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2013年8月15日 (木)

仙北市土砂災害現場での当方コメント掲載(秋田魁新報・朝日新聞)

8月13日付秋田魁新報と朝日新聞(秋田面)に,仙北市土砂災害についての当方のコメントを掲載していただきました.特に秋田魁新報の記事は,当方の意図するところをよく整理して紹介していただいたと思いました.

実はこのコメントは,当日現場で突発的に行われた「囲み取材」の内容が元になっています.災害現場での「行きずり」取材は(私が「発見」や「批判」を明言しないので)たいていボツになるもので,今回もそうだと思っていました.勝手な思い込みでごめんなさい.

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[2013年8月13日 秋田魁新報]
検証・仙北市土石流 追い付かぬ被害把握 市、現場との連絡に時間

 仙北市田沢湖田沢の供養佛集落が土石流に襲われたのは9日午前11時35分ごろ。前後の市の対応を見ると、急激な気象変化に被害把握が追い付かなかった当時の状況が浮かび上がってくる。

 気象庁が仙北市に大雨、洪水警報を出したのは午前8時32分。9時10分には土砂災害警戒情報を出した。市は9時に災害連絡室を設置し、11時50分に対策部に格上げ。しかし午前中の段階で、供養佛集落で土石流が発生したとの情報は本部に入っていなかった。

 「3人が搬送された」「家が流出している」と断片的に情報が入ったのが、災害対策本部を設置した午後0時半ごろ。市は土石流発生から約2時間20分後の1時53分に避難勧告を出したが、この時点でも、土石流の規模や被害状況など全容をつかめていなかった。

 門脇光浩市長は、捜索車両の手配や無線機器の準備など現場との連絡に時間がかかったことを認めた上で、取材に対し「情報がどのような形で対策本部に届いたかを今後十分に検証しなければならない」と話した。

 今回土石流が起きた斜面は、市がハザードマップに記載したがけ崩れ危険箇所と土石流危険区域に挟まれているが、比較的警戒の重要度が低い場所だった。供養佛集落には樹齢80年以上の杉林が生えそろっており、集落に住む高齢者の多くも「ここ数十年間、地滑りは起きなかった。土石流は、今まで生きてきた中で初めてのこと」と口をそろえる。

 市の地域防災計画には、避難勧告の基準の一つに「余震、地震後の降雨で山崩れ、斜面崩壊、地滑り、土石流など土砂災害の発生が予想され、避難を要すると判断されるとき」と定めている。しかし地域事情や特性を踏まえた対策は他の県内市町村同様、十分ではないのが現状だ。

 災害時の情報伝達の在り方を研究し、土石流現場を調査した静岡大学防災総合センター副センター長の牛山素行(もとゆき)准教授は今回の市の対応について「土砂災害警戒情報が出た段階で、危険性のある場所に絞って避難勧告か避難準備情報を出すというやり方もあった」と指摘する。

 一方で避難勧告は今回の土石流に限らず、災害発生前に出されるよりも発生後に出るケースが多いとして「勧告が出ていないからといって、行政機関が安全を保証しているという考え方は間違い。危険だと思ったら、住民一人一人が安全確保行動を取らなければならない」と警鐘を鳴らした。

 行方不明者の捜索活動に当たった地元消防団員の一人は「市はもちろん、これほどまでに急激な雨を誰が予測できただろうか。危ないと思ったらとにかく逃げる訓練を日頃から積み重ねておくしかない」と話した。

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[2013年8月13日 朝日新聞・秋田全県]
仙北の土石流、不明女性発見できず 被災住民、疲労色濃く /秋田県

 県北を中心とした9日の豪雨災害から4日目となる12日、土石流で4人が亡くなり、1人が行方不明になった仙北市田沢湖田沢の先達地区では、早朝から県警や消防、自衛隊などの約300人が懸命の捜索を続けたが、不明者は見つからなかった。猛暑の中、避難生活を余儀なくされている被災住民の表情には、疲労が色濃くにじむ。
<中略>
 被災現場には12日、専門家らも相次いで訪れた。
 県の依頼を受けた森林総合研究所東北支所(盛岡市)は、午前10時から3時間半ほど現地調査を実施。岡本隆チーム長(山地保全担当)は、斜面が崩落した理由について「亀裂が多く、もろい堆積(たいせき)物に水が多く染みこみ、摩擦力がなくなって起きたとみられる」と説明した。
 土石流の発生を予測できたかどうかについて、岡本チーム長は「同じような場所はいくつもあり、崩れる前に見ても危ないとは言えなかったのではないか」。
 この日、現場を訪れた静岡大学の牛山素行准教授(災害情報学)は、斜面が市のハザードマップで「土石流危険区域」とされていたことに触れ、「大雨特別警報に相当する雨が降っていたのに、情報を生かし切れなかった」と指摘。「土砂災害警戒情報」が出た場合、市町村が危険箇所に絞って避難勧告を出すことや、勧告より弱い「避難準備情報」を活用するといった改善策を示した。

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