取材への対応
本日(6月28日),岩手県内のテレビ局より,田野畑村防災ワークショップに関してや,最近の各地での豪雨災害に関してなどの取材があり,対応させていただきました.直接番組に反映される取材ではなかったため,具体的な放映などの予定はないようです.
本日(6月28日),岩手県内のテレビ局より,田野畑村防災ワークショップに関してや,最近の各地での豪雨災害に関してなどの取材があり,対応させていただきました.直接番組に反映される取材ではなかったため,具体的な放映などの予定はないようです.
6月26日未明から,九州西部を中心にやや強い雨が断続的に降っています.06時には熊本(地方気象台)で84mm,益城(熊本空港)で105mmが降りました.益城は統計値が1年しかないので直接比較できませんが,熊本県内の気象庁アメダス観測所では,観測開始(1979年)以降,1時間降水量が100mm以上の記録は過去2回ですから,この地域としてもやや強い雨が降ったと言えます.
この結果,熊本県には記録的短時間大雨情報が発表されました.記録的短時間大雨情報は,気象庁HPの説明では「大雨警報が発表されている時に、数年に1回程度発生する激しい短時間の大雨を観測、または解析したことを発表する情報。」とあります. 大雨警報が出て,記録的短時間大雨情報が出され,さらに「過去数年間でもっとも土砂災害の危険性が高まっている」という情報までが出される状態になると,豪雨災害に関してはきわめて危険な状況になっていると考えなければなりません.このあたり,詳しくは拙著
をご覧ください.
26日のケースでは,1時間などの短時間降水量は激しかったのですが,幸いと言うべきか,24時間降水量など,少し長い時間の降水量がそれほど大きくなっていません.26日21時現在,統計期間が20年以上とれるアメダス観測所で,24時間降水量の最大値を更新した観測所は1カ所もありません.報道等で,「降り始めからの降水量」として,5,6日間の降水量を用いて,大きな値(500mm以上)を挙げ,ものすごい雨が降っているかのような伝え方をしている事例を目にしましたが,あまり適当だとは思えません.たとえば26日21時現在,熊本(熊本市)の24時間降水量は172mm,甲佐で213mmです.しかし,これらは,それぞれの観測所における1979年以降の上位3位にも満たない値です.
ただ,だからたいしたことはないというわけではありません.九州西部では断続的に豪雨が続いています.今のところ,雨域の移動速度が速く,同じ場所で数時間にわたって豪雨が生じる状況になっていませんが,今後も同様な状況が続くかはわかりません.もっとも簡単な目安となるのは,それぞれの地域における過去の豪雨の記録でしょう.しばらくは,現地の状況も含めたあらゆる情報を用いて,警戒を続けなければならないと思います.
6月22日,岩手県田野畑村の島越地区で,「田野畑村島越地区 安全安心促進基本計画策定に係る第2回ワークショップ」に,コーディネータとして参加してきました.島越は,20日に行われた羅賀地区の南約2kmほどのところにある集落です.
防災ワークショップには,その目的に応じて様々なやり方があります.防災ワークショップ(図上防災訓練とか,防災マップ作りとか言われる場合もあり)は,最近一種のはやりのようですが,「何のためにやるのか」という目的の明確化が最も重要であると思います.今回の場合,「この地区における津波防災に関する課題の抽出」が目的ということです.3月に実施したワークショップでは,地図などを使って参加者がこの地区の防災上の課題についての意見を出し合いました.今回は,そこから出た課題をリストにして,対応の必要性や優先順位を,参加者自身で考えていくという作業をしたものです.
防災ワークショップは,実効性ある地域防災の推進のための有力なツールの一つだとは思います.しかし,そのやり方をマニュアル化して,決まり切ったものにしてしまうのでは,むしろやらない方がましという場合もあるのではないかと思っています.
6/20は,岩手県田野畑村で,「田野畑村羅賀地区 安全安心促進基本計画策定に係る第2回ワークショップ」に,コーディネータとして参加してきました.
同地区では,2月に「事前検討会」,3月に「第1回ワークショップ」を行っています.「第1回ワークショップ」と,事前に行われたアンケートにもとづき,この地区の津波災害に関する防災上の課題がリストになりました.今回は,これらの課題の内,対応すべきものは何か,誰が対応すべきかなどについて,同地区住民,同村役場,岩手県岩泉土木事務所関係者などがあつまり,グループ討論を通じて話し合われました.
22日には,同村の島越地区でも同様な活動が行われます.これらの作業の結果は7月頃までにとりまとめられる予定ですが,その後の同地域の様子なども,継続的に観察したいと考えています.
民間の技術者の方から,
牛山素行・寶馨,2003:AMeDASデータによる暖候期降水量と最大1時間・日降水量の関係,水文・水資源学会誌,Vol.16,No.4,pp368-374
http://www.disaster-i.net/notes/2003JSHWR.pdf
に関する問い合わせがあり,返信させていただきました.
6/19は,日本損害保険協会からご担当者が来訪され,同協会と共同研究として実施している「洪水ハザードマップと防災情報に関する調査」に関しての打合せを行いました.この調査に関しては,7月頃に報告書が発表される見通しです.
2006/06/17訪問.城址の公園内にあります.このように多くの人がすぐ近くまで接近しそうなAMeDASは割に珍しいと思います.紫波町中心街の近傍にありますが,中心街からは比高80mほどの丘の上にありますので,冬季の冷え込んだときなどは気温がやや高め(「低め」の間違いではありません.晴天で放射冷却が強いときは冷気が盆地底にたまりやすいので低地の法が気温が低くなります)に出ることがあるかもしれません.建物のすぐ脇にあるので,風向によっては降水量が少なめに出るかもしれません.
●観測所諸元(気象庁作成の地域気象観測所一覧表より)
都府県支庁 岩手
管理官署 盛岡
観測所番号 33501
種類 四要素(気温,降水量,風,日照時間)
観測所名 紫波
カタカナ名 シワ
所在地 紫波郡紫波町二日町字古舘地内
緯度(度) 39
緯度(分) 33.8
経度(度) 141
経度(分) 10.4
海面上の高さ(m) 170
観測開始年月日 昭52.1.1
disaster-i.net本館で,
2006年6月沖縄地すべり災害に関するメモ
http://www.disaster-i.net/disaster/20060612/
を公開しました.
6月7日~8日に,土木学会 主催による河川技術に関するシンポジウム が行われます.
牛山は,日本損害保険協会との共同研究による,下記研究を,8日に発表します.
牛山素行・新村光男・召田幸大・山口兼由,2006: 市町村による豪雨防災情報活用の実態分析,河川技術論文集,Vol.12
当ブログに掲示される各種情報,見解は,一研究者である筆者個人の責任にもとづくものであり,筆者の所属機関,所属組織の公式な情報,見解とは関係がありません.
ただし,この活動は,大学に所属する一研究者としての,研究成果公開および社会に対する活動報告の目的で行っているものです.
2006/04/15訪問.周囲にはほとんど障害物もなく,観測条件は大変良好だと思われました.画像のExif情報には,GPSで取得した位置情報が含まれています.
各種の観測所を見る機会があるので,折に触れてここに記録してみようかと思います.
●観測所諸元(気象庁作成の地域気象観測所一覧表より)
都府県支庁 岩手
管理官署 盛岡
観測所番号 33441
種類 四要素(気温,降水量,風,日照時間)
観測所名 区界
カタカナ名 クザカイ
所在地 下閉伊郡川井村田代第2地割字田代
緯度(度) 39
緯度(分) 39.0
経度(度) 141
経度(分) 21.2
海面上の高さ(m) 760
観測開始年月日 平5.10.7
観測所位置(Mapionにリンク)
去る6月2日(金)に,(財)日本気象協会主催の,JWA防災セミナー「地域防災に役立つ防災情報とは」において,
今すでにある情報を知り,使う
-情報不足を嘆く時代は終わった-
というタイトルで基調講演をさせていただきました.筆者の持論でもある,「防災情報は整備しただけでは効果を発揮しない」という話から始め,後半は,豪雨災害時の気象情報の読み方について,web公開している「地域防災のための気象・水文情報活用の手引き」(PDF)に沿った内容の話をさせていただきました.
このブログは,筆者が公開しているweb
「豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net」
の別館です.本館の更新情報や,筆者の日々の研究活動などについての記録を掲示する場として開設してみました.
「日記」を書くつもりはありませんので,更新間隔はばらつきがあります.緊急災害調査に入ると頻繁に更新されるでしょうし,何事もなければ閑古鳥だと思います.
掲示する内容は,筆者の仕事である「災害研究」に関わる情報にほぼ限定するつもりです.無味乾燥な「情報」が主体と予想されますので,「研究者の日常生活」のような記事は期待しないでください.
当面は試験的な運用をしますので,画面構成や仕様が大きく変わる可能性があります.