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2018年2月28日 (水)

災害時のツイッター「ハッシュタグ」やツイートについて思うこと

2018年の福井での大雪に関連して,ツイッターのハッシュタグが有効,というような話を聞くので,災害時のハッシュタグについての考えをメモしておきたい.
 
一般論だが,ハッシュタグは,多数のツイートの中から特定の話題に関係するツイートを検索しやすくための手法の一つであり,福井での大雪のようなケースでもその意味での有効性は当然ありうる.一方で,自然災害の場合は,突発的・自然発生的にハッシュタグが生まれてくるので,よく似たハッシュタグが複数並行して使われることも考えられ,またそもそもハッシュタグを使わない,ハッシュタグが使われていることに気がつかないユーザーも少なくないと考えられ,有効性には限界もある.そもそもツイートは本文の検索も容易なので,ハッシュタグを使わなければ関連するツイートを探しようもないというわけでもない.
 
ハッシュタグ以前に,自然災害では統一的な名称がかならずしも定まらないという課題もある.特に顕著な現象に対しては気象庁が命名をすることがあるが,福井の大雪では命名されいない(濫発すべきものではないと思うので,これは妥当と考えている).気象庁の命名がない局地的な災害では,各地域でメディアや行政機関が事実上の標準となる名称をつかうことがよくみられる.何らかの形で,標準的な名称を決めることは,その後の記録の整理や後世に教訓を伝える上でも重要なことと思う.標準的な名称が定着すれば,ハッシュタグや,ツイートの本文でも積極的に取り入りられることが予想され,有効だと思う.
 
災害時のツイートについて注意しなければならないことは,ハッシュタグなどよりもっと基本的なことがいろいろあるだろう.私が重要だと思うのは「自分がそのリツイートをすることが本当に必要なのか,冷静に考える」こと.災害時には,被災した地域のことが心配になり,自分にも何かできないか,という気持ちになることは当然.しかし,ツイートが爆発的に増えることにより,重要な情報が埋もれてしまい,探しにくくなってしまうといったことが考えられる.リツイートしたことで,自分も被災地のためにささやかな貢献をした,という気持ちになることもよくわかるが,むしろその善意が逆効果となることもある事に注意が必要.
 
また,災害時には不確かな情報や,誤った情報がツイートされることもよくある.「これは大変だ」「みんなが知った方がいい」と思うツイートに出会ったら,その情報は本当に確かな情報なのか,よく考えることが必要.公的機関や企業以外のツイートの場合,そのツイートのアカウントが,これまでにどのようなツイートをしているかを見て,信頼できるアカウントかどうかを見極めるといった方法も考えられる.
 
自らがツイートする場合は(個人でも組織でも同様),まずその情報に関する場所,時刻,情報源などを明記することを心がけたい.また,なるべく具体的な記述を心がけることも重要.たとえば「川が増水しています」と書くより,「○○橋の50cmくらい下まで水が流れています」と書く方が情報としての価値が高まるだろう.

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