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2007年4月28日 (土)

ハザードマップポータル

国土交通省が,「ハザードマップポータル」というページを開設しました.

国土交通省ハザードマップポータル
http://www1.gsi.go.jp/geowww/disapotal/

全国の市町村別に,どのようなハザードマップが公開されているかを調べることができます.また,ネット公開されているハザードマップにはリンクが張られています.これまでも類似のページはないでもなかったのですが,なかなか便利なものになりました.

無論,フォローできないハザードマップは出てきます.たとえば,岩手県,宮城県では津波浸水予測図(ほぼハザードマップと言って問題ありません)がweb公開されていますが,これは今回のハザードマップポータルからはリンクされていません.よそのページからちょっとリンクがしにくいページ構造の為なのかな,とも思います.

あるいは,岩手県では

岩手デジタルマップ
http://gisweb.pref.iwate.jp/iwategis/readMe.jsp

というところから,急傾斜崩壊危険箇所などの表示ができます.これも上記のポータルには触れられていません,が,これも無理もないことだと思います.これはいわゆるwebGISで,たまたま岩手を例に挙げましたが,各地で見られます.見る側からするとハザードマップですが,この種のページは,かなり上位側の入り口以外は他のページからのリンクが困難です.

情報整備をする方々は,「使いやすいシステムを,分かりやすいシステムを,見やすいシステムを」というふれこみで,各地で様々な「工夫」をされています.無論,その努力を否定するつもりはありませんが,結果的に「ハザードマップ」という一つの目的のために,使い方がてんでに異なる無数の「システム」が存在していることは事実でしょう.

少しうれしかったのは,国土地理院の土地条件図も「ハザードマップの仲間」だということが認知されてきたのか,このポータルに含まれていたことです.土地条件図は,「読める人さえいれば」大変有力なハザードマップになります.

いずれにせよ,最も重要なのは「ハザードマップを読める人」の存在でしょう.「どなたにも分かるようなハザードマップ」は理想でしょうが,空想のような気がします.不特定多数を対象とするのではなく,まずは,「ハザードマップを読んでもらわないと困る人」に徹底的に読んでもらうことが必要なのではないでしょうか.

全国のハザードマップのポータル開設(レスキューナウの紹介記事)
http://rescuenow2.cocolog-nifty.com/bousai/2007/04/post_5601.html

2007年4月26日 (木)

本研究室の学生が学長特別賞を受賞

本日4月26日,平成18年度(岩手県立大学)学長特別賞の授与式が行われ,3月まで当研究室に在籍していた卒業生の吉田淳美さんが,学長特別賞を授与されました.

本学にもいくつかの学生表彰制度がありますが,学長特別賞は「研究活動、課外活動又は社会活動において特に優れた業績を収め、高い評価を得た者」を対象に贈られるものです.

岩手県立大学の表彰制度
http://www.iwate-pu.ac.jp/office/gslife/web-main/hyousyou.html

平成17年度に制度が始まり,全学で平成17年度7名,平成18年度8名に授与されています.表彰の対象は大きく分けて「研究活動」,「課外活動」,「社会活動」の3種類となっており,今回の吉田さんは「研究活動」での表彰でした.ちなみに,「研究活動」での受賞者は17,18年度の15名中3名,学部学生の「研究活動」での受賞は初でした.

授与式の配付資料に記された受賞理由は以下のようになっていました.

「田野畑村における防災意識に関する研究活動の成果が報道機関や公的機関発行の資料に取り上げられており,本学の評価を高めた」

吉田さんの受賞に心よりお祝いを申し上げたいと思います.また,この研究にご協力いただいた関係者,関係機関の皆様に,あらためてお礼を申し上げたいと思います.

2007年4月24日 (火)

森林水文学

これも少し時間が経過してしまいましたが,3月に共著にて下記の図書を刊行いたしました.

『森林水文学 -森林の水のゆくえを科学する-』
森林水文学編集委員会編 森北出版株式会社
http://www.morikita.co.jp/shoshi/ISBN978-4-627-29091-4.html


2007年4月17日 (火)

報道の紹介

当方関係の新聞記事,かなり古い記事ですが,本ブログで紹介していなかったことに気がつきましたのでここで挙げておきます.

[連載] 減災 知の力―阪神・淡路大震災から12年 災害情報生かせるか
2007/1/17 読売新聞(関西)
http://osaka.yomiuri.co.jp/shinsaimirai/sm70115a.htm

地域防災意識浸透せず 花巻市
2007/3/7 岩手日報
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070307_16

2007年4月 7日 (土)

気象庁・予報用語の改正

気象庁では,4月から天気予報などの気象情報で用いる用語の一部を改正して発表するようになりました.

予報用語の改正について(気象庁web)
http://www.jma.go.jp/jma/press/0703/29b/yougo_kaisei.html

気象庁では,この改正に先立って,用語の見直しについての「ご意見募集」をしていました.

「予報用語」の見直しについてのご意見募集
http://www.jma.go.jp/jma/press/0702/23a/yougo_iken.html

上記「予報用語の改正について」のページでも示されていますが,この「ご意見」に対する気象庁の対応が以下にまとめられています.

予報用語の見直しに対する主なご意見への回答
http://www.jma.go.jp/jma/press/0703/29b/yougo_kaitou.pdf

実は,私もこの「ご意見募集」に意見を投稿していました.投稿した意見は以下のようなものでした.

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■用語名「豪雨」の「用例」について

この語の「用例」では,「「○○豪雨に匹敵する大雨」等の表現を用いる。」とありますが,運用上,かえって誤解を招く可能性があると思います.

言うまでもないこととは思いますが,気温と異なり,降水量は,「激しさの度合い」が,時間的にも(1時間降水量,24時間降水量,等々),空間的にも(A地方,B地方,,,)まったく異なり,「×mm以上が豪雨」という目安を示すことが極めて困難です.

たとえば,24時間降水量400mmという現象を「東海豪雨に匹敵する大雨」と呼ぶこととすると,高知県あたりでは,数年に1回は「東海豪雨に匹敵する大雨」が起こることとなってしまいます.あくまでも,「匹敵する」の比較対象は,同じ地域内であることを,はっきりさせておかなければならないと思います.

「○○豪雨に匹敵する大雨」は,メディアが好みそうな表現であると感じますので,発表すれば,広く伝えられやすいと思います.従って,むやみに発表すると「豪雨」の濫発となり,かえって警戒心を失わせることにもつながりかねないことを懸念します.

用例としては,単に「「○○豪雨に匹敵する大雨」等の表現を用いる。」ではなく,やや迂遠かも知れませんが,「当該地方で過去に発生した「○○豪雨に匹敵する大雨」等の表現を用いる。」などととした方がよいのではないかと思います.
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私の「持論」のようなもので,本ブログではしばしば書いている趣旨の内容です.この意見に対して,「予報用語の見直しに対する主なご意見への回答」に中に言及があり,「当該地方で過去に発生した「○○豪雨に匹敵する大雨」等の表現を用いる。」という部分について,新しい予報用語の指針の中に盛り込んでいただけたようです.取り上げていただけるとはあまり思っていなかったので,少しうれしく思いました.

私も災害に関するアンケートなどで,様々な方の「意見」を聞く機会があります.お恥ずかしいことですが,それらの「意見」に対して,なかなか対応ができないのが現実です.回答者の気持ちをよく考えなければ行けない,と,あらためて肝に銘じました.

地図表示パーツを試してみます

ALPSLABというブログ上に地図を表示するブログパーツを試してみます.

http://www.alpslab.jp/

とりあえず,→の地図で,岩手県立大学の位置にフラグがついているはずです.

地図へのリンク
http://base.alpslab.jp/?s=25000;p=39/47/53.381,141/8/28.602

ブログパーツへの表示,本文中への地図表示,リンク表示と,いろいろやろうとするとちょっと手間がかかりますね,やはり.メルマガにするときのことを考えるから余計な手間がかかるのかも知れませんが.

画像ファイルを貼ると,exifデータを読んで勝手に地図を表示してくれる,などという形になるといいのですが.ブログサービスを変えればできないでもないようなのですが,それも面倒で今のところは手を出していません.

2007年4月 2日 (月)

新年度のスタート

本日4月2日より,2007年度がスタートしました.個人的な変化としては,職名が「助教授」から「准教授」に変わりました.これは,学校教育法の改正による全国的な制度の変化ですので(2007年度から,助教授という職名はなくなりました),私に限った話ではありませんが・・・

そのほかには,これといった変化はありません.新年度も,これまで同様に災害研究に力を注いでいきたいと思っておりますので,皆様よろしくお願いいたします.

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