佐呂間町竜巻災害
本日11月7日13時25分頃,北海道佐呂間町若佐付近で竜巻が発生し,工事現場の宿舎などにいた,少なくとも9名が死亡した模様です.情報源は,主に読売新聞より.
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061107it04.htm
私は,竜巻は専門からかなり遠いので,詳細なコメントはできませんが,竜巻自体は日本でも多くはありませんが,けして珍しいものではありません.しかし,これほどの人的被害を生じた例はかなり希だと思います.竜巻については,気象庁のページに簡潔な統計が示されています.
被害のあった竜巻資料(気象庁)
http://www.data.kishou.go.jp/bosai/report/tatsumaki/index.html
ここからも,1971年以降で4名以上の人的被害を生じた例は確認できません.林・石川(2001)によれば,日本においては「人的被害は33年間で死者は16個の竜巻についてのみ発生し,その合計は19名で」(33年間とは1961~1993年)です.更に古い時代の記録については確認できないので留保しますが,1971年以降で最大の人的被害を生じた竜巻災害であることは確実であり,わが国の近代自然災害史上に残る事例となってしまったものと考えられます.
参考文献
林泰一・石川裕彦:積乱雲に伴う強風,防災学ハンドブック(京都大学防災研究所編),朝倉書店,2001.
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