防災ワークショップの課題
9月27日付本欄でも紹介いたしましたように,本日は,
震災対策技術展
http://www.exhibitiontech.com/etec/
の一部として行われたシンポジウム「住民参加型防災ワークショップの現状と課題」にコーディネータとして参加してきました.
話題提供者としてご参加いただいた,小村隆史先生(富士常葉大学環境防災学部),村山良之先生(東北大学大学院理学研究科)のお話しをたいへん興味深くお聞きしました.一番おもしろかったのは,それぞれ全く別のバックグラウンドを持ち,全く別のフィールドで活動をしている(私を含めた)3者が,「防災ワークショップの課題」に関しては,ほとんど同じ問題提起を挙げていた,ということでした.
たとえば,私は,提示したスライドの一部で,このようなことを示しました.
□防災ワークショップに関する誤解
- ワークショップをやって防災マップを綺麗に作ってみんなに配るのが「ゴール」だ.
- 防災マップは住民だけで簡単にできる.だから防災マップ作成は地域に任せよう.これこそ「自助」だ.
- 「図上訓練」をして,地域の高齢者の避難誘導方法を決めないといけない.講習会でそう教わった.
上記を言い換えますと,
- 防災マップ作りが自己目的化しているのでは?
- 住民『だけ』ではなくて,もっとさまざまな専門家が関わり,整備されている様々な情報を取り込むべきなのでは?
- 防災ワークショップは,地域ごとに固有の課題や活動について話し合える場なのに,マニュアルにもとづいた固定観念で取り組んでは意味がないのでは?
といった,問題提起になります.皆様,どう思われますでしょうか.
防災ワークショップは,様々な可能性も持っていることは確かだと思います.この活動自体を客観的に観察し,改良していくことがますます必要になっていると考えています.
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