東北地域災害科学研究集会を終えて
既報のように,1/13~14の間,岩手大学において東北地域災害科学研究集会が行われました.この「集会」についての説明はいささか面倒なのですが,実質的には,日本自然災害学会の東北支部の活動という説明が,もっとも分かりやすく,かつあながち間違いでもないというところになるでしょう.「東北地域災害科学研究集会」という枠組みでの開催は43回目となりますから,既にかなりの歴史が刻まれています.東北地区の,主として理工系(ハザード系)の研究者による集まりで,人数的には発表件数53件と,こじんまりとしたものですが,その分密度の濃いやり取りがありました.
当日,発表の際に配布した資料を以下に挙げておきます.
牛山素行・國分和香那,2006年10月6~9日の発達した低気圧による北日本の豪雨災害,平成18年度東北地域災害科学研究集会
http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/070113_m_ushiyama.pdf
2006年10月上旬の低気圧による豪雨災害について,降水量の特徴と,特に岩手県葛巻町での人的被害についての調査結果を報告したものです.避難所に避難したあとでの遭難であること,行方不明の覚知に3日近くかかったことが,近年の人的被害の中でも特筆される事例であることを指摘しました.この件については,もう少しとりまとめを進めたいと考えています.
13日付記事でも紹介しましたように,この研究集会開会直後の13日13時半頃に千島沖を震源とする地震津波があり,会場でも弱い揺れを感じました.私は津波警報の発表を,発表直後にいくつかのメールで覚知しました.さすがにハザード研究者の集会だけあり,似たような環境下にいる人は少なくなかったもようで,津波警報発表後10分くらい経つと,会場を出入りして情報収集に当たる人がおり,討議の途中で震源地や津波警報発表などについての発言があったりしました.
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