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2007年7月31日 (火)

改訂・緊急災害調査の心得(1)

◆はじめに

 災害調査とは言っても,調査手法自体は,一般的な地質調査,社会調査などと大きく変わるものではない.個別の調査項目に関する具体的な調査法は,それぞれの専門分野の参考書を参照すればよい.フィールドワークと呼ばれる仕事の経験者であれば,その経験をもとにした災害調査を行うことは技術的には容易であろう.

災害調査が一般的なフィールドワークと異なる点としては,(1)調査の対象となる事象が非常に早いスピードで変化すること,(2)調査対象に関して深刻な利害関係を持った人が数多く存在していること,などがある.すなわち,迅速性が重要であると同時に,慎重な調査姿勢が必要な,やや二律背反的な難しさを持つ調査であると考えてよい.ここでは,研究者・学生などを主な対象として,災害発生直後の調査(緊急災害調査)を中心に,調査時の留意点を整理してみたい.

◆前提の心構え

 特に災害発生直後の被災地において,被災者でもなく,公的機関でもなく,救援関係者でもない,「災害調査を目的とした人間」というのは,率直に言って単なる邪魔者であることを,まず自覚しておくべきである.調査内容によっては,被災者との間にトラブルが生じることも珍しくない.中途半端な気持ちで被災地を訪れるべきではない.現地では種々のトラブルに遭遇することを想定し,少しでも迷惑にならないよう心がけてから調査に取り組むべきである.

 無論,「被災者でもなく,公的機関でもなく,救援関係者でもない,災害調査を目的とした人間」も,明日の防災のためには必要な存在である.回りからの白い目に耐え,「自分は邪魔者である」という自責の念と戦いながら,「自分にしかできないこと」を遂行する使命感は持たなければならない.

災害調査法

最近,災害調査や,災害に関連する調査研究の「やり方」を人に説明する機会が増えてきました.断片的なメモを作ったりすることもありますので,ブログ上でも「災害調査法」に関するメモを作っていこうかと思います.想定される内容は,調査道具の紹介,調査手法の紹介などです.

まずは「概論」がほしいところです.少し昔になりますが,

牛山素行,2001,緊急災害調査の心得,月刊地理,古今書院,Vol.46,No.4,p.10-16

として書いたものがありますので,これをもとに,現在は事情が変わったところや,私自身の考え方が変わったところを加筆修正して紹介したいと思います.

2007年7月19日 (木)

新潟県中越沖地震と携帯

新潟県中越沖地震については,情報収集は行っていますが,特に詳しく調べを進める予定はありません.

この災害で,筆者の専門に関わることで気になったこととしては,携帯電話に関する状況が挙げられます.今回の災害では,基地局自体の被災・停電により,音声通話,メール共に使えなくなる状況が発生しました.7月17日配信の時事通信によると,

「ソフトバンクモバイルでは、電話の電波を中継する基地局計90カ所が機能しなくなり、新潟県13市2町3村と長野県6市3村の一部で会話、パケット通信ともできなくなった。」
「NTTドコモでは、新潟県柏崎市の9つの基地局が、停電が原因とみられる障害で停止し、同市の一部で携帯電話が全くつながらなくなった。「au」ブランドのKDDIも3基地局が稼働停止に追い込まれ、新潟県上越、柏崎両市の一部で不通になった。」

とのことでした.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070717-00000002-jij-soci

「災害時に携帯メールは強い」という認識が,一部かなり強く出回っていると感じます.音声通話とパケット通信が切り分けられているので,輻輳の影響を受けにくいということで,2004年の新潟県中越地震の時にほとんど問題がなかったとも言われます(ただし,その後の第3世代機ではau以外では切り分けができなくなったともいわれます).

新潟県中越地震の被災地に学ぶ“強い通信”の実際
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20041113/152537/?ST=bcp

関東の震度5強で露呈した携帯電話の弱点
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050801/165634/

災害時の携帯メールのことについては,これまでにも何度か書いてきましたが,「音声通話よりましで,送信に成功すればいつかは届く」事は確かですが,けっして「普段通りに使える」とは考えられません.

8月16日宮城県沖の地震時の情報利用に関する調査結果(速報)について
http://www.disaster-i.net/disaster/20050816/050905rs.pdf

また,音声・パケットの切り分けがどうこうに関わらず,基地局に被害(あるいは停電)が発生してしまえば,使えなくなってしまいます.今回の事例は,報道で見る限り,基地局に各種の障害が生じ,通信が確保できなくなったものと思われます.予想外でも何でもない,当たり前のことが起こったと思っています.

携帯メールは,災害時の情報伝達手段の有力な一つであることは間違いありません.特に,緊急の状態を脱した後の復旧,復興過程では有効だと考えています.しかし,あくまでも「手段の一つ」です.

  • 災害時の携帯メールは,「普段と全く同様にスムースに使える」事は期待できません
  • 基地局が被災すれば,復旧までの間,完全に使えなくなります.

こんな当たり前のことに目をつぶって,「災害時に携帯メールは強い」などという希望的観測を信じる人がなぜいるのか,筆者には本当によく分かりません.

2007年7月18日 (水)

地図+写真の表示

以前から,災害調査報告ページにもう少し効果的に地図を入れたいと思い,いろいろと試していましたが,中越沖地震のレポートなどをみて,今はgooglemapsが良さそうだと感じ,試作してみました.あまりgoogleにとりこまれていくのはどうかとも思うのではありますが.

2006年8月18日岩手県雫石町土石流に関するメモ
http://www.disaster-i.net/disaster/20060818/

昨年の岩手山御神坂土石流のページです.トップページにgooglemapsを使った位置図を入れると共に,現地踏査写真を地図上に展開してみました.

http://www.disaster-i.net/disaster/20060818/Omisaka.html

googlemapsは奥が深くてまだよく分からないのですが,当面必要と思われる情報表示はできたように思います.

2007年7月17日 (火)

梅雨前線及び台風4号による豪雨・追記

梅雨前線及び台風4号による豪雨について,「AMeDAS最大値を更新した観測所が多くなかった」と指摘しました.今回の更新観測所数は,

1時間:8箇所,24時間:5箇所,48時間:4箇所

でした.あるいは,「最近豪雨が多いから,更新されにくくなっているのではないか?」と思われるかも知れません.そこで,「2000年以降に第1位が記録され,2007年7月に第2位を記録した観測所数(統計期間20年以上)」を集計したところ,1時間:2箇所,24時間:3箇所,48時間:7箇所,が確認されました.したがって,これらの観測所で2000年以降に豪雨が発生していなかったとすると(かなり無理のある想定ですが),今回の事例での記録更新箇所数は,

1時間:10箇所,24時間:8箇所,48時間:11箇所

となります.これでも,けして多いわけではありません.たとえば,

2006/7/17~23に降水量最大値を更新したAMeDAS観測所
http://www.disaster-i.net/disaster/20060719/pre11.html

のような例は少なくありません.

また,これらの観測所はいずれも別々の観測所であり,「1時間降水量も24時間降水量も更新した」とか,「24時間も48時間も更新した」という観測所はほとんど増えません(24時間と48時間の更新観測所が1箇所増えるのみ).

見方を少し変えても,「AMeDAS最大値を更新した観測所が多くなかった」という傾向は変わらないように思えます.

梅雨前線及び台風4号による豪雨・人的被害

梅雨前線及び台風4号による人的被害についての情報(ニュース記事等)を整理してみました.7/15付け本欄でも挙げたように,今回の災害による死者は5名,行方不明者は1名とされています.

筆者は,近年の豪雨災害による人的被害に関する情報を集積,整理しています.最近のまとまった文献としては下記があります.

牛山素行・國分和香那,2007:平成18年7月豪雨による人的被害の分類,水工学論文集(CD-ROM),No.51,pp.565-570.
http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/20070308_0095.pdf

今回の事例における死者5名は,いずれも当方の分類で言うところの「事故型」,すなわち「移動や避難の目的ではなく,自らの意志で危険な場所に接近したことにより,溺れる,または生き埋めになるなどして死亡した者」でした.単なる災害情報の伝達では解決しにくいタイプの遭難形態です.

今回の犠牲者のうち1名は,冠水した橋の通行止め標識を設置しようとして川に転落した,熊本市職員の方です.殉職,といってよいでしょう.最近の豪雨災害での殉職者例としては,2004年台風23号による,2004年10月20日の京都府京丹後市での洪水に流されたと見られる警察官や,2003年7月20日の熊本県水俣市での避難誘導中に土石流に巻き込まれた消防団員などが挙げられます.危険を冒して責務を果たしている方達が,常にたくさんいることを,私たちは忘れてはいけないと思います.

2007年7月15日 (日)

梅雨前線及び台風4号による豪雨

200707141224h_2 200707131224h200707151224h_1   先週末(7/6頃)から,西日本を中心に,梅雨前線の活動により断続的に豪雨が発生していました.また,13日頃からは,台風4号の接近により,梅雨前線の活動が活発化すると共に,台風本体による降雨も続きました.

梅雨前線および台風4号による一連の豪雨等による被害は,7月15日17時40分発表の総務省消防庁の「平成19年7月5日からの梅雨前線及び台風による被害状況(第15報)」によると,死者・不明者6名,住家の全壊18棟,半壊18棟,一部損壊168棟,床上浸水205棟,床下浸水1610棟となっています.

消防庁災害情報(リンク先のファイルは順次更新されます)
http://www.fdma.go.jp/detail/742.html

災害は当事者にとっては「被災した」か「被災しなかったか」の決定的に異なる二つのうちのどちらかであり,その災害事例全体としての「規模」はあまり関係がありません.外野の観察者が災害の「規模」をうんぬん言うのは,当事者にとっては不愉快なことであろう事は重々承知しています.その上で,いささかの後ろめたさを感じつつ書きますが,今回の豪雨による被害は,比較的大きくならなかったように思われます.

最近20年間(1986年以降)の全国主要豪雨災害・全国イベント別
http://www.disaster-i.net/disaster/20060719/d-table.html

人的被害は6名で,ここ数年の豪雨災害の中でも特筆されるような規模ではありません.また,今のところ全てが「河川または用水路に転落」という遭難形態であり,災害をもたらす外力そのもの(ハザード.例えば,洪水や土石流など)による犠牲者ではないようです.

「早期の避難の効果で人的被害が軽減されたのでは?」という見方もあるかも知れませんが,全壊家屋数(屋内に人がいれば人的被害に結びつく可能性がある),浸水家屋数なども,いまのところ近年の事例と比較して目立って多いということはなく,「人はうまく逃げたが,家屋の被害は甚大であった」という状況であるようにも思われません.このあたりは,今後数が増えてくる可能性もありますので断言はできませんが.

実は,外力そのもの(ここでは降水量だけに注目します)もそれほどまでは大きなものではありませんでした.

降水量最大値を更新したAMeDAS観測所
7月11日
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~ushiyama/rain/efile/2007/07/11/now-e.html
7月12日
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~ushiyama/rain/efile/2007/07/12/now-e.html
7月13日
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~ushiyama/rain/efile/2007/07/13/now-e.html
7月14日
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~ushiyama/rain/efile/2007/07/14/now-e.html
7月15日
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~ushiyama/rain/efile/2007/07/15/now-e.html

上記期間中の更新観測所数(統計期間20年以上)は,
1時間:8箇所,24時間:5箇所,48時間:4箇所,72時間:1箇所
となっており,近年の豪雨事例と比べてけして多くありません.また,複数の長さの降水量を記録したところはかなり少なく,24時間降水量と48時間降水量を更新したのが高知県の窪川と千葉県の勝浦の2箇所,1時間と24時間を更新したのが宮崎県の西都の1箇所でした.

あえて言うとすれば,(特に陸上での)外力が比較的大きくならず,そのことも手伝って,被害もそれほどは大きくならなかった,というのが今回の事例の特徴ではないでしょうか.

無論,これはあくまでも結果論です.たとえば,九州南部で豪雨が続いていた頃,レーダーで見ていますと,海上に優勢な豪雨域があるが,陸地にはその一部しかかかっていない,といった状況が見られましたが,これなど,あと少し雨域がずれていれば結果が大きく変わった可能性があります.

「最強の台風」と盛んに言われましたが,まずそもそも「(7月としては)最強の台風」です.

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070715-00000015-maip-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070715-00000006-mai-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070715-00000000-maip-soci

そして,その台風によってもたらされた外力は,近年の豪雨事例と比べてもけして「記録的」と言えるほどのものではありませんでした.その結果の被害です.「最強の台風なのにこの程度の被害って,気象庁は大げさじゃないの」とか,「最強の台風なのに対策が進んでこの程度の被害ですんだ」とかいった印象が出てくることを懸念しています.

2007年7月12日 (木)

消防協会にて講演

昨日7月11日,岩手県消防協会からのご依頼により,平成19年度東北地区消防連絡協議会にて,「災害情報をめぐる最近の課題」のタイトルで講演をさせていただきました.

主な内容を下記にあげておきます.

  • 情報が整備されても,認知されない
  • 認知されても,利用されない
  • 緊急時に機能しない
  • 利用者の情報依存,情報待ち
  • 情報の質に対する誤解

2007年7月 9日 (月)

土砂災害警戒情報に関する報道

土砂災害警戒情報に関する当方のコメントが,本日7月9日18時10分からの,NHK盛岡放送局「おばんですいわて」の中で取り上げられました.

テレビですので,番組中でのコメントは短くなっていましたが,この情報について私が挙げておきたい留意点は次のとおりです.

  • 土砂災害警戒情報は「大雨警報」を補強する情報です
  • 「地域ごとの雨の降り方の違い」は考慮されています
  • 発表されるのは市町村単位です
  • 市町村内のどのあたりが要警戒かは,「補足情報」で見当をつけますが,メッシュ一つ一つを細かく見て,「このメッシュは危険,このメッシュは安全」などのような見方をすることは適切ではありません.
  • 細かな危険箇所の特定には,土砂災害警戒情報(動的な情報)と,既存の土砂災害特別警戒区域(静的な情報)などの情報を生かしましょう.
  • 土砂災害特別警戒区域,急傾斜崩壊危険箇所,土石流危険渓流などの指定は,地形特性を元に行われています.「これまで土砂災害がなかった」と思われている地域でも,地形的に土砂災害の危険性がある場所はこれらの危険区域に指定されています.過去の経験,伝承「だけ」に頼らず,注意しましょう.
  • 人が死ぬような現象だけを予測しているわけではありません.道路が片側交互通行となるような崩壊が発生すれば,十分「当たり」となります
  • 地すべりのような,長時間にわたって活動する土砂移動現象を警告するものではありません

関連資料を下記にも掲示しています(再掲).
http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/20070220.pdf

2007年7月 7日 (土)

九州方面での豪雨

200707071224h 7月6日より,熊本県などを中心に,梅雨前線の活動によりやや強い雨が続いています.量的に降水量が多いところとしては,7日16時20分現在の72時間降水量が,熊本県の俵山で529mm,阿蘇山で419mm,甲佐で416mmなどとなっています.値だけ見ますと大きそうですが,ちなみに俵山の72時間降水量上位記録は下記のようになっています.

725mm 1987/7/20
704mm 1997/7/10
656mm 1982/7/14
降水量の「激しさ」を,絶対量だけで理解できないことがよく分かると思います.また,豪雨はここ数年に起こってばかりいるわけではないこともよく分かると思います.

今回の豪雨によるAMeDAS観測所の観測開始以降(1979年以降,統計期間20年以上)最大記録を更新した観測所数は,7日16時現在で以下の通りです.

7月6日 1時間:1 2時間:2 24時間:0 48時間:0 72時間:0
7月7日 1時間:1 2時間:0 24時間:2 48時間:0 72時間:0

詳細は下記からもご覧いただけます.ただし,7日分は7月8日02時頃以降にご覧いただけます.
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~ushiyama/rain/efile/2007/07/06/now-e.html
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~ushiyama/rain/efile/2007/07/07/now-e.html

6日に1時間降水量を更新したのが熊本県の大金峰,2時間降水量を更新したのが大金峰と甲佐です.7日の24時間降水量の更新も甲佐です.AMeDAS観測所の位置は,ネット上では気象庁のページ,

http://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/map62.html

が見やすいでしょう.いずれの観測所も,上で挙げたもっとも量的に多い降水が記録された俵山とは別の場所であることがわかると思います.

被害状況は,消防庁の7日18時の資料によると,熊本県を中心に,死者不明者1(愛媛県),全壊5,半壊1,床上浸水36棟,床下浸水451棟とのこと.テレビでは,孤立した集落からの救出の様子がよく伝えられていますが,これは熊本県美里町のようです.7日10時0分付けの毎日新聞によると,「熊本県中部の美里町早楠、坂本、洞岳、葛之尾地区では計約130世帯が橋の流失などで孤立」とのことです.

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070707-00000000-maip-soci

地図で見ると,これらの地区は,緑川水系の上流域で,南北方向に流れる小さな谷が東西方向に並ぶ,別々の流域に位置しており,どこか一カ所の主要な道がとぎれたのではなく,複数の箇所で崩壊,落橋などが発生した状況かと思われます.


http://base.alpslab.jp/?s=250000;p=32/35/14.26,130/53/24.2

熊本日日新聞にも記事があります(無料登録制)

http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20070707200028&cid=main

これによると,家屋の損壊,浸水などの被害が出ているのも,やはり緑川流域の山都町,美里町,甲佐町,熊本市など(熊本市は緑川流域だけではありませんが)が中心のようです.

先に挙げたAMeDAS大金峰,甲佐は美里町の近傍です.降水量が単に多かったところではなく,「その地域にとって激しい降水量が記録されたところ」で災害が発生したことを示しているように思えます.このことは珍しいことでも何でもなく,いつもいつも繰り返されている,ごく当たり前のことです.本欄ではしつこいくらい述べていますが,降水量は,量そのものではなく,「その地域にとってどの程度激しいか」を見ましょう.それを見るための情報はもういろいろとあります.

「一日に**ミリ以上降ったら災害が起こりやすい」などといった,一見わかりやすそうだけど的外れな「教訓」は,もうやめていただきたいものです.


気象協会にて講演

7月5日,仙台市の日本気象協会東北支局において,「自然災害科学入門」と題して講演をさせていただきました.内容は,当方が大学の講義で行っている内容の一部で,自然災害の基本構造についてのものです.本年度中に,同様な趣旨で後2回ほど講演させていただく予定になっております.

気象協会は,今や日本を代表する民間気象会社です.気象情報そのものを仕事,ビジネスの材料とされている技術者の皆様と意見交換ができ,大変有意義なひとときでした.

2007年7月 4日 (水)

災害情報協議会

本日7月4日,盛岡市内にて「(岩手県)災害情報協議会」が開催されました.国土交通省岩手河川国道事務所,盛岡地方気象台,岩手県などと,岩手県内各市町村の防災担当者が集まり,主に気象災害時の情報について,最近の動きや,事例報告などの情報交換を行う会合です.

  • 平成18年10月6~8日災害における各情報の伝達状況確認
  • 平成19年1月13日津波による避難勧告に対する住民アンケート結果報告
  • 災害情報等に関する連絡事項(市街地における想定浸水深等の表示の推進について,緊急地震速報について,など)

などの話題が紹介されました.

牛山は,アドバイザーとして参加し,いくつかのコメントを行ったほか,「平成18年7月豪雨による災害と災害情報」のタイトルで話題提供も行いました.

2007年7月 2日 (月)

アジア土木技術国際会議

第4回 アジア土木技術国際会議(4thCECAR)が,6月25~28日にかけ,台北で行われました.

アジア土木学協会連合協議会担当委員会(土木学会内) http://www.jsce.or.jp/committee/acecc/4thcecar/index.htm

4th CECAR (台湾)
http://www.elitepco.com.tw/4cecar/

牛山は,An analysis of human damage caused by recent heavy rainfall disasters in Japanというタイトルで発表しました.Proceedingsの内容を以下に公開します.

http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/T4A-3.pdf

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