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2011年6月17日 (金)

東日本大震災による死者・行方不明者 -地域別の特徴-

 消防庁(2011)に収録されている市町村別死者・行方不明者数の値(計23539人)を元に県別に集計した結果が図 5である.北海道から神奈川県までの広い範囲で犠牲者が生じている.最も多いのは宮城県(14101人)で,岩手県(7388人),福島県(1980人)がこれに続き,これら3県で全犠牲者の99.7%を占める.
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図 5 県別死者・行方不明者数

 被害の集中した岩手,宮城,福島3県の市町村別死者・行方不明者分布図が図 6である海岸線を持つ市町村への被害集中が明瞭である.3県内で海岸線を持つ市町村は37存在するが,岩手県洋野町を除く36市町村で犠牲者が生じた.これら37市町村での死者・行方不明者の合計は23377人で,全体の99.3%となる.特に,福島県相馬市~岩手県宮古市の間では,ほとんどの市町村で死者・行方不明者が100名以上となっている.37市町村毎の死者・行方不明者を棒グラフにすると図 7になる.最も被害が多かったのは宮城県石巻市の5795人で,岩手県陸前高田市,釜石市,大槌町,宮城県気仙沼市,名取市,東松島市,南三陸町で1000人を超える.
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図 6 市町村別死者・行方不明者分布図
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図 7 市町村別死者・行方不明者数

 実数としての死者・行方不明者数は,人口の多い市町村で大きく出ている可能性もある.そこで,2005年国勢調査の値を用いて,市町村内の総人口に対する死者・行方不明者の比(以下では犠牲者率という)を求めると図 8となる.阪神・淡路大震災時の神戸市では関連死含む死者が4573名であり(兵庫県,2005),1990年国勢調査による神戸市の人口が1477410名なので,犠牲者率は0.31%だった.東日本大震災では,沿岸37市町村中24市町村で犠牲者率が0.31%を超えており,最も値の大きい岩手県大槌町では10.46%に達した.近年の豪雨災害を例に取ると,筆者が整理している2004~2010年の豪雨災害において,1市町村当たりで最も死者・行方不明者が多かった事例は,2009年8月9日の兵庫県佐用町での20名だが,2005年国勢調査による佐用町の人口21012人に対する犠牲者率は0.10%である.近年の日本の自然災害による犠牲者の発生率とは桁違いに大きな被害が生じたことになる.
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図 8 市町村別死者・行方不明者数の全人口に対する比

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