昨日公表いたしました,「洪水ハザードマップと防災情報に関する調査報告書」については,少なくとも下記の2メディアで報道がなされたようです.
ハザードマップ、自治体の6割が未作成
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060805AT1G0402K04082006.html
(日本経済新聞)
作成市町村25% 洪水ハザードマップ
http://www.iwate-np.co.jp/news/y2006/m08/d05/NippoNews_2.html
(岩手日報)
後者の記事では,「また作成自治体の40・2%が住民だけで作っており、行政の「丸投げ」もみられた。」とありますが,これは間違いです.この表現ですと,調査対象とした市町村全体を対象とする洪水または土砂災害ハザードマップの「40.2%が住民だけで作られていた」ように読み取れますが,そうではありません.
これは,(市町村全体を対象とする洪水または土砂災害ハザードマップとは別に)「ワークショップ形式で,住民も参加して作成するタイプの,いわゆる「防災マップ」が作成されたことがありますか」という設問に対して,「ある」と回答した市町村のうち40.2%が,住民「だけ」でその「防災マップ」を作成したと読み取れる,という結果を,誤解されたものと思われます.ちなみに,リリース文の原文では下記のようになっています.
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防災マップ作りなどの防災ワークショップは15.1%の市町村で実施されている。防災マップの作成市町村のうち、40.2%が「住民だけ」で作成していると回答した。住民だけで取り組むことが「自助・共助」ではなく、問題点の見落としや、技術的な誤解が生まれる可能性も否定できない。より広範な専門家との協働が望まれる。
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「防災マップ」は,この文脈の前の部分で言っている「ハザードマップ」とは別のもの,という意味を強調したつもりだったのですが,「防災マップ=ハザードマップ」と読み取られたようです.「防災ワークショップを実施したことがあるという市町村のうち,40.2%が・・・」と書くべきでした.
こちらの意図を正しく伝えるのは難しいものであるということを,あらためて感じました.