大雨による災害と防災情報に関するアンケート報告書
下記の報告書を公開しました.
大雨による災害と防災情報に関するアンケート 報告書
http://disaster-i.net/notes/081119report.pdf
内容は目新しいものではなく,2007年2月にインターネットアンケートで調査した結果で,
牛山素行・吉田亜里紗・國分和香那,2008:豪雨防災情報に対するインターネット利用者の認識,水工学論文集(CD-ROM),No.52,pp.445-450
http://disaster-i.net/notes/20080305_0075.pdf
としてすでに公表した論文に,素集計表を添付したものです.上記文献の「おわりに」の一部を下記に挙げておきます.
- 整備から3年以上が経過した「川の防災情報」などの認知率は1割に満たず,この3年間でもほとんど変化していない.
- これらのwebを具体的に紹介した上で今後の利用意向を尋ねても,積極的な利用意向を示す回答は1割前後.
- リアルタイム防災情報の存在を周知徹底しても,災害時にそれを利用する人は多数派にはならない可能性は以前も指摘したが,今回の結果を踏まえると,ほぼ確実と言っていい.
- リアルタイム防災情報を利用しない理由としては,災害の危険があるような場合に,パソコンや携帯電話を利用して情報収集することは現実的でなく,テレビなど他の情報媒体の方が便利であることなどが挙げられた.
- 今回の調査は,インターネットに習熟した利用者を対象とした結果であり,インターネットに習熟していない人の存在を考えると,状況は更に厳しいであろう.
- 災害時に詳しい情報が欲しい」というニーズがあること自体は確かであるが,自ら能動的,積極的に情報を収集したいという意向を持っている人はけして多くない.webを中心とした詳細な防災情報は,不特定多数が使う事を期待するものではなく,防災関係者など,状況判断が必要な人に特に利用してもらう必要性が高い情報と位置づけるべきであろう.
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