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2008年7月28日 (月)

住民地震セミナー

昨日7月27日,一関市で開催された地震学会主催によるセミナーに参加してきました.概要は以下の通り.

(社)日本地震学会 平成20年岩手・宮城内陸地震
住民地震セミナー
この地震で「分かっていたこと」「分かったこと」「分からないこと」

プログラム
第一部 分かっていたこと、分かったこと、分かっていないこと
説明者
武村 雅之 鹿島建設小堀研究室プリンシパルリサーチャー(東北大出身)
佐藤 比呂志 東京大学地震研究所地震予知研究推進センター教授(東北大出身)
松澤 暢 東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター教授

第2部 地震についての疑問・質問コーナー
答える人
佐藤、松澤、武村
島崎 邦彦 東京大学地震研究所教授(日本地震学会前会長、地震調査委員会長期評価部会長)
平原 和朗 京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻教授
西村 太志 東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻准教授ほか、地震学会関係者

地震研究者が,広く一般を対象に,今回の地震についての説明を行い,質問に答えるという企画です.26日には全く同じ内容で栗原市でも行われたのですが,私は一関のみに参加しました.

この種の企画は非常に珍しいもので,内容そのものよりも,企画全体がどのように進むかの方に実は興味をひかれていました.「質問コーナー」では,あらかじめ募集されていた質問にまずコメントした後で,会場からの質問を受ける形で行われました.質問コーナー全体で1時間ほど,会場からの質疑は30分ほどでした.

当日の会場からも活発な質問があり,それに対して「答える人」たちが丁寧に対応されていました.よくわからないことは言葉を濁すのではなく,「よくわからない」と明言することが重要だということをあらためて感じました.

たいへんおもしろい企画だったと思います.「べき論」だけでいえば,このような企画は「積極的に行うべき」ということになるでしょう.ただ,地震専門家が地震について語るという,自然科学的要素の大きい内容だったから比較的スムースにいったようにも思います.あらゆる災害に関する話題について同様な企画を行うとすれば,そこには様々な問題がありそうです.

けっしてこのような企画を否定しているわけではありません.ただ,私に関わりが深い分野でこのような企画を行うことは短期的には難しいと思われます.このような企画を行うためにはどのような準備,工夫が必要かを考えていくことが,私にとっては第一歩のように思います.

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