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2007年11月22日 (木)

災害情報学会の予稿を公開しました

11/16~17に行われた,日本災害情報学会で発表した2件(1件は当研究室の学生による発表)について,予稿集の原稿を公開しました.

牛山素行・國分和香那・吉田亜里紗,リアルタイム雨量・水位情報に対するインターネット利用者の認識,日本災害情報学会第9回研究発表大会予稿集,pp.245-248.
http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/2007JSDIS.pdf
【要点】

  • 雨量,水位情報に関するネットアンケートの結果
  • 詳細な雨量,水位情報がネット公開されているが,1割程度の人にしか認知されておらず,3年前と比べてもほとんど変化がない.
  • このような情報に対して強い利用意向を持つ回答者は1割程度.情報が公開されていることが周知されたとしても,それを利用する人が多数派にはならないことを示唆.
  • 「空振りとなってもよいので避難勧告は早めに出すべき」と考える人が8割程度.

國分和香那・牛山素行,2006年10月北日本豪雨災害時の住民による防災情報利用実態,日本災害情報学会第9回研究発表大会予稿集,pp.239-244.
http://disaster-i.la.coocan.jp/notes/2007JSDIS_K.pdf
【要点】

  • 2006年の豪雨によって被害を受けた,北海道内3市町と葛巻町の住民(避難勧告対象世帯)対象調査の結果
  • 各地区共に避難率が5割を越え,高い避難率.避難勧告も9割以上が認知.伝達に問題なし.
  • 避難した人の9割以上が避難勧告後の避難.避難の決め手として最も多いのは避難勧告.避難勧告という情報が頼りにされている.
  • 「空振りとなってもよいので避難勧告は早めに出すべき」と考える人が8割程度.

「避難勧告空振り容認の意見が,異なる調査対象においても,意外に多い」というのが興味深い点かと思います.無論,安易な避難勧告に問題があることは確かですが,「空振り批判」を過度に恐れなくてもよいのかも知れません.

このあたりは,同学会でもたまたま類似の調査報告がありました.今後,更に検証を進めたい課題です.

2007年11月21日 (水)

NHK盛岡で報道されました

My_documentspdvd_003 11月16日(金)7:30~の,NHK盛岡放送局「おはよういわて」のなかで,当方の研究内容が報道されました.ニュースの一つとして伝えられ,「空振りでも避難勧告を」のタイトルがつけられていました.

内容は,11月17日に日本災害情報学会で発表した,「リアルタイム雨量・水位情報に対するインターネット利用者の認識」,「2006年10月北日本豪雨災害時の住民による防災情報利用実態」の2題の発表内容の一部です.

2007年11月11日 (日)

盛岡市内で講演

昨日11月10日,盛岡市内で,総務省消防庁・岩手県主催による「地域安心安全ステーション出前講座」が開催され,牛山は講演をさせていただきました.

主な内容は以下の通りでした.

地域安心安全ステーション事業について
  消防庁防災課
実践報告「地域の安心安全を守るために」
 報告/清水 實氏(埼玉県富士見市水谷東小学校区自主防災会連絡会代表幹事)
講演「災害情報を生かす」
 講師/牛山素行(岩手県立大学総合政策学部准教授)

今回は,「座学だけでなく,何か演習的な内容を」というお題をいただきました.いろいろと悩んだのですが,結局盛岡市中心部の1:2500(1:25,000ではありません)白地図を配布し,その中にある標高点を色鉛筆で塗り分けていただく,という内容を盛り込みました.

地盤高の微妙な高低は,日常生活の中ではほとんど意識しませんが,1m違うと,浸水したときには被害に大きな差が出ます.津波でも,土砂災害でも,「相対的に低いところ」は,「相対的に脆弱性が高い」と言って,それほど大きな間違いはありません.その意味で,「細かな標高の読み取り」という作業は,簡単にできる割には,多くの知識を与えてくれます.

無論,「×m以上は安全」といった誤解が生じないように気をつけならないなど,課題は多くありますが,単なる思いつきで「地域の防災上の課題」を話し合うなどの行為よりはずっと建設的だと思うのですが,さて,いかがでしょうか.

2007年11月 5日 (月)

災害情報学会で発表の予定

少し先になりますが,11月16日~17日の2日間,長崎県島原市にて,日本災害情報学会第9回学会大会が行われます.

日本災害情報学会
http://www.jasdis.gr.jp/
大会プログラム[PDF]
http://www.jasdis.gr.jp/09program.pdf

牛山は,17日に「リアルタイム雨量・水位情報に対するインターネット利用者の認識」というタイトルで発表予定です.また,当研究室の学生が,「2006年10月北日本豪雨災害時の住民による防災情報利用実態」というタイトルで発表予定です.

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