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2019年12月30日 (月)

2019年台風19号等による人的被害についての調査(速報 2019年12月30日版)を公開します

当方ではこれまで,風水害犠牲者の発生状況についての調査を継続的に行っています.今回の台風19号についても同様な調査を実施中で,すでに11月12日現在の速報を当ブログで公開しています.

http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-ca0bcc.html

その後の調査結果を反映するとともに,加筆を行った資料を公開します.

2019台風19号等による人的被害についての調査(速報 2019年12月30日版)

主な加筆事項は下記です.

  • 10月25日の千葉県などでの大雨による犠牲者13人を集計対象に追加(このため表題を「台風19号等」に変更)
  • 「洪水」で「屋内」犠牲者の内訳(建物階数,浸水深など)を追加
  • 避難行動ありの犠牲者の内訳を追加
  • 犠牲者発生場所(屋内)と都市地域の関係を追加

更に下記の集計結果を追記した資料を公開します(2020/01/10,01/11訂正と追記)

2019年台風19号等による人的被害についての調査(速報 2020年1月11日版)

主な加筆事項は下記です.

  • 5年ごとの年代別犠牲者数
  • 外力別犠牲者の年代構成
  • 遭難場所別犠牲者の年代構成
  • 屋内犠牲者の外力別年代構成(2020/1/11追記)
  • 屋内犠牲者に限定した土砂災害危険か所と浸水想定区域との関係(2020/01/11一部訂正)

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白河市表郷.通行中の車が洪水流に流され,1人が死亡したと推定される現場付近.2019年12月21日撮影.

 

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2019年12月 6日 (金)

時評=直近の災害事例に強い関心 広い視点から議論を

11月14日付け静岡新聞に下記寄稿をしました.目先で起こった災害事例のことばかりに注目し,振り回された議論をするのはいかがなものか,という,みなさまのお気持ちに沿わない内容です.

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時評=直近の災害事例に強い関心 広い視点から議論を

 10月12~13日に日本列島を通過した台風19号は,本県をはじめ全国で死者・行方不明者87人(11月3日消防庁資料)などの大きな被害をもたらし,今なお各地で発災後の厳しい対応が続いている.

 この台風では特に洪水の被害が目立った.筆者の調査では,洪水で流されたり河川付近を通行中に転落するなど,水関連の犠牲者は63人で,犠牲者中の7割を占める.筆者の1999~2018年の風水害犠牲者1259人の調査では水関係犠牲者は42%なので,本事例の水関係犠牲者はかなり多かったと言える.また,床上・床下浸水家屋の合計は6万8千棟に上る.床上浸水などの指標の意味は時代ととも変化し単純な比較はできないが,この台風による浸水関係の家屋被害は最近20年間で最大規模となる可能性が高い.

 筆者は10月末に静岡県,神奈川県などに居住する人を対象に調査を行ったが,台風上陸前日に「自宅が暴風による被害を受けるかもしれない」とイメージした人は静岡で6割,神奈川で7割に,「自宅が数日以上にわたって停電するかもしれない」とイメージした人は静岡,神奈川とも6割弱に上った.一方,洪水可能性がある付近に居住と推定される回答者でも「自宅が洪水による被害を受けるかもしれない」とイメージしたのは静岡で3割,神奈川で4割ほどだった.暴風を心配した人に対し,洪水を心配した人は比較的少なかった印象がある.この理由は明確には分からないが,9月上旬に房総半島などを襲った台風15号の暴風による家屋損壊や,長期停電が印象に残っていたのかもしれない.

 災害に対する関心は時間とともに急速に低下する事はよくいわれ,たとえば京都大学の矢守らの研究ではその低下速度は5年で10分の1,10年で100分の1といった見方もある.これは,直近の災害事例に対しては強く関心が持たれるが,少し前の災害に関しては薄れていく可能性も示唆している.

 自然災害は様々な様相を見せる.大きな災害が起こった直後は,その直近の災害に目を向けた議論が活発になりやすいが,直近の災害に見られた「課題」は,災害に関わる「課題」のあくまでも一つに過ぎない.目先のことばかりにとらわれず,広い視点からの議論が重要だと考えている.

 

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