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2017年7月24日 (月)

2017年7月九州北部豪雨災害では「流失」家屋が多い印象

2017年7月九州北部豪雨による災害は,人的被害もまとまった規模となりつつあるだけではなくて,家屋被害も,総数では例えば何万棟単位などにはならないように思うけど,流失・倒壊といった程度の激しい「全壊」家屋が多いような印象を,空中写真判読や現地踏査から感じる.
 
近年の災害統計では一般的に「流失」という値は出てこない(昔はあった).「全壊」といっても完全に倒壊しているようなケースはごくわずかで,概観上損壊していないように見えても継続使用困難なものなども「全壊」となる.
 
当初「床上浸水」と判断されたものが後日「全壊」「半壊」に判定が変わるケースは非常によくある.家屋被害数は発災1ヶ月後くらいに床上浸水が大幅減少し,全壊,半壊が大幅に増加する傾向が一般的.このあたりは3月に出した論文に詳述した.
 
牛山素行:日本の風水害人的被害の経年変化に関する基礎的研究,土木学会論文集B1(水工学),Vol.73,No.4,pp.I_1369-I_1374,2017.
 
したがって,見た目で明らかに大きく壊れているという意味での「全壊」家屋数は,災害発生から1ヶ月以内くらいの数字がそれに近いと考えて言い,というか実際に見ていてもそういう印象がある.これは別に批判しているのではなくて,むしろ被災した側に立った対応で,悪いことではない.
 
今回の被害について,たとえば災害約10日後の7月15日時点の消防庁資料では福岡県の「全壊」は87棟.手元の資料では今回と類似した狭い範囲の豪雨だった2014年広島では災害9日後の「全壊」が24棟.こうしてみると,今回は「明らかな全壊」が多いような気がする.

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