少し時間が経ってしまいましたが,2月19日に,岩手県社会福祉協会による「地域のつながりで進める防災に強いまちづくり検討会」の活動として,宮城県石巻市の災害時要援護者支援に関しての現地視察に参加してきました.
「石巻市災害時要援護者避難対策推進協議会」による,「石巻市災害時要援護者避難支援プラン」などの取り組みについてお話を伺いました.要援護者支援という言葉が載っていることからもわかりますように,これは社会福祉関係部署・組織による,地域での防災に関する取り組みです.いわゆる自主防災組織などは,防災担当部署・組織によって推進されている取り組みであり,これとはまた別です.
内容的には,民生委員らの訪問活動等を通じて要援護者を把握し,家族・本人の同意を得て台帳を作成し,要援護者1人につき2人の支援者を決める,といったことが骨子でした.要援護者は必ずしも高齢者・障害者に限定せず,「自力で避難することに支障が生じるおそれのある」人としているようです.
写真は,取り組み例の一つとして紹介されていた同市八幡町地区.旧北上川沿いの無堤区間(北上川は放水路が存在するので,この地区で特別に治水事業が遅れているということはありません)で,2002年の水害などをきっかけとして,要援護者の把握,緊急時の声掛けなどの活動が進められているそうです.
さまざまなところで,様々な方法で「地域の防災力向上」のための取り組みが行われつつあることを実感しています.縦割りでバラバラに取り組まれている,と批判することはたやすいですが,絶対に正しい解はないのですから,長い長い試行錯誤が続いて行く状態でよいのだと思っています.ただ,気をつけるべき事は,「間違ったこと,かえって被害を誘発するようなこと」をしないようにする,ということだと思っています.