避難して生き延びた人も少なくない
今回の津波では,三陸地方では津波の遡上高がおおむね10~20mに達しました.遡上高とは津波そのものの高さではなく,津波が陸上に到達した際のその地点の標高のことです. 気象庁の解説→ http://goo.gl/CKTuz
国土数値情報の三次メッシュ(1kmメッシュ)標高をもちいて,メッシュ内の平均標高が20m以下のメッシュを抽出し,位置を図に示したのが上の図です.
1kmメッシュはかなり大きいので,海岸近くに山が迫っているような場合,平均標高が高めに出てしまいます.この図は陸前高田市の1kmメッシュの例.数字が平均標高です.かなりおおざっぱな抽出だと言うことに注意が必要です.
http://twitpic.com/4c1vrg
この表は,国土数値情報と国勢調査データを用いて,平均標高10m以下,20m以下の人口と,岩手県発表の3/21日15時現在の死者・行方不明者数を表にして対比したものです.
http://twitpic.com/4c1y0c
この表はかなり大まかな集計であることに注意が必要です.1kmメッシュがそもそも範囲として広いこと,居住者人口なので津波到達時の人口とは異なること,犠牲者数はまだ十分把握されていないこと,などです.
注意は必要ですが,この表は津波に対するリスクにさらされた人口と,結果的に遭難したしまった人の数を大まかに表していると考えられます.平均標高10m以下の人口に対し5割以上,20m以下でもが1割以上が遭難している自治体が少なくありません.このような解析結果は今後もっと詳細なものが出て来ると思いますので,これはあくまでも早急に集計した結果です.
しかし,あえて希望的な見方をすれば,平均標高10m以下の人口に対してみても,犠牲者の数は「全滅」ではなさそうであったといえそうです.かなり積極的な避難行動が取られた結果,生き残った人たちがいるのだと思います.
三陸地方ではもともと津波の際に積極的な避難行動が行われています.2010年チリ地震津波の際に筆者が行った調査では,岩手・宮城では4割の人が何らかの避難行動をとっており,静岡の2割と比べ明らかに積極的な行動が見られました.
PDF→ http://goo.gl/v6F0w
避難する人が少なかったから犠牲者が多くなった,というのは当たらないと思います.積極的な避難も行われたが,残念ながら津波の規模が桁外れだったということかと思います.津波に対する被害軽減はとにかく避難です.他の災害に比べて,非常に話が単純です.長年の積み重ねにより積極的な避難が行われたことは,けっして無駄ではなかったと私は考えます.
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