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2011年2月24日 (木)

国土審議会の資料として研究成果をご利用いただきました

2月21日に,国土交通省が設置している,国土審議会・政策部会・第3回長期展望委員会が開催されました.人口減少等の影響を考慮した,日本の国土の長期展望についての報告がなされており,いくつかのメディアで記事となっています.

2050年には人口25%減、約6割の地点で人口が半減に 国交省長期展望
産経新聞 2月21日(月)18時54分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110221-00000565-san-bus_all

この委員会の資料の一部として,当方が行っている豪雨災害に関する人的被害に関する研究成果の一部が図として掲載されました.

第3回長期展望委員会・配付資料
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/kokudo03_sg_000028.html

のなかの,

資料4 「国土の長期展望」中間とりまとめ(案)≪図表≫
http://www.mlit.go.jp/common/000135833.pdf
 →48ページ

参考資料3 第2回長期展望委員会における各委員からのご意見
http://www.mlit.go.jp/common/000135836.pdf
 →8ページ

あたりに掲載されています.この件についての問い合わせがあり,あらためて集計してみたのですが,犠牲者が高齢者に偏在していることは従来からも各方面で指摘され,私も指摘していたところですが,65歳以上と言うより,特に70代以上で顕在化しているようです.

ただ,これも従来から指摘しているところですが,「高齢者に犠牲が偏在」ということは,「要援護者が多く犠牲になっている」ということを意味しません.体が不自由であったり,寝たきりであるなど,「歩行困難あり」と認められる犠牲者は,2004~2010年の豪雨災害犠牲者387名のうち14名(3%)です.「歩行困難あり」で,かつ一人暮らしだった犠牲者は5名でした.

無論,災害時要援護者支援などどうでも良い,ということをいいたいのではありません.ただ,災害時要援護者支援が完璧に実施されたとしても,残念ながら豪雨災害の犠牲者を飛躍的に減少させることはできないとは言えそうです.「高齢者の犠牲者」の大半は,「日常生活に特に支障のない高齢者」です.このような人たちにこそ注意が必要なのだと思います.

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2011年2月18日 (金)

tenki.jpのお天気ブログパーツが異様に便利な件

最近あまり確認していなかったのですが,tenki.jpのお天気ブログパーツ http://bit.ly/hI9u7s が異様に便利であることに気がつきました.リアルタイムの天気予報や気象情報を自分のwebやブログに張ることは,もはや全く珍しくも何ともなくなりましたが,筆者の必要性からすると,「今変化している気象情報」ではなくて「過去の特定の時点の気象情報」を(自分で作図せずに)掲示できることの方に関心があります.

気象情報に限らず,災害関連情報は動的に変化していきますが,「過去の特定の時点の情報」は,その状況が変わったら「もう要らない情報」となるわけではありません.どうも「古い情報=不要な情報」ととらえられる向きがありますが,過去の特定時点の情報は,大げさに言えば「歴史的資料」です.ましてや気象データに関していえば,過去のデータは「気象統計値」であり,どんどん捨てていくことなどあり得ないことです.

気象庁webでは現在,過去の観測データを多数参照することができます.しかし,数値データのアーカイブは進んでいるものの,分布図などの図表データのアーカイブは十分とは言えません.tenki.jpでは,2008年以降ではありますが,天気図,アメダス分布図,解析雨量,衛星画像などについて,「過去天気」としてアーカイブされ,しかも任意日のデータをhtmlで取得することが可能になっています.これを使うと,こんなこと http://bit.ly/i3gRs5 が簡単にできます.アニメーション化することも可能で快適です.

ただ,多少挙動が変なところがあります.アメダスの再生ボタンを押すと,表示した過去の日時のアニメーションではなくて,今日のアニメーションが再生されてしまいます.雨雲の動きも,webでは24時間分再生されるのが,2時間分のみとなってしまいます.いずれも,分布図の部分をクリックしてtenki.jpのサイトに飛ぶと,災害当日の過去24時間分を再生できますから,手の打ちようがないわけではないのですが.

筆者が整備している「リアルタイム豪雨表示システム」http://disaster-i.net/rain/ は,分布図のアーカイブも目的として運用しているものですが,基本的に10年前の技術そのままで動かしており,あまりにも時代遅れなものになりつつあります.そろそろ役目を終えたのかも知れないと思い始めました.

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2011年2月17日 (木)

ステレオ空中写真作り方メモ

 今更恥ずかしいのですが,空中写真を立体視する関連のテクニックが簡単になって驚いています.もう何年も前から,国土情報ウェブマッピングシステム http://bit.ly/eBYIby で空中写真が画像として簡単に手に入るようになり,それはそれで重宝していました.画像で落とした空中写真をプリントアウトして実体鏡で見るのもどうも不便で,ディスプレイに2画像を並べてスレレオミラービューワで見たりしていました.しかしこの2画像を並べるのが結構面倒です.

 最近になってステレオ写真がソフト的に簡単に作れることを知りました.以下,その作り方のメモ.

 利用するソフトは,StereoPhoto Maker http://bit.ly/ebxM8B です.まず,連続撮影された空中写真を2枚用意します.

 ステレオ写真を作るには,ファイル→左右の画像を開く で2枚の画像を開き, 調整→左右自動位置調整 とすると,自動的に位置の調整された1枚のステレオ写真ができます.これを ファイル→ステレオ画像保存 とすると1枚の画像として保存されます.この画像は裸眼立体視も可能ですし,ステレオミラービューワ http://bit.ly/hameNR を使ってみることもできます.カラー空中写真の場合,地の色そのままで見るときはこちらの方が好都合です.

 ステレオ写真を作った状態で,ステレオ形式→アナグリフ(カラー)表示→カラー(赤-シアン) とすると,赤青のアナグリフができます.この状態でファイル→ステレオ画像保存 とすると1枚のアナグリフ画像として保存されます.アナグリフは赤青メガネで見ると立体視できます.赤青メガネはセロファンで自作 http://bit.ly/fZ7kIc もできますが,1つ80円で販売しているサイト http://bit.ly/eaB5BW もあります.

 アナグリフのいいところは,A4紙に印刷した状態で結構広い範囲を立体視できることです.印刷したアナグリフと赤青メガネだけ(これならクリアファイルに入る)を持参すれば,現地を見ながら立体視できることもすばらしいです.

 ここ http://bit.ly/hbcU3u に,2010年9月に発生した豪雨で被害を受けた静岡県小山町の空中写真をステレオ画像化したものを載せました.被災後の写真ではなくて,国土画像情報による1977年のものです.

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2011年2月16日 (水)

2月19日に静岡で霧島山(新燃岳)火山活動現地調査報告会

既報の通り,今週末2月19日(土)に,静岡市の静岡県地震防災センターを会場に,静岡大学防災総合センター主催の「霧島山(新燃岳)火山活動現地調査報告会」を開催します.

http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/sbosai/fellow/events/20110219.pdf

静岡大学防災総合センターの下記3名のみなさまから話題提供をいただきます.

小山真人(静岡大学教育学部教授・防災総合センター併任)
佐藤博明(静岡大学防災総合センター客員教授)
野津憲治(静岡大学防災総合センター客員教授)

関心をお持ちの方はご参集ください.

こういう行事をすると「なぜ地元で開催しないのか.地元では話せないことを遠方でこっそり話すのか」などと勘ぐる方がいますが,そのような意図はありません.遠方で発生した事象について,現地を訪れた専門家が報告をすることが目的です.そもそも,特定地域で発生した事象について「専門家」が調査した結果を,当該地域で必ず報告しなければならないなどという理屈が通るのであれば,あらゆる学会も,学術的な活動も成り立ちません.

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2011年2月12日 (土)

防災フェロー講座は唯一最善の防災人材育成ではありません

2月9日付け静岡新聞「時評」欄に,防災フェローに関する記事を寄稿しました.本ブログ等では何度か記している防災フェロー事業の概要と,予想外の応募者多数を受けての筆者の考えを示しています.現時点での,防災フェロー事業に関する紹介文になりそうです.

記事中にも挙げた,「防災業務の従事者などに対象を限定していること,災害時の対応ノウハウなどは講座内容として扱わないこと,自然科学・社会科学的な基礎知識に関する講義が主内容であること」については,違和感を覚える方がいること,ご異論があることを聞いています.記事でも書いたように,私はこの「カリキュラム」が地域防災力を高めるための唯一最善のものであるとは考えていません.違和感を感じられる方にこの講座の存在や,講座のポリシーを押しつける意図もありません.

防災というのは,学問としても,あるいは方法論としても確立されているものではありませんから,そもそも「これが正解,イヤあれが正解」という議論をしてもあまり意味がありません.むしろ,一つの方向にだけ向かっていったり,特定の種類の「研修」だけに収斂していくことの方が,多様な姿を見せる自然災害という現象に対しては不利になると思います.試行錯誤を重ね,いろいろな「防災人材育成」が用意されるべきです.我々が今始めようとしているのは,その様々な「試行」の一つにすぎません.

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ふじのくに防災フェロー養成講座-人材育て波及効果期待

 静岡大学防災総合センターでは,文部科学省の科学技術振興調整費による地域再生人材創出拠点の形成事業「災害科学的基礎を持った防災実務者の養成」(ふじのくに防災フェロー養成講座)を,静岡県と連携して昨年秋から開始した.数ヶ月の準備期間を経て,1月に受講者を募集,現在選考作業を行っている.

 この講座では,災害科学に関する講義・実習を22科目用意し(最低10科目以上の受講が必要),このほか個別指導形式による修了研修が課せられ,なんらかの研究テーマについてまとめ,その成果を学会などの場で発表することが求められる.この講座の目標は,災害発生後の「危機管理ノウハウ」にとどまらず,災害の事前予防を目指し,地域の災害特性を理解し,災害に関わる科学的情報を読み解ける実践的応用力を身につけた人材を育成することにある.このため,講義・実習は,講演会のように講師の話を聞いていれば良いというものではなく,計算や作図など,数値や物理的・質的データを用いた作業を必ず伴うものになっている.また,災害発生時の対応についてのテクニック,ノウハウといった講義はほぼ皆無で,防災に関わる自然科学,社会科学的な基礎知識が主な内容となる.

 この講座には,「ふじのくに静岡県防災士」をはじめとした防災関連の何らかの資格などを有している人で,かつ,行政機関・企業・学校等で防災に関わる業務に従事している人が応募資格を有し,応募者の資格や希望するテーマを講師陣が指導可能かどうかなどの観点から受講者を選考する.10名程度を定員として募集したところ,静岡県内を中心に県外も含め53名もの応募をいただいた.魅力的な人材が多く,なるべく受講生を受け入れたいところだが,我々が対応できる人数には限りがあり,苦しい選考作業が続いている.

 防災業務の従事者などに対象を限定していること,災害時の対応ノウハウなどは講座内容として扱わないこと,自然科学・社会科学的な基礎知識に関する講義が主内容であることなどは,「防災人材育成プログラム」として違和感を持つ方もいるかもしれない.無論,この講座が防災人材育成の標準ということではなく,多様な人材育成メニューの一つと考えている.我々はこういった内容の教育を通じて,科学的基礎を持った応用力を持った人材を育成することが,様々な姿を見せる自然災害への備えとして必要なことだと考えている.また,防災業務の従事者を育成ターゲットとすることで,直接育成する人数は少なくても,それらの人の業務に関わる多数の人に影響を与えることで,広い波及効果があることを期待している.この事業は始まったばかりである.試行錯誤を繰り返し,より効果的なものにしていきたいと考えている.
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2011年2月10日 (木)

防災フェロー応募状況 静岡新聞で報道

2月8日付け静岡新聞に,防災フェロー事業の応募状況などについての記事が掲載されました.

紹介されているように,地域的にも,職種的にも予想を超える幅広い応募があり,このプロジェクトに高い関心が寄せられたことを感じました.各方面からの期待に応えられるのか,という緊張感を覚えています.

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「ふじのくに防災フェロー養成講座」に5倍応募 静大など「枠増やし対応」

 県防災士(ふじのくに防災士)などを対象に静岡大防災総合センターと県が今春、開講する「ふじのくに防災フェロー養成講座」。1期生の募集を締め切った1月下旬までに、10人程度の定員に約5倍の53人の応募があった。出願書類の処理に追われる同センターの担当者は「予想をはるかに超す状況。定員枠を少し増やして対応したい」とうれしい悲鳴を上げている。

 国や県、市町の職員、建設コンサルタントなどの民間会社、学校教諭など、さまざまな職種から応募があった。年齢層も20代から60歳以上まで幅広い。大半は男性だが、女性の応募もあった。応募者が希望する研究テーマと講師陣の態勢などを考慮しながら、2月上旬までに書類による1次選考、同月中旬に面接による2次選考を行う。

 副センター長の牛山素行准教授は「応募には職場や家庭の理解も欠かせないはず。これだけの応募があったのは、長年にわたり防災教育や人材育成が広く行われてきた静岡だからこそ」と推測する。

 岩田孝仁県危機報道監は「現場で直面する防災の課題を何とか自分で解決したい―という高度なニーズが潜在的にあった」と指摘する。自己解決能力のある防災フェローが誕生することによる社会や職場への波及効果、地域防災力の向上なども期待している。

 防災フェロー養成講座は、防災士の他、技術士など防災に役立つ資格の所有者など、防災士に準じた知識があり、防災の実務経験がある人が対象。大学講師陣の指導で、1年から1年半かけて防災の専門研究を行う。防災を科学的に捉えられる実践的な人材を育てるのが狙い。研究成果を防災関連学会で発表することで、県と大学から「特別研究員」を意味する「フェロー」の知事認証称号が付与される。受講は無料。

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2011年2月 9日 (水)

河川水位の用語についての整理メモ

「防災用語をわかりやすく」という趣旨で行われた「用語改変」のなかで,私が未だに共感できないのが,河川水位に関する用語の変更です.私自身どうも頭に良く入っていないのでちょっとメモします.

この用語改変についての一次資料は,国交省の
「洪水等に関する防災情報体系のあり方について」の提言について
http://bit.ly/eqXDcl

この提言を受けて,2007年4月19日から水位等の呼称が変更されました. 
洪水予報の発表形式の改善について
http://bit.ly/fcD1Pn

従来の河川水位の呼称は,低い方から通報水位→警戒水位→特別警戒水位(ただしこの呼称の歴史は短い)→危険水位→計画高水位,の順になっていました.後になるほど,洪水災害に関して危険な状態であることを意味します.

「通報水位」は「水防団待機水位」に変更されました.水防活動を行う水防団が待機することになりますが,一般の人は特別な行動を取る必要はなく,河川管理者から一般に向けて特に情報が発表されることはありません.

「警戒水位」は「はん濫注意水位」になりました.河川管理者(国または県)からは,「○○川はん濫注意情報」が発表されます.市町村は避難準備情報を発令するかどうか判断します.洪水の危険がある地域に住む人が,何らかの行動をし始める目安と私は考えます.

避難準備情報は,災害対策基本法で決められた制度ではありませんが,内閣府のガイドラインに明示され,市町村でも運用が進んでいる仕組みです. 
避難勧告等の判断・伝達‐内閣府防災情報のページ
http://bit.ly/eUxWAf

避難準備情報は「要援護者【だけ】が避難行動を開始することを促す情報」ととらえられることがありますが,ガイドラインでは「特に避難行動に時間を要する者が避難を開始する段階」とされ,要援護者に限定されるものではありません.

河川のすぐ脇に住んでいて,道の状態も良くない,という状況ならば,体力的に健康であっても「特に避難行動に時間を要する者」だと私は考えます.「避難準備情報は要援護者向けの情報だ」と人ごとのように思わない方がいいと思います.

「特別警戒水位」は「避難判断水位」になりました.河川管理者からは「○○川はん濫警戒情報」が発表されます.市町村は避難勧告・指示の発令を判断します.各個人も避難などのより積極的な行動に移るべき時期だと私は思います.

「危険水位」は「はん濫危険水位」になりました.河川管理者からは「○○川はん濫危険情報」が発表されます.この時点で,洪水の危険性のある地域のにいる人は,安全な場所への避難を完了していることが望まれます.

河川の堤防が壊れる(破堤)などして,河川から洪水流があふれ出すと,「○○川はん濫発生情報」が発表されます.

用語をわかりやすくすること自体は否定されるものではありません.しかし,「この言葉はこういう意味」という説明が必要なことに変わりがないのであれば,用語改変より先にやるべきことは「用語の説明」ではないでしょうか.

牛山の予備的調査によれば,はん濫注意水位→避難判断水位→はん濫危険水位という,「危険性の順序性」は,利用者にほとんど理解されていません. 
http://disaster-i.net/notes/2007JSDIS.pdf

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2011年2月 8日 (火)

2/19新燃岳報告会について一部訂正

昨日2月7日付け本欄で,2月19日に開催予定の「霧島山(新燃岳)火山活動現地調査報告会」をご案内しました.そのなかで,
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・事前申込は不要です.どなたでも自由に参加できます.ただし会場の定員は180名で,先着順となります.
------------------------
と書きましたが,会場の静岡県地震防災センターの方で事前受付に対応していただけることになりました.事前申込を希望の方は下記で受付させていただきます.

参加申込み先
〒420-0042
静岡市葵区駒形通5丁目9番1号
  静岡県地震防災センター
   TEL:054-251-7100 FAX:054-251-7300

下記に差し替えた案内を掲示してあります.
http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/sbosai/fellow/events/20110219.pdf

なお,静岡大学防災総合センター,および牛山は,事前申込の受付,参加許可申請などには対応できませんので,ご理解ください.

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2011年2月 7日 (月)

「噴火終了」という言葉から

群馬大の早川さん(@HayakawaYukio)や鹿児島大の井村さん(@tigers_1964)のツイートを見ていたところ,2月7日夕方に新燃岳が「噴火終了」したという情報が発表されたことを知りました.

私のところでは火山関係情報はそれほど積極的に見ていなかったので,いざこの情報源を探ろうとしたらどこにあるのかすぐにわからなくなって,結局,鹿児島地台web→「新燃岳関連情報」ボタン→気象庁本庁web内「新燃岳関連情報」,などという変な経由をして,

噴火に関する火山観測報(霧島山噴火終了)(2011年02月07日16時32分発表)
http://bit.ly/fx2wXb

にたどり着きました.こういう特設ページではなくて,そもそも「噴火に関する火山観測報」や「火山の状況に関する解説情報」は通常はどこに入っているのかを知りたかったのですが,ページ上のパンくずナビから,

ホーム > 気象統計情報 > 火山 >

だとわかりました.ホーム > 防災気象情報 > 噴火予報・警報 の情報が2/1で止まっているので,?だったのですが,気象統計情報の下に入っていたのですね.

さてこの作業から考えたことが2点あります.

1.基礎情報が公開されていてもすぐ使えるとは限らない
 日頃から私が繰り返し繰り返し言っていることですが,はからずも自分自身で「使い慣れていないと使えない」ことを実感してしまいました.いずれにせよ,この手の一次情報が多少の迂回をしてでも門外漢にも見ることができるようになったことはありがたいことです.

2.「噴火終了」から受ける語感
「噴火終了」という言葉だけを見ると,「噴火は完全に終わってもう何も起こらないよ」という意味にも読み取れそうです.しかし,火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)は変化していないことは確認できたので,もう噴火が起こらないという見方は変です.その後に発表された,

火山の状況に関する解説情報(霧島山(新燃岳)第27号)平成23年2月7日17時45分
http://bit.ly/eRhfc2

を見ると,
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1.火山活動の状況
 霧島山(新燃岳)では、1月26日以降、噴火が継続していましたが、本日(2月7日)16時30分に噴煙の色が白色に変わり、噴火の基準である有色噴煙が観測されなくなったため、噴火に関する火山観測報で噴火継続の終了を発表しました。
 噴火の基準は、火口縁上に有色の噴煙が出ているのが遠望観測で確認できている状態を言います。
 これは一連の新燃岳の噴火活動が終了したことを表したものではありません。
 新燃岳では、引き続き活発な火山活動が継続しており、今後も噴火や爆発的噴火により有色の噴煙が観測されれば、噴火に関する火山観測報を発信します
-------------------------

とあり,「噴火は完全に終わってもう何も起こらないよ」という意味ではないことがよくわかります.現に,

噴火に関する火山観測報(霧島山噴火)(2011年02月07日18時15分発表)
http://bit.ly/fksLQG

となってすぐに「噴火再開」します.しかし,「噴火終了」という言葉だけが一人歩きすると,「噴火はもう終わったはずなのになぜまた噴火するんだ」という受け止められ方が出てきてもおかしくはなさそうです.

しかし,だからといって「わかりにくいから言葉を代えろ」とは思いません.図らずも自分自身で今回学びましたが,「噴火に関する火山観測報」は生データであって,それなりの予備知識がなければうまく読み取れない種類の「情報」だと思います.こういうものは長年使われてきた形式をみだりに代えてはならないものです.ただ,昔と違って,誰の目にも触れるようになってきていることから,その情報の意味を理解しやすいようにしておくことは必要だと思います.わたしも,

気象庁 | 噴火に関する火山観測報の説明
http://bit.ly/egwmmV

だけでは,「噴火終了とは,噴火は完全に終わってもう何も起こらないという意味ではないよ」とは読み取れませんでした.

専門用語は「わかりやすくどんどん変えていくもの」ではありません.「わかってもらえるように説明していくもの」だと思います.

※補足

早川@群馬大さんによると,「噴火に関する火山観測報」が今のフォーマットになったのは3年ほど前からだそうです.

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霧島山(新燃岳)火山活動現地調査報告会

1.目的
 静岡大学防災総合センターでは,静岡県と連携し,科学技術振興調整費「災害科学的基礎を持った防災実務者の養成」(ふじのくに防災フェロー養成講座)を平成22年度から開始しました.本事業では,人材育成に関わる各教員が,教育の基礎となる災害科学に関する基礎研究を実施し,その成果を踏まえた教育を実施することを計画しております.
 2011年1月下旬より,南九州にある霧島山(新燃岳)の火山活動が活発化しました.本事業に関わっている,小山真人教授(教育学部・防災総合センター併任),佐藤博明客員教授(防災総合センター),野津憲治客員教授(防災総合センター)がさっそく現地調査を実施しました.本セミナーはふじのくに防災フェロー養成講座の本格開始に先立ち,本事業の活動を紹介するプレセミナー(本講座開始前に行う講義)の一環として計画したものです.参加資格は特になく,どなたでも参加できます.

2.日時・場所
2011年2月19日(土) 13時~14時半
 静岡県地震防災センター ないふるホール
    (静岡市葵区駒形通5丁目9番1号)
    ※会場の駐車場は限られていますので公共交通機関等を御利用ください.

3.話題提供者(予定)
    小山真人(静岡大学教育学部教授・防災総合センター併任)
    佐藤博明(静岡大学防災総合センター客員教授)
    野津憲治(静岡大学防災総合センター客員教授)

4.参加方法
・参加費は無料です.
・事前申込は不要です.どなたでも自由に参加できます.ただし会場の定員は180名で,先着順となります.

5.問い合わせ先
〒422-8529 静岡市駿河区大谷836
静岡大学防災総合センター
TEL:054-238-4254 FAX:054-238-4911
sbosaiあっとsakuya.ed.shizuoka.ac.jp

★事前申込は不要ですので,参加の申込,参加についての許可申請などの連絡はご遠慮ください.
★特に,牛山でお問い合わせをいただいても,現在なにも対応ができません.ご理解ください.

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2011年2月 5日 (土)

ふじのくに防災フェロー養成講座キックオフシンポジウム

科学技術振興調整費
「災害科学的基礎を持った防災実務者の養成」
(ふじのくに防災フェロー養成講座)

◆キックオフシンポジウム◆

主催:静岡大学防災総合センター・静岡県
共催:自然災害研究協議会中部地区部会

1.目的
 科学技術振興調整費「災害科学的基礎を持った防災実務者の養成」(ふじのくに防災フェロー養成講座)の養成事業本格開始にあたり,本事業を学内外にアピールするとともに,本事業で養成を目指す人材の社会防災上の意義に関する意見交換を行う.

2.日時・場所
2011年3月7日(月) 13時~16時
 静岡県地震防災センター ないふるホール
    (静岡市葵区駒形通5丁目9番1号)
    ※会場の駐車場は限られていますので公共交通機関等を御利用ください.

3.内容
事業実施者からの挨拶(5分)    静岡大学 
     伊東幸宏 学長
事業実施者からの挨拶(5分)    静岡大学 防災総合センター
     増田俊明 センター長・教授
本事業の概要説明(15分)    静岡大学 防災総合センター
     牛山素行 副センター長・准教授
本事業に対する期待(10分)    文部科学省 科学技術・学術政策局
     大山真未 科学技術・学術政策戦略官
本事業に対する期待(10分)    内閣府 政策統括官(防災担当)付
     山崎一樹 参事官
共同事業者からの挨拶(10分)    静岡県 危機管理部
     小林佐登志 危機管理監
受講者からの決意表明(5分)    受講者代表
     (未 定)

記念講演1「地震列島に住む」(30分)
    静岡大学 防災総合センター
     島崎邦彦 客員教授(東京大学名誉教授)

《休憩》(10分)

記念講演2「災害対策基本法50年を振り返る」(30分)
    静岡大学 防災総合センター
     片田敏孝 客員教授(群馬大学教授)

パネルディスカッション
「ふじのくに防災フェロー養成講座への期待」(45分)
コーディネータ:
 牛山素行(静岡大学防災総合センター准教授)
パネリスト:
 島崎邦彦(静岡大学客員教授・東京大学名誉教授)
  片田敏孝(静岡大学客員教授・群馬大学教授)
  小山真人(静岡大学教育学部教授・防災総合センター併任)
 岩田孝仁(静岡県危機管理部危機報道監)
 柄谷友香(静岡大学客員准教授・名城大学准教授)

 ※全体の司会進行
    林能成(静岡大学防災総合センター准教授)

4.参加方法
・参加費は無料です.
・事前申込は不要です.どなたでも自由に参加できます.ただし会場の定員は180名で,先着順となります.
・会場の駐車場は限られていますので公共交通機関等を御利用ください.

5.問い合わせ先
〒422-8529 静岡市駿河区大谷836 静岡大学防災総合センター
 TEL:054-238-4254 FAX:054-238-4911
 E-mail: sbosaiあっとsakuya.ed.shizuoka.ac.jp
★事前申込は不要ですので,参加の申込,参加についての許可申請などの連絡はご遠慮ください.

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2011年2月 4日 (金)

朝日新聞にコメント掲載

1月29日付け朝日新聞(全国朝刊)に,

(be report)電子化で高める地域防災力 地図かさね課題を議論

という企画記事が載りました.防災科研の長坂俊成さんらのグループが推進しているe防災マップの紹介が中心になっていますが,そのなかで筆者のコメントが掲載されています.私のコメントの後段に,京大の矢守先生のコメントも載っています.

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(be report)電子化で高める地域防災力 地図かさね課題を議論

<中略>

 ●専門と地域どうつなぐ
 地域の防災力を高める取り組みは、16年前の阪神大震災をきっかけに各地で盛んになった。自主防災組織づくりが推奨され、ワークショップなどの活動も広まった。
 前後して、ハザードマップなどの整備も進んだ。土木構造物によるハード対策の限界が認識され、情報は知らせるべきだとの考えも強まった。精度を高める研究も続く。
 ただ、どこまで現実の防災に結びついているか、との懸念もある。ワークショップ、学習会や訓練も、一過性だったり、それ自体が目的化してしまったり。特定の経験や教訓にとらわれれば、現実に合わないおそれもある。科学的知見を踏まえないと、よかれと考えた避難経路がかえって危険を招くかもしれない。
 ハザードマップにしても、使い勝手の限界がある。例えば洪水で示されているのは最大水深。実際は、ある場所から時間とともに広がり、引いていく。避難所へいつ向かうか、上の階でやり過ごすかという判断には使いづらい。
 最近は、ネットなどを通じてリアルタイムの災害情報も得やすくなった。静岡大防災総合センターの牛山素行准教授は「地域で情報を読み解ける人材が必要。特に豪雨や津波は事前の行動で被害を軽減できる」と話す。来年度から静岡県と、実務者を養成する新たな取り組みを始める。
 現場の模索は様々な形で続く。カードゲームで災害時の判断を模擬体験する活動に取り組んできた京都大防災研究所の矢守克也教授は「入り口は多様であっていい。専門家と住民をつなぐ場づくり、道具づくり、人づくりが重要で、地域の課題とともに防災を考えられれば」と話す。

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