静岡市で講演
(※後日記録したものです)
11月29日,静岡市で下記の講演を行いました.
「しずおか防災地域連携土曜セミナー」
主催:静岡県・静岡大学防災総合センター
演題:豪雨防災情報を生かす
-少し違った角度から災害を見る-
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(※後日記録したものです)
11月29日,静岡市で下記の講演を行いました.
「しずおか防災地域連携土曜セミナー」
主催:静岡県・静岡大学防災総合センター
演題:豪雨防災情報を生かす
-少し違った角度から災害を見る-
(※後日記録したものです)
11月24日,山形県新庄市で,下記の講演を行いました.
「自主防災組織の充実・強化に向けた出前講座〈山形会場〉」
主催:総務省消防庁,山形県
演題:災害情報を生かす
11月17日付朝日新聞岩手面の下記記事中で,当方のコメントが報道されました.
備えよ 宮城県沖地震
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000000811170005
web版にも載っていますが,すぐ消えてしまうでしょうから,関係する部分を引用しておきます.10月31日に自衛隊が中心となって行われた宮城県沖地震想定の大規模実働訓練を紹介した後に出てくる記事です.
だが、牛山素行・県立大准教授(災害情報学)によると、沿岸地区住民の中でも避難する基準はまちまちだ。
津波で浸水する危険の高い陸前高田市気仙町の998世帯を対象に、2月にアンケートを実施した(回収率87.5%)。それによると、津波予報の高さが「0~2メートルで避難する」と答えた人は全体の5分の1程度にとどまった=円グラフ。
牛山准教授は、予報が2メートルでも、実際は山地に波がぶつかってのぼるため、到達標高はもっと高くなると指摘。平地の場合でも、「たと え50センチの波でも体にぶつかれば自由がきかなくなり、おぼれてしまう。1メートルだとまず助からない。流れのある水はとても怖い」と警告する。
さらに、津波の脅威は伝わる速さにもある。沖ではジェット機並み、海岸近くでも電車並みの速度という。津波は地震発生から10分ほどで陸に到達することもあり、「波が陸に近づいてから走って逃げるのでは、間に合わない」。
それではどう備えればいいのか。
牛山准教授は、少しでも津波の不安を感じたら、注意報や警報の発令を待たず、迅速に高台やビルなど壊れにくい建物に逃げることだという。そのためには、普段から避難場所と経路を確認しておくことが欠かせない。
1960年のチリ地震津波で家がつぶれた同市米崎町の主婦(70)は「この辺りでは地震といえば津波。避難所の中学校に逃げる訓練をしたり、寄り合いで注意を呼びかけたりしています」と話す。
牛山准教授は「沿岸に限らずどこでも、津波や土砂崩れといった非常時に自分の家がどのような危険にさらされるのかを、個別に確認してほしい」と呼びかけている。
下記の報告書を公開しました.
大雨による災害と防災情報に関するアンケート 報告書
http://disaster-i.net/notes/081119report.pdf
内容は目新しいものではなく,2007年2月にインターネットアンケートで調査した結果で,
牛山素行・吉田亜里紗・國分和香那,2008:豪雨防災情報に対するインターネット利用者の認識,水工学論文集(CD-ROM),No.52,pp.445-450
http://disaster-i.net/notes/20080305_0075.pdf
としてすでに公表した論文に,素集計表を添付したものです.上記文献の「おわりに」の一部を下記に挙げておきます.
以下は,10月に発行された日本災害情報学会ニュースレターNo.35に寄稿したものです.
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●すでに実現していることをもっと生かそう
豪雨災害に限らないが,災害後の「教訓」としてよく語られるのが,「情報不足」に類する話題である.このような「教訓」あるいは「ニーズ」をもとに災害情報の充実が図られてゆく,というのがセオリーのようになっているが,「ニーズ」として語られているものの中に,すでに実現したり,解決しているはずの問題が少なくないことに無力感を感じる.
典型例は「山の方の雨の降り方が分からないので対応がとれなかった」といった趣旨の話である.もはや,地上雨量観測所のデータに限っても,平地から山間部まで多数の観測所が設置され,そのほとんどがリアルタイム公開されている.レーダーのデータを含めればさらに情報は増え,山の雨量が分からないというのはもはや過去の話である.
「川の水位は分かるが,これからどう変化するのか見通しがつかない」といった話も聞く.しかし,いまや洪水予報対象河川は増える一方で,それらの河川では,何時頃,どの程度の水位まで達するといった情報が詳細に発表されている.
「注意報で油断していたら警報になった.警報になりそうなときはあらかじめ知らせて欲しい」といった意見も聞く.これもすでに実現している.そもそも「警報」は,単に「××地方に警報発表」という情報ではない.必ず「文章情報」がつき,予想される状況などの補足説明がなされ,特に重要な場合は警報とは別に「気象情報」としてさらに詳しい情報が発表される.これらの情報の中で,警報になりそうな場合はその旨予告することや,過去の豪雨に匹敵する雨であるなどの情報を加えるなど,情報の充実は著しく図られている.
無論,これらの情報を,住民全員が理解することを目指すのは現実的ではない.しかし,せめて,防災対応に当たる立場の人達は十分に理解してもらいたい.豪雨災害情報に関して「すでに実現していること」はたくさんあり,そのことを情報提供者側は自信を持ってアピールして欲しい.災害情報は整備しただけでは役に立たない.整備された災害情報をよく知り,自信を持って活用できる人材を,息長く,粘り強く育成していくことこそが,「教訓を生かす」ことではないだろうか.
本日11月11日,岩手県滝沢村役場にて,今年2月に行われた防災ワークショップ実施地区の「その後」についての聴き取り調査を行ってきました.
2008年2月 2日 (土)
防災ワークショップ・滝沢村
https://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_02ca.html
2008年3月 2日 (日)
防災ワークショップ・滝沢村2
https://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_b9f2.html
お話を伺ったのは,滝沢村の防災担当部署の方と,ワークショップを実施した法誓寺地区のみなさまです.
ワークショップ実施によってこれが変わった,このような新しいことが始まった,といった,明確な変化というのはなかなか見えてこないようですが,印象的だったのは,「ワークショップを実施したことによって,村役場や県など様々な立場の人たちが自分たちの地区の防災に関していろいろな取り組みをしていることが,地区の者にとっても実感され,自分たち自身でも積極的に取り組んでいこうという機運が出てきた」という趣旨の,地元の方のお話でした.
防災ワークショップは,地域の人「だけ」でやるのではなく,様々な立場の人が関わることによってより効果を発揮する,という趣旨のことは,私が常々主張しているところです.この考えがあながち間違いではなかったことが示唆されるお話で,大変興味深く思いました.
本日11月8日は,砂防学会の調査団の一員として,岩手・宮城内陸地震で土砂災害が発生した宮城県栗原市などの現場を現地踏査してきました.
8月以降,同地震関係の現場に入っていませんでしたので,3ヶ月ぶりの踏査となりました.かなり土砂除去が進んだところが多く,復旧が確実に進んでいることを感じました.
荒砥沢地すべりの現場では,巨大な地すべり土塊の末端部の中にまではいることができました.全体に,地震直後より侵食が進んでいるような印象をおぼえたのですが,あらためて6月の写真を見ると,目に見えて変わっているところは少ないようです.写真左手で6月(左写真)には天然ダムを形成していた尾根状の土塊が11月(右写真)にはなくなっている点が大きな違いで,これは開削したのではなく,決壊(というより実態は侵食と言うべきでしょうが)したとのことでした.
昨日11月6日,財団法人消防科学総合センターおよび熊本県の主催による,「熊本県市町村長防災危機管理ラボ」にて講演をしてきました.
「市町村長防災危機管理ラボ」は各地で開催されており,8月8日に鹿児島市で行われた企画の際にも講演をさせていただきました.講演者は2人で,もう一人は時事通信・防災リスクマネジメントWeb編集長の中川和之さんでした.
防災リスクマネジメントweb
http://bousai.jiji.com/info/
中川さんとは旧知の間柄なのですが,講演を聴くのは初めてでした.マスコミ人らしく「おもしろい話」で,当方の堅苦しい話をもう少し何とかしなければと思わせられました.
たびたびお伝えしておりました,陸前高田市今泉地区での防災ワークショップですが,10月31日に無事実施することができました.当日は,約50名ほどのご参加をいただき,盛況のうちに行われました.
今泉地区は,もともと防災活動に熱心な地区とのことでしたが,人が集まって意見を交わしますと,やはりいろいろな課題,話題が出てくるものだということをあらためて実感いたしました.今後,出てきた話題を整理し,地区のお役に立てることができればと考えております.
このプロジェクトはこれで終了というわけではありませんが,ひとつのおおきな区切りではありました.これまでご協力をいただいたみなさま,本当にありがとうございました.