2017年9月 1日 (金)

風水害時の土嚢積みに関する懸念

少し必要があって,「風水害時に土嚢積み作業をしていて死亡した人」を数えてみました.基礎資料は当方が整備しているの風水害犠牲者資料 http://www.disaster-i.net/research4.html で,2004-2016年の761人が対象.
 
当方では「移動や避難の目的ではなく,自らの意志で危険な場所に接近したことにより遭難」を「能動的犠牲者」と定義しており,この形態の犠牲者が下図に見るように全体の24%.「土嚢積み」はこの一部に当たる.

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「能動的犠牲者」をさらに分類すると下図のようになる.40%は何らかの防災行動を取っていたもの.ただしそのほとんどは個人的な行動.「土嚢積み」はこの一部で,少なくとも9人確認された.水防活動による土嚢積みと思われるケースはなく,いずれも個人的な行動らしい.

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「土嚢積み」による犠牲者,761人中9人なので格別に多いわけではないが,要注意な行動の一つであるとは言えそう.少なくとも「水害に備えましょう!」と言って,土嚢積みをオススメすることは私はしたくはない.水には立ち向かうのではなく,逃れましょう.
 
なお,「土嚢積み」については,
  • 水防団による組織的な水防活動として,堤防上に積む
  • 個人宅で,雨が降り始める前の段階で予防的に積む
といった場面での有効性を否定するものではありません.雨が降る中,すでに周囲を洪水が流れているような状況下で積むようなことを強く否定しているものです.土嚢積みは「浸水したら対策としてやるべきこと」と受け止められている印象があり,そのイメージはまずいと考えます.

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2016年11月 2日 (水)

「避難準備情報」の言葉の変更に思うこと

「避難準備情報」の言葉がわかりにくいので変更すべきでは,という議論があるので,筆者の考えをメモしておきたい.
 
「避難準備情報」がはじめて明文化された2005年「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」では,「避難準備(要援護者避難)情報」と表記され,要援護者等は避難行動を開始,他の者は避難準備を開始,が「求める行動」とされていた.2005年版ガイドライン作成の背景は,2004年が10個の台風が上陸するなど風水害が多く,避難勧告発令をためらったケースや,要援護者等が犠牲となったケースが目立ったことがあったように筆者は受け止めている.
 
2005年版ガイドラインやその検討報告をみると,このときの避難準備情報は,避難勧告より早い段階でなんらかの行動を促すという意味もあったが,どちらかというと要援護者に対する支援という意味合いが強かったように感じられた.
 
なお,2005年版ガイドラインの重要事項は,避難準備情報の規定もあるが,避難勧告の客観的基準や,その発令範囲を明確化するための目安を示した点も大きかっただろうと,筆者は評価している.
 
しかし,その後も「避難勧告の発令をためらう」というケースが後を絶たず,特に2013年伊豆大島,2014年広島での避難勧告の遅れがかなり話題となった.判断基準にも課題はあったが,「避難勧告を出す」ということのハードルの高さも一因ではと議論された.「避難勧告を出す」のハードルとは,空振り批判を恐れる,避難所開設や役所内の体制立ち上げなど費用面の不安など,さまざま.
 
ガイドラインで,避難勧告より前段階に出せる「避難準備情報」がありながら「避難準備情報は要援護者向けの情報」と思われ,一般住民も含めた「勧告の前段階の情報」として活用されなかった側面も.このあたり,いくつかの災害事例を見た印象として筆者自身が持っていることだけど,もっと定量的に当時調べておくべきだったと反省している.
 
こうした教訓から,2015年版ガイドラインでは,(要援護者避難)がとれ「避難準備情報」に明快化された.また要配慮者の立ち退き避難とともに,他の者も「立ち退き避難の準備を整えるとともに<中略>自発的に避難を開始することが望ましい」とされた.
 
今仮に,避難準備情報を「要配慮者避難情報」等に変更する場合,いわば2005年ガイドラインへの回帰とも言える状況となる.しかしそうなると,避難勧告より早い段階で要支援者以外の人に注意を喚起する意味は非常に読み取りにくくなる気がする.
 
「一般向け避難準備情報」と「要配慮者避難情報」を設ける,という考え方もありうる.しかし,両者の発令基準を変えることは合理的でないと思われ,ただでさえ複雑だとされる避難関連情報がさらに複雑化することが懸念される.
 
合成して「避難準備・要配慮者避難開始情報」とするという考えもありそうだ.しかし,もともと「わかりにくい」という話から始まったのに,この言い回しが「わかりやすい」といえるだろうか.たとえばYahooの避難情報ページ https://goo.gl/1oC2gj では,避難準備情報は「避難準備」と4文字に略記され,避難指示(赤),避難勧告(橙),避難準備(黄)と色分け表示されている.「要配慮者避難情報」となったら?
 
かりに「避難準備情報」の語を変える場合,すでにある程度定着して,全国各地のハザードマップ,防災関連資料等に記載された言葉をすべて書き換え,新たな言葉を普及啓発していくという大きなコストが生じることも懸念される.避難勧告,避難指示も含めて,たとえばすべて数字で示すとかの抜本的な改定を行うならばこうしたコストも意義があるように思うが.部分的な用語変更ではどうだろう.
 
筆者も「避難準備情報」という言葉がわかりやすく,ベストな言葉だとはおもわない.しかし,「要配慮者が避難開始するという意味がわかりにくい」という理由で,この言葉だけを変えることは,防災関連情報全体としてのメリットがあまり大きくないように感じられる.
 
無論今のままでよいとは思わない.しかし,言葉を換える以外の改善策も考えてもいいのではなかろうか.意味の周知を徹底することは当然考えられる.単に「避難準備情報発令」というだけでなく,その意味を合わせてアナウンスすることを定型化するなどもありだろう.防災気象情報や河川水位情報で導入されているような,「色」を決めて表記するなどもありそうだ.
 
どうするにせよ,改善するためには,こうした思いつきの羅列ではなく何らかの根拠の積み上げが必要だろう.時間がないが,筆者自身も努力してみたい.

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2011年2月18日 (金)

tenki.jpのお天気ブログパーツが異様に便利な件

最近あまり確認していなかったのですが,tenki.jpのお天気ブログパーツ http://bit.ly/hI9u7s が異様に便利であることに気がつきました.リアルタイムの天気予報や気象情報を自分のwebやブログに張ることは,もはや全く珍しくも何ともなくなりましたが,筆者の必要性からすると,「今変化している気象情報」ではなくて「過去の特定の時点の気象情報」を(自分で作図せずに)掲示できることの方に関心があります.

気象情報に限らず,災害関連情報は動的に変化していきますが,「過去の特定の時点の情報」は,その状況が変わったら「もう要らない情報」となるわけではありません.どうも「古い情報=不要な情報」ととらえられる向きがありますが,過去の特定時点の情報は,大げさに言えば「歴史的資料」です.ましてや気象データに関していえば,過去のデータは「気象統計値」であり,どんどん捨てていくことなどあり得ないことです.

気象庁webでは現在,過去の観測データを多数参照することができます.しかし,数値データのアーカイブは進んでいるものの,分布図などの図表データのアーカイブは十分とは言えません.tenki.jpでは,2008年以降ではありますが,天気図,アメダス分布図,解析雨量,衛星画像などについて,「過去天気」としてアーカイブされ,しかも任意日のデータをhtmlで取得することが可能になっています.これを使うと,こんなこと http://bit.ly/i3gRs5 が簡単にできます.アニメーション化することも可能で快適です.

ただ,多少挙動が変なところがあります.アメダスの再生ボタンを押すと,表示した過去の日時のアニメーションではなくて,今日のアニメーションが再生されてしまいます.雨雲の動きも,webでは24時間分再生されるのが,2時間分のみとなってしまいます.いずれも,分布図の部分をクリックしてtenki.jpのサイトに飛ぶと,災害当日の過去24時間分を再生できますから,手の打ちようがないわけではないのですが.

筆者が整備している「リアルタイム豪雨表示システム」http://disaster-i.net/rain/ は,分布図のアーカイブも目的として運用しているものですが,基本的に10年前の技術そのままで動かしており,あまりにも時代遅れなものになりつつあります.そろそろ役目を終えたのかも知れないと思い始めました.

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2010年1月19日 (火)

無料系ニュース記事検索

ちょっと必要があったので,ネット上で無料で新聞記事の検索を行う場合に利用するサイトを覚え書きとしてメモしておきます.

Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl

各種メディアの横断検索.筆者がもっとも日常的に利用しているサイト.Yahooのトップからでなく,ニュースのページに入ると,検索ボタンが「ニュース検索」となるので,この検索窓にキーワードを入れる.記事は媒体によるがおおむね1ヶ月くらいで消滅する.主要メディアの内,朝日新聞,共同通信が検索対象になっていない.

Google News
http://news.google.co.jp/news?pz=1&ned=jp

Yahoo!ニュースよりも検索対象メディアの数自体は多いが,各メディアのサイトに直接飛ぶため,記事体裁がまちまちになり,スクラップする場合には少し扱いにくい.記事が消えるのが早い気もするが,気のせいかもしれない.検索対象は1ヶ月以内と思われる.

毎日新聞
http://mainichi.jp/

トップの検索窓から過去1ヶ月分の記事検索可能.Yahooニュースと同等だと思うが,念のため併用の価値はあり.

産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/

トップの検索窓から過去6ヶ月の記事検索可能.Yahooなどより対象期間が少し長いが,収録記事が少ないような気もする.

読売オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/

トップの検索窓から検索可能.速報記事は2週間.特集などは1年間保存.Yahooなどで検索できない記事がヒットすることがあるような気がする.

47NEWS
http://www.47news.jp/

全国の地方紙と共同通信記事が,トップの検索窓から検索可能.検索対象期間はリンク先メディア毎に異なり,最長1年とのこと.最近これができることを知ったところなので,あまり利用経験がないが,検索対象期間がYahoo等より長いのは魅力か.各メディアへのリンクのため記事体裁がまちまちとなる面倒さはGoogleと同様.

朝日新聞は,多くの大学でサイトライセンスを持っているので,筆者も新聞記事検索の基本ソースとしてありがたく使わせていただいています.

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2009年12月30日 (水)

善意や熱意を批判することの苦しさ

近年の防災の現場では,「善意」や「熱意」を背景とするキーワードが多く見られます.

「自助・共助」はその代表例でしょう.要援護者支援,ボランティア,助け合いの心,思いやり・・・・ 言葉はいくらでも出てきそうです.

以下のフレーズをどう思われるでしょうか.

「ボランティア」で,「住民主体」で,「地域の防災意識を高める」

全く正しい.議論の余地もない.そう思われる方も多いかもしれません.どこがいけないんだ,この考えがおかしいなんて,どうかしているんじゃないか.そう思われるかもしれません.

「住民主体で熱心に地域防災に取り組むことを否定するなんて,とんでもないヤツだ」

と思われるかもしれません.

しかし,それでもわたしは,上記のような考え方,スローガンを,全面的に賞賛することはできないと考えています.

防災に関わる「善意」や「熱意」は,言うまでもなく,全面的に否定されるべきものではありません.しかし,「(建設的)批判が許されないもの」,「いいことなんだから賛同・協力するのが当たり前なもの」であってはならないと思います.

防災に関わる取り組みに「正解」はありません.しかし,「誤り」はあり得ます.「善意」に基づき,「熱意」を持って取り組まれたことであっても,それが「誤り」であれば,批判・修正されるべきものでしょう.地域防災の取り組みは,善意や熱意,「高い防災意識」を競い合うものではありません.

防災と言っても,非常に幅広い対象があります.しかし,もっとも単純化して,最も重要な問題を抽出するとすれば,地域防災の取り組みとは,「善意,熱意,意識」といった「心の問題」ではなく,「災害による被害軽減を図る」という物理的,即物的な問題なのではないでしょうか.

善意を持つこと,熱意を持つこと,思いやりの心を持つこと,意識を高めること.これらはけっして間違いではありません.しかし,それらは「目的」ではないはずです.「目的」は「被害軽減」です.善意があっても,熱意があっても,思いやりの心があっても,意識が高くても,それらが導く方向が「被害軽減」に対してマイナスに働くことがあるとすれば,それは批判の対象になり得ると筆者は考えます.

防災に関わる取り組みは,たとえどんなに「善意」「おもいやり」にあふれ,「熱意」を持って取り組まれたものであっても,冷静かつ客観的に観察・評価され,必要があれば批判も受けなければならないものだと思います.

2009年,特にここ数ヶ月の筆者は,防災に関わる「善意」とどう向き合うかというテーマに翻弄され,多くのエネルギーを費やした感があります.

筆者の目標は「自然災害による被害軽減を図ること」であり,そのために自らの専門性を背景として,事実を明らかにし,できることに取り組む,というのが基本姿勢です.その姿勢は,今後も守っていきたいものです.

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2009年10月10日 (土)

降水量ってなんですか

07_  地表面に降った降水が、浸透、流出したり、蒸発したりせず、そのまま地表面に溜まったとした場合の水の深さをmm(ミリメートル)単位で計測したものを降水量といいます。最も簡単な方法,あるいは考え方としては、入口からそこまでの形が変化しない容器(たとえば茶筒)を地表面に置き、雨を貯め、貯まった水の深さをはかることによって観測することができます。貯まった水の「量」を測るものではありませんから,容器の大きさによって観測値が変わったりする事はありません。雪などの固形降水の場合は、それを溶かしてできた水の深さを測ります.

 雨量という言葉もよく使われますし,間違った言葉ではありません.専門分野によっては雨量という言葉の方が一般的である事もあります.厳密に考えるのであれば,降水量という場合は,雪などの固体降水の形で降ってきたものも含めたものであり,雨量というのは液体の水で降ってきたもののみを指す事になります.雨なのか雪なのかわからない観測値が含まれている場合は,降水量と言った方が適切でしょう.例えば,明らかに冬は雪が降る札幌で,「年雨量は**mm」と言うのは適切ではなく,「年降水量は**mm」と言うのが適切です.

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2009年10月 8日 (木)

警報になりそうなとき[覚え書き]

これも覚え書きです.

現在発表される気象に関する注意報・警報では,「今のところ注意報だけれど,今後警報になる可能性がある」場合には,その旨があらかじめ発表されるようになっています.

たとえば,10月7日19時35分に静岡地方気象台から発表された情報の一部を挙げます.
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平成21年10月 7日19時35分 静岡地方気象台発表

富士山南東 [発表]雷,高潮注意報 [継続]大雨,強風,波浪,洪水注意報
 特記事項 8日未明までに大雨警報に切り替える可能性がある
      土砂災害注意 浸水注意
      8日明け方までに暴風警報に切り替える可能性がある
      8日明け方までに波浪警報に切り替える可能性がある
      8日未明までに洪水警報に切り替える可能性がある
 高潮 8日6時頃から8日9時頃まで ピークは8日8時頃
   最大潮位 内浦 TP上 1.2メートル
 土砂災害 7日夜遅くから8日昼過ぎまで
 浸水 8日未明から8日昼前まで 雨のピークは8日明け方
    1時間最大雨量 50ミリ
 風 8日未明から8日夜のはじめ頃にかけて 以後も続く 北東の風のち西の風 ピークは8日明け方
   最大風速 陸上 20メートル 海上 25メートル
 波 7日夜遅くから8日夜のはじめ頃にかけて 以後も続く ピークは8日朝
   波高 7メートル
 洪水 8日未明から8日昼前まで
 付加事項 竜巻 うねり
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静岡県の「富士山南東」地区(御殿場市,三島市,沼津市など)は,この時点で雷,高潮注意報が新たに発表され,大雨,強風,波浪,洪水注意報が引き続き発表されている,という内容になっています.この地区ではこの時点では警報は発表されていないわけですが,「特記事項」として,今後,だいたいいつ頃に,警報に切り替えられる可能性があるという情報が挙げられています.

「まだ注意報だから大丈夫だと思っていた.警報になりそうなときはあらかじめ知らせて欲しい」という意見を聞くことがあります.

★そのニーズはすでに満たされています★

無論,現象の変化が急激で,本当に急に警報発表となる場合もありますから,常にこのような発表形態になるとは限りません.しかし,情報が進歩していることも確かです.情報が足りない足りないと嘆く前に,探してみましょう.聞いてみましょう.

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高潮・高潮警報[覚え書き]

高潮とは,台風などの発達した低気圧が海岸付近に接近した際,風によって海水が陸側(湾側)に吹き寄せられたり,気圧の低下により海水面が上昇したりすることによってもたらされる現象です.

気象庁による高潮の解説
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/4-1.html

目に見える形態としては,津波のように,海水面全体が高くなり,陸上に洪水のように押し寄せるものとなります.単なる浸水ではなく,激しい流れを伴うことが多いため,同程度の面積が浸水したとしても,河川の洪水より構造物などに被害がもたらされやすくなります.

今回の台風2009年18号では,東海地方で高潮の発生の危険性があり,一時愛知県などに高潮警報が出ていました.8日9時時点で,静岡県遠州南には高潮警報が出ています.

Lvl_3_20091008Dev_3_20091008 浜松 市にある舞阪潮位観測所(気象庁)の潮位観測記録を,気象庁webより引用します.左が観測値で,赤線が観測された潮位,青線が天文潮位,すなわち台風等の影響がない場合の潮位です.7日18時頃から観測潮位が天文潮位を上回り始め,8日6~7時頃にピークを迎えていることがわかります.これが高潮です.右図は潮位偏差,つまり天文潮位と観測潮位の差で,台風によってもたらされた潮位の上昇の大きさに当たります.潮位偏差のピークは6~7時頃ですが,天文潮位のピーク,つまり満潮時刻はこれより若干後(8:23)になっています.満潮と,潮位偏差のピークが重なれば,実際の潮位はさらに高くなることになります.

高潮に関する潮位の呼びかけは,高潮警報として,8日0時45分に発表されました.実際の表現は以下の通り.
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平成21年10月 8日00時45分 静岡地方気象台発表

中部南」大雨,洪水,暴風,波浪警報」雷,高潮注意報」
中部北」大雨,暴風警報」雷,洪水注意報」
伊豆」大雨,洪水,暴風,波浪警報」雷,高潮注意報」
東部」大雨,洪水,暴風,波浪警報」雷,高潮注意報」
遠州北」大雨,暴風警報」雷,洪水注意報」
遠州南」大雨,洪水,暴風,波浪,高潮警報」雷注意報」
((遠州南では、8日朝の満潮時を中心に高潮に警戒して下さい。県内では、8日朝にかけて非常に激しい雨による浸水害に、また、8日昼前にかけて、土砂災害、暴風、高波に警戒して下さい。))

遠州南 [発表]高潮警報 [継続]大雨,洪水,暴風,波浪警報 雷注意報
 特記事項 土砂災害警戒 浸水警戒
 高潮 8日6時頃から8日12時頃まで ピークは8日9時頃
   最大潮位 舞阪 TP上 1.4メートル
 土砂災害 8日昼前まで
 浸水 8日朝まで 雨のピークは8日明け方
    1時間最大雨量 60ミリ
 洪水 8日朝まで
 風 8日昼前まで 東の風のち南西の風 ピークは8日明け方
   最大風速 陸上 20メートル 海上 30メートル
 波 8日夕方まで ピークは8日朝
   波高 11メートル
 付加事項 うねり 竜巻
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また,満潮時刻などの情報は,「気象情報」として7日から発表されていました.具体的な表現の一例は以下の通り.
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平成21年 台風第18号に関する静岡県気象情報 第7号
平成21年10月7日23時15分 静岡地方気象台発表

(見出し)
台風第18号は非常に強い勢力を保ったまま、8日明け方から朝にかけて静岡県に最も接近するため、暴風、高波、低地の浸水、河川の増水、土砂災害、高潮、竜巻などの激しい突風に警戒して下さい。

(本文)

<中略>

[高潮の予想]
 県内では、台風の接近する8日には、満潮時刻を中心に高潮に注意・警戒
が必要です。
 8日の満潮時刻は、
 清水港 7時56分、御前崎 8時00分
 内浦  7時53分、石廊崎 7時57分
 舞阪  8時23分

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2009年5月13日 (水)

「専門家」としての情報発信

筆者は現在,web,blog,メルマガで災害研究関係の資料,調査研究成果,コメントなどを,実名で発表しています.これらの媒体で私が記述している内容は,災害科学の研究者という「専門家」としての外向けの発言であると考えています.

災害研究と行っても幅はかなり広いですが,筆者の専門は,豪雨を中心とした自然災害にかかわる災害情報に関する話題です.また,時系列的に言うと,「災害が起こる前~まさに起こっている最中」を対象にしています.起こってから少したった後の事象,すなわち,危機管理,救出救援,復旧復興といったキーワードに関しては専門的知見を持ちません.

最近は,「防災」の範疇が広くなってきて,「防災研究をしているなら当然,危機管理の専門家なんだろう(であるべきだ)」と思い込まれることがありますが,残念ながら私はそうではありません.専門的知見を持たない以上,「専門家としてのコメント」をしてはいけないと私は考えています.意識が低い,役立たずと批判されるかもしれませんが,よく知らないことを,専門家のような顔をしてコメントする方が,私はよっぽど無責任であると考えています.

新型インフルエンザに関わる動きは,「危機管理」のターゲットの一つと言えます.私はこのテーマは全く素人なので,内容的なコメントはしませんが,この分野で(おそらく)第一線の専門家であろうと思われる複数の方々が,実名で専門的なコメントを出し続けていることには関心を持っています.

鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集
http://nxc.jp/tarunai/

楽園はこちら側
http://georgebest1969.cocolog-nifty.com/blog/

新型インフルエンザ・ウォッチング日記
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12

感染症診療の原則
http://blog.goo.ne.jp/idconsult

上記サイトに共通しているのは,それぞれ発信されている方(あるいはそのサポートグループ)が,自分はどこの何者で,何を専門としているかを簡潔に明示した上で専門的なコメントをされていることです.このテーマに関しては,岡本真さんが言っている,「学者や専門家がそれぞれ個人のウェブを管理し,最新の専門知識を競うように公開する時代」が,かなり実現しているような感じがします.

「これからホームページをつくる研究者のために」
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_4de8.html

自然災害研究の分野では,まだまだこういった状況にはなっていません.が,トンネルの出口は意外に近くまで来ているのかもしれません.私自身が取り残されているのでなければいいのですが.

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2007年12月20日 (木)

自然災害の『犠牲者ゼロ』を目指すために早急に取り組むべき施策

内閣府防災担当から,下記のような資料が公表されました.

「自然災害の『犠牲者ゼロ』を目指すために早急に取り組むべき施策」
http://www.bousai.go.jp/oshirase/h19/071218kisya.pdf

これは,最近私が取り組んでいる,

豪雨災害時の人的被害に関する研究
http://www.disaster-i.net/research4.html

とよく似た内容です.調べてれば比較的簡単に結果の出る話ですので,組織的に取り組まれればすぐに成果が出るだろうな,と思っていましたが,思ったより早く出てきました.少し先を越された感があり,自分の仕事の遅さが恥ずかしくなります.

いずれにせよ,「豪雨災害時の犠牲者→高齢者に集中→だから要援護者支援」という,間違いではないけれどもやや本質からずれたイメージが,少し単純すぎる,という考え方が国レベルでも出てきたことは,今後の防災を考える上でも大変歓迎すべきことだと思います.私自身も,この「豪雨災害時の人的被害に関する研究」に関し,より本腰を入れて取り組んでいかなければ,と考えています.

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