暴風域の「赤い円」だけに注目しないで
台風0709号が本州中部に接近中です.
台風接近時の報道を見るたびに思うことなのですが,
「暴風域の『赤い円』ばかりが強調されるのはなんとかならないものか」
,と思います.少し時間が違いますが,ちょうど,下記ページにレーダーによる降雨域の画像と,台風の暴風域や進路予想の図が並んで表記されています.
チーム森田の“天気で斬る!”
http://blogs.yahoo.co.jp/wth_map/49220559.html
http://blogs.yahoo.co.jp/wth_map/49217220.html
見比べると一目瞭然ですが・・・
●暴風域=豪雨域ではありません●
●豪雨域は台風の中心よりずっとはなれています●
これらは,今回の台風の特徴ではなく,台風が日本列島付近に近づいた場合は,多くの場合このような状況が見られます.
そして,人が死ぬのは,強風より,おもに豪雨(による土砂災害や洪水)です.
牛山素行,2005:2004年台風23号による人的被害の特徴,自然災害科学,Vol.24, No.3, pp.257-265.
http://www.disaster-i.net/notes/2005JSNDS-t23hd.pdf牛山素行・國分和香那,2007:平成18年7月豪雨による人的被害の分類,水工 学論文集(CD-ROM),No.51,pp.565-570.
http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/20070308_0095.pdf
天気図しかなかった時代ならいざ知らず,今は,衛星画像でも,レーダーでも,いくらでも情報があります.それなのに,「赤い円」ばかりが気にかけられる状況は何とかならないものか,と思います.
被害が広がらないことを祈っています.
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