このたび,古今書院から「豪雨の災害情報学」という本を出すことになりました.
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書 名:豪雨の災害情報学
著 者:牛山素行(岩手県立大学)
発 行 所:古今書院 http://www.kokon.co.jp/
*トップページのカバーをクリックすると、内容紹介に入れます。
発 行 日:2008年10月10日
本体価格:\3,500(税込 \3,675)
図書符号:ISBN 978-4-7722-3114-5
備 考:A5判 180ページ
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牛山がこれまでに行ってきた豪雨災害に関する研究の中から,主なものを取り上げ,整理したものです.
- ・過去の災害事例にもっと目を向けよう
- ・災害情報は整備しただけでは使われず,生かされない
- ・災害情報による減災効果は残念ながら限定的
など,牛山が日頃から強調していることの背景となった調査結果を紹介しています.内容は,これまでに学術論文などで発表した原稿を整理したものが中心となっていますが,状況が変わっているものは書きあらためるなどしています.特に第1章は,牛山が考える「豪雨災害情報」という概念を紹介するために,書き下ろしたものです.
少々お値段が高くなりまして恐縮ですが,以下の方法で注文すると,著者の紹介ということで,著者割引(2割引)+ 送料無料 (税込 \2,940) で購入できます.
【申込方法】
この本の編集担当の 関 秀明 さんまでメールにて御連絡下さい.メールの件名は「豪雨の災害情報学 注文」としてください.
seki@kokon.co.jp
割引条件は、著者の紹介かつ以下の注文フォームを利用した場合に限ります.
-----【注文フォーム】-----
1. この情報を知った媒体名を以下から選んでください
(a)disaster-i.net(牛山のホームページ)
(b)disaster-i.net News・ある自然災害科学研究者の活動(牛山のメールマガジン)
(c)豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館(牛山のブログ)
(d)各種メーリングリスト[ML名 ]
(e)牛山個人からの紹介
2. 送付先
郵便番号:
住所:
電話番号:
※メール便にて届きます
3. 注文の書名・冊数
『豪雨の災害情報学』 冊
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・注文受付時に返信メールが届きます。
・代金は、本に同封されてくる郵便振替用紙で後払いになります。1週間以内に古今書院様に送金願います。
●『豪雨の災害情報学』目次
第1章 豪雨災害と災害情報に関する基礎的概念
1.1 自然災害の構造
1.1.1 HazardとDisaster
1.1.2 素因と誘因
1.1.3 災害のライフサイクル
1.2 防災の構造
1.2.1 防災・減災
1.2.2 ハード防災とソフト防災
1.2.3 ハード防災とソフト防災の決定的相違
1.3 災害情報の基礎的概念
1.3.1 災害情報と災害情報学
1.3.2 情報の位置付けと災害情報
1.3.3 情報の価値と災害情報
1.3.4 災害情報の価値は相対的かつ個別的
1.3.5 災害情報の価値は組織化によって増大する
1.3.6 災害情報の価値は周知によって低下する
1.4 豪雨災害情報
1.4.1 豪雨災害と豪雨災害情報
1.4.2 観測値・統計などの情報
1.4.3 警告的な情報(warning)
1.4.4 災害の素因や災害への対応に関わる情報
1.4.5 人の知識や経験に関わる情報
1.4.6 情報伝達システム
1.5 まとめ
第2章 73年前にもあった豪雨
2.1 1999年広島豪雨災害
2.1.1 概要
2.1.2 降水量の特徴
2.1.3 被害の特徴
2.2 広島市周辺における降水量の経年変動
2.2.1 検討の方針
2.2.2 利用資料についての検討
2.2.3 暖候期降水量の経年変動
2.2.4 豪雨の発生傾向
2.3 既往豪雨災害記録からの豪雨事例の抽出
2.4 本章のまとめ
2.5 補足
第3章 認知されない・使われないリアルタイム水文情報
3.1 2002年頃の豪雨災害情報を巡る情勢
3.2 2002年台風6号豪雨災害
3.2.1 総観気象の概要
3.2.2 降水量の特徴
3.2.3 全国の被害概要
3.2.4 岩手県東山町付近の浸水災害
3.3 市町村におけるリアルタイム雨量・水位情報の利用に関する調査
3.3.1 調査手法
3.3.2 雨量・水位等の情報取得・利用状況
3.3.3 土砂災害危険度表示システムの認知
3.4 岩手県東山町・川崎村における住民の防災行動に関する調査
3.4.1 調査手法
3.4.2 住民の水害経験
3.4.3 避難の状況
3.4.4 家財の保全行動
3.4.5 リアルタイム雨量・水位情報の利用実態
3.4.6 雨量・水位情報の取得と被害軽減行動
3.4.7 ハザードマップに対する評価
3.5 本章のまとめ
第4章 リアルタイム水文情報の具体的活用例を初確認
4.1 2003年7月19日~21日の九州における豪雨災害
4.1.1 概要
4.1.2 降水量の特徴
4.1.3 7月19日九州北部の豪雨
4.1.4 7月20日熊本県南部付近の豪雨
4.1.5 全国の被害状況
4.1.6 福岡県内の被害状況
4.1.7 熊本県水俣市における被害状況
4.2 リアルタイム雨量・水位情報を活用した減災例
4.2.1 福岡市博多駅前のホテルにおける防災対応
4.2.2 福岡市防災対策ホームページ
4.2.3 水俣市の事例との対比
4.3 本章のまとめ
第5章 情報による減災効果の限界
5.1 本災害の概要と人的被害原因解析の意義
5.2 2004年台風23号による豪雨災害
5.2.1 総観気象状態の概要
5.2.2 10月20~21日の降水量の特徴
5.2.3 被害状況
5.3 人的被害の特徴と災害情報による減災効果の推定
5.3.1 調査手法
5.3.2 死者・行方不明者発生場所の特定
5.3.3 死者・行方不明者の発生原因
5.3.4 死者・行方不明者発生原因と年代・性別・被災場所
5.3.5 防災情報による減災の可能性
5.4 本章のまとめ
第6章 避難により人的被害はまぬがれたが
6.1 本災害の概要と日之影町の事例に着目する意味
6.2 2005年台風14号および前線による豪雨災害
6.2.1 総観気象状態の特徴
6.2.2 降水量の特徴
6.2.3 被害の概要
6.2.4 人的被害の特徴
6.2.5 機能した宮崎市災害掲示板
6.3 宮崎県日之影町における被害軽減とその背景
6.3.1 調査手法
6.3.2 日之影町御影地区の被災状況
6.3.3 降水量と大雨警報・記録的短時間大雨情報
6.3.4 大雨警報[重要変更]
6.3.5 水位情報
6.3.6 災害対策本部設置と避難勧告
6.3.7 避難行動と消防団の活動
6.3.8 ハザードマップ等の整備状況
6.3.9 集落の歴史と災害経験
6.3.10 その他の特記事項
6.4 本章のまとめ
第7章 災害情報研究のこれから
7.1 ハード対策とソフト対策の構造的相違をまず意識しよう
7.2 災害情報は公開しただけでは効果を発揮しない
7.3 災害情報は認知されただけでは活用されない
7.4 「分かりやすい情報」・「高精度な情報」が減災に直結しない
7.5 災害情報によって軽減できる被害は限られる
7.6 ますます重要になる「限界の説明」
7.7 長い眼でみることの重要性
7.8 災害情報という「防災対策」はじつにやっかいな代物
7.9 では「災害情報」はどこへ行くべきか