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2011年5月12日 (木)

陸前高田市・津波到達直前の防災無線の内容とその時間を推定

陸前高田市中心部付近の津波到達時刻の推定
http://goo.gl/HNVxu

と同じ資料,手法で,岩手県陸前高田市の津波到達直前の防災無線の内容を文章化し,その放送時刻を推定しました.

陸前高田では,防潮堤に設けられた陸閘のところなどにカメラが設置されており,この映像を市役所等で遠隔で見ることができるようになっていたはずです(ただしこれを示す資料が手元に無い).したがって,防潮堤付近に津波が達していれば,現場からの報告や,目視をしていなくても津波到達を確認できていたと思われます.3/28読売新聞に,下記記事があります.

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市消防署に駆けつけた市消防団長の佐藤勝さん(58)は、防潮堤を映す三つのモニター画面を祈るような思いで見つめていた。まもなく、防潮堤の鉄門がすべて閉められたのが確認できた。ところが、モニター画面は間もなく、津波が防潮堤を一気に乗り越え、街をのみこむ様子を映し出した。
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防災無線では,1522の時点では「津波が押し寄せている」と言っていますが,「越えている」とはいっていません.米崎消防団が米崎港に到達した津波を見て退避を始めたのが1523頃,この頃に高田松原付近でも津波が防潮堤を越え始めたのかと思われます.

1525の放送では津波が「水門を越え」たことが放送されています.1526の放送では,気仙川でも津波が堤防を越えていると取れる内容が放送されています.

津波警報が出ているというだけでなく津波が堤防を越えたという情報を流していることが重要な意味を持っていると思います.気仙小学校ではこの放送を聞いてさらに裏山へ児童らが避難し,児童,園児の全員が助かっています.市役所付近ではこの放送に呼応して多くの人が市民会館や市役所庁舎に駆け込んでいます.市民会館は結果的に完全に津波に飲まれてしまいましたが,市役所は屋上まで上がれた人は助かっています.しかし,いずれにせよ津波到達までわずか1,2分の間に行われた避難行動だったと読み取れます.

なお,陸前高田市の防災担当職員の方々は,津波で全員死亡されたそうです.これらの放送も防災担当職員の方々がなさっていたそうです.

【陸前高田市防災無線の放送内容】
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15:22
ただいま大津波警報が発表されています.<不明瞭> 市内各地で津波が押し寄せています.沿岸住民,海岸付近にいる人は,直ちに高台に避難してください.ただいま大津波警報が発表されています.市内各地で津波が押し寄せています.

15:25
松原地内において,水門を越えておりますので直ちに避難してください.ただいま,大津波警報が発表されています.松原水門においては,津波が越えておりますので,すぐに避難してください

15:26
津波が水門を越えております.住民は直ちに避難してください.津波による,津波により,堤防から,津波が越えています.住民は直ちに避難してください.ただいま,気仙川において,津波が越えております,ただいま,気仙川において,津波が越えています,浸水地域にいる人は,直ちに高台に避難してください.ただいま,大津波警報が発表されております,松原水門及び気仙川において津波が越えておりますので,ただちに高台へ避難をしてください.浸水地域にいる人は直ちに避難をお願いします.

15:27
ただいま,津波が押し寄せております <不明瞭>
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※市役所付近へ津波が到達したと思われるのが15時27分頃
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