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2008年10月24日 (金)

陸前高田市防災意識に関する調査の報告書を公開

岩手県陸前高田市気仙町地区の全世帯を対象に実施した,災害に関する意識などについてのアンケート調査の結果概要を報告書として公開いたしました.

岩手県陸前高田市気仙町地区における防災意識に関する調査
http://disaster-i.net/notes/081031report.pdf

なお,アンケートの果然回答者のみなさんにも配布した,2ページの概要版も公開しました.
http://disaster-i.net/notes/081031report_2.pdf

この調査は,岩手県大船渡地方振興局との共同調査として実施したものです.主な注目点を以下に示します.

  • 自宅が自然災害によって被害を受ける可能性については,地震,津波で危険側の回答が約4割,大雨・洪水,がけ崩れ・土石流で約3割だった.一般的な地区と比べれば危険側の回答が多いが,対象地区では主要集落のほとんどが津波浸水想定区域であり,洪水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域なども多いことを考えると,自然災害に対してやや楽観観的な見通しが持たれていることが示唆される.
  • 明治三陸地震津波,昭和三陸地震津波,チリ地震津波についてのイメージを尋ねたところ,古い時代の災害ほど,具体的なイメージを持つ回答者(量的な被害を挙げる回答)が少なくなった.また,3事例ともに中高生の方が具体的なイメージを持つ回答者が少ない.明治三陸地震津波では,中高生の35.3%が「名前も聞いたことがない」と回答した.
  • 「強い地震の後に『津波警報』が発表された」場合に「すぐ避難する」という回答者は38.6%,「強い地震の後に『避難勧告』が発表された」で61.0%だった.対象地区の場合,津波警報の発表は,状況の切迫性が高く,かつかなり深刻な状況であるが,すぐに避難行動を起こす人は半数に満たないようである.
  • 何メートルの津波予報が発表されたら避難するかを尋ねたところ,津波注意報や,津波警報(津波)に相当する2m以下の津波予報で避難する人は20.3%,極度に大きな値である「10m以上」の値を挙げる人も25.1%に上った.

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