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2014年8月24日 (日)

広島豪雨災害・避難所での犠牲者について

安佐北区可部町桐原.「山田自治集会所」付近.土石流により集会所1棟のみが完全に流失.土砂災害時には使用しない避難場所として挙げられており,避難していた1名が死亡した模様. pic.twitter.com/oopL9D08VY

その他の写真はhttp://goo.gl/ksbgLK にも掲示.

山田自治集会所は,広島市により「避難場所(候補施設)」として挙げられていた.「候補施設」とは耳慣れない言葉だが(けしからんと思いません),広島市webの説明によると下記の通り. pic.twitter.com/ISlRRWGENS

広島市では「避難場所(候補施設)」のほかに「生活避難場所」と「広域避難場所」を挙げている. goo.gl/lGNoaZ 「避難場所(候補施設)」は未確定の施設のような語感だが,目的に応じて利用される避難所といった意味だろうか.「山田自治集会所」は,この「避難場所(候補施設)」で,高潮,洪水の際に使用する対象となっていた.この分類は適切でしょう. pic.twitter.com/95HZOOIzCh

時事通信は,「県危機管理課が運営する「広島県防災Web」では「避難所・避難場所」としてひとまとめに紹介されていた」と批判的に報じている. goo.gl/GBOk3w 確かに同webでは避難所の用途別分類はない. pic.twitter.com/OjhU0j048u

一方広島市の運用する「ひろしま地図ナビ」では,土砂災害時の避難場所としては山田自治集会所は表示されない.したがって,広島市が,山田自治集会所を土砂災害時に使用しない避難場所であることを「隠していた」とは絶対に言えない.  pic.twitter.com/q4iDqpze6A

山田自治集会所は,土砂災害警戒区域ではなかったが,土砂災害危険箇所(土石流)の範囲内にあった.これは「土砂災害ポータルひろしま」などで公開されている.したがって,山田自治集会所が土砂災害時に危険な場所であることも,隠されていたわけでは絶対にない.ただ,「土砂災害ポータルひろしま」では,避難所を用途別に表記しておらず,紛らわしいとは言える. pic.twitter.com/p34aXRjdlJ

風水害で,行政機関が何らかの形で避難場所として指定した場所で犠牲者が出たことは極めて珍しく,私の集計している最近10年間では初の例である.ただし,用途が限定されていたことから,単純に「避難所で犠牲者が出た」とは言えない.

山田自治集会所での遭難例は,東日本大震災時に各地でみられた「津波浸水想定区域外または想定浸水深より建物高の高い避難所で犠牲者が出た」こと,つまり「想定外の場所で避難所での犠牲者が出た」というケースとは全く異なる.決して,「想定外の現象」ではない.

「土砂災害警戒区域内に避難所を置いてはいけない」とは思わない.鉄筋コンクリート造の建物であれば,2階以上を使用するという条件付きで避難所として使用してよいと思う.

「特定の災害時には使用しない避難場所」という施設の使い方を徹底することはとても難しい.すべてのひとが「この避難所は何それの時には使用しない」ということを完全に理解することは非常に難しいだろう.

時間はかかるだろうが,「避難所は,あらゆる災害時に安全な場所ではない」ということを,せめて,防災に関わる情報を扱う人くらいには,完全に徹底することから始めるしかないだろう.

山田自治集会所の件については,私はこの避難所がどのように扱われていたかについての情報を持たないので,ことの是非については論評しない.公表されている情報から言えることを述べたのみで,この個別事案についてはコメントしません.

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