)を専門とする牛山素行静岡大防災総合センター副センター長と前佛和秀国土交通省沼津河川国道事務所長が対談し、自助・共助と公助の両面から現状と課題を語った。

 ・前佛 県東部は富士山や天城山などを抱えて地形的に雨が集まりやすく、年間平均降雨量は3千ミリほど。過去から洪水被害が頻発し、江戸、明治時代にもそれぞれ40回以上水害があった。1958年の狩野川台風が最も被害が大きい。

 ・牛山 日本の平均年降水量は1700ミリ程度なので県東部山間部は1・5倍になる。全国は紀伊半島南部と四国南部が多雨で知られ、次いで南九州と静岡県。県内では西部より東部が多い。

 ・牛山 2010年9月の台風で、小山町では比較的激しい雨が記録されたが、死者・行方不明者や家屋の全壊が多数発生する事態に至らなかった。情報収集や避難の呼び掛けの体制を立ち上げるなど町役場の迅速な対応があった事、1972年の豪雨災害などを契機に河川や傾斜地の改修が進んだ事など、ハード・ソフト両面の対策が効果を発揮したのでは。

 ・前佛 災害対策現地情報連絡員「リエゾン」を早期段階で小山町と御殿場市に派遣した。職員が直接赴いて災害の程度を把握、直ちに緊急災害対策支援隊「TEC-FORCE」を派遣できた事は大きい。今後につながる経験だった。

 ・前佛 65年に完成した狩野川放水路などにより中下流部の被害は大きく軽減した。現在は50年に1度程度の規模の大雨に耐えうる整備を目指し、堤防整備計画の7割を整備した。頻発する内水被害への対応も必要で、内水被害が2004年に発生した伊豆の国市小坂などで排水機場の能力強化を図り、今後も順次取り組みたい。内水被害の解決には支川の管理者である県や周辺市町との連携が欠かせない。

 ・牛山 国内では最近50年以上、豪雨災害による人的被害や浸水家屋が一貫して減少している現状を見ても、ハード整備の効果は出ていると思う。ただ、自然、社会の条件次第で大きな被害は起こりうる。ソフト対策は受益者側の理解や努力なくして成り立たない点にも注意が必要だ。

 ・前佛 狩野川流域の雨量・水位情報を網羅した「川の防災情報」をホームページに載せていて、局地的な集中豪雨に有効な高精度の雨量レーダーも11年4月から県内でも試用運用し、一般公開する。防災に役立ててもらうよう、もっと認知度を高めたい。

 ・牛山 アンケート調査ではこうした情報公開を8~9割が「知らない」と答え、情報が必ずしもいかされていない。住民が身を守る第一歩はハザードマップを活用して地域で起こりうる災害を把握すること。その上で豪雨時に河川の水位や雨量の情報を活用して早めの行動を起こしたい。豪雨災害の犠牲者の7割近くが屋外で遭難しており洪水だと8割以上を占める。流れている水には近づかないことが鉄則だ。

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