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2019年10月29日 (火)

2019年台風19号による家屋被害と人的被害

2019年台風19号の被害について,10月28日現在の消防庁資料を元に,死者・行方不明者数と主な家屋被害の関係を散布図にした.消防庁資料には10/25の豪雨による被害が合算されているが,同じ資料に内数が示されているので除いてある.まだ数値は大きく動くと思われ「なんとも言えない」が正直なところだが,台風19号による被害は,近年の主な風水害と比較して,家屋の被害規模の割には犠牲者数が少ない事例だった可能性もある.

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降水量はその量的な意味が地域によっても大きく異なるし,人がたくさんいるところか否か,ということでも被害の出方は変わってくるので,降水量の多寡だけで洪水・土砂災害の「規模」を表すことはなかなか難しい.一方,家屋は「避難」できないし,人がいるところには家屋も多くあるわけだから,家屋の被害の大小は,個々の洪水・土砂災害事例において,「社会がどの程度激しい外力を被ったか」という指標の一つになり得るだろう.この散布図はその意味で作成してある.

ただし家屋被害の指標である「全壊」などの意味や判定の仕方は時代とともに変化していて,それぞれの数字の大小関係をそのまま比較する事は適切でない.近年では床上浸水を全半壊に判定し直すケースが多く見られるので,長期的な比較には「全壊+半壊+床上浸水」の合計を見るのが良いと思われる.このあたりについて詳しくは下記に記述してある.

牛山素行:日本の風水害人的被害の経年変化に関する基礎的研究,土木学会論文集B1(水工学),Vol.73,No.4,pp.I_1369-I_1374,2017.
http://www.disaster-i.net/notes/20170317_0229.pdf

 

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