土砂災害警戒情報説明会
岩手県では,3月1日から「土砂災害警戒情報」が発表されることになりました.以下,報道による紹介.
岩手日報
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070217_2
毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070217-00000048-mailo-l03
これに伴い,昨日2月20日に,岩手県と盛岡地方気象台により,岩手県内各市町村防災担当者を対象とした説明会が行われました.牛山は,この説明会に出席させていただき,補足説明をさせていただきました.その際に使用した資料を下記に置きました.
土砂災害警戒情報についてのコメント
http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/20070220.pdf
特に強調しておきたいのは,つぎのことです.
- 5kmとか1kmのメッシュで情報が出てきても,その最小解像度で情報を見ないでください.数字を細かく見過ぎないでください.土砂災害警戒情報に限りませんが,たいていの情報は,最小解像度までの精度を持っていません.たとえば,隣り合ったメッシュの一方が「土砂災害の危険度が高い」,もう一方が「土砂災害の危険度が低い」となっていたとしても,その二つのメッシュの間にはっきりとした危険度の差がある,と断定できるほどの精度はありません.5kmメッシュで情報が出てくるのであれば,東西南北50km四方くらいの自治体があったとして,そのなかを強いて4つくらいに分けて,どの当たりが危険かを判断するくらいが実用上の限界と思います.
- 「そんなおおざっぱな情報では,市内全域が避難勧告対象となってしまい,使えない」などと言わないでください.リアルタイムにどこそこの斜面あるいは渓流が危険,といった情報を出すことはきわめて困難ですが,そもそも土砂災害が起こりうるところ,ほぼ起こりえないところというのは,判断可能であり,すでに急傾斜崩壊危険箇所などとして指定されています.そういった,静的な情報と,土砂災害警戒情報のような動的な情報を,なんとか組み合わせていただくわけにはいかないものでしょうか.
すでにある情報でできることはまだまだたくさんあります.情報が活用されていくことを祈念しています.
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