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2009年4月28日 (火)

「標高」に対する人の認識に関する論文を公開

下記の論文を公開しました.

太田好乃・牛山素行・吉田亜里紗,2009:地形認知と津波リスク認知の関係について,災害情報,No.7,pp.101-110.
http://disaster-i.net/notes/2009JDIS_ohta.pdf

「自宅の標高はどれくらい?」という情報は,意外に把握しづらいものですが,津波災害をはじめとして,流れるものがある災害に際しては重要な情報となります.この研究では,海岸近くに住む人がどのくらい自宅標高を認知しているのかを調べた上で,自宅標高の認知の程度と,各種防災行動の間に関係がありそうだという結果を導き出しています.

ちなみに著者の太田さんは現在,岩手県立大学総合政策学部の学部4年生です.つまり,学部3年の夏頃にこの論文を書いています.学部3年で査読論文を通すというのは,大変立派なことです.

2009年4月25日 (土)

ワークショップの効果に関する論文公開

下記の論文を公開しました.

牛山素行・吉田淳美・柏木紀子・佐藤聖一・佐藤庸亮,2009:非居住者を対象とした防災ワークショップの参加者に及ぼす効果の分析,自然災害科学,Vol.27, No.4,pp.375-385.
http://disaster-i.net/notes/2009JSNDS27-4.pdf

防災ワークショップ的な取り組みは多数行われていますが,その効果についての客観的な評価はまだほとんど行われておりません.正直なところ,この「効果検証」はかなり難しいと考えていますが,その一つの試行過程をまとめたのが本論文です.

2009年4月21日 (火)

震災対策技術展

今週末の4月24日(金)~25日(土)に,静岡市で「震災対策技術展/自然災害対策技術展」というイベントが行われます.

http://www.exhibitiontech.com/etec/sizuoka.html

このイベントは,毎年各地で行われており,以前仙台会場で関わった経験があります.

https://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/105_b995.html

今回は,この中で行われるシンポジウム「最近の豪雨災害と災害情報をめぐって」のコーディネートを仰せつかりました.私を含む3名の講師から話題提供を行いたいと思っています.概要を以下に示しますので,ご関心をお持ちの方はお越しください.

1.最近の日本の豪雨災害と災害情報を巡る諸課題
講師:静岡大学防災総合センター 准教授 牛山素行

内容:要旨:近年のわが国では、雨量、水位情報をはじめとした豪雨防災情報が非常に充実しつつある。その一方で、これらの情報が認知されない、認知されても利用されない、逆に依存されすぎるなど、様々な問題が生じている。また、豪雨による人的被害についても、災害時要援護者に被害が集中しているなど単純なとらえ方がなされがちだが、必ずしも適切な理解ではない。各地での実例を紹介しつつ、豪雨災害情報を最大限に活用して被害軽減に結びつける方策について考えてみたい。

2.豪雨災害時の警報と避難行動に関する住民調査の現場から(仮題)
講師:群馬大学大学院工学研究科 教授 片田敏孝

内容:豪雨災害時には、しばしば「避難勧告の遅れ、伝達の失敗」が批判されることがあるが、実際には避難勧告などの情報を受け取っても、避難行動をとらない住民が少なくないことが、現実かつ深刻な問題である。伝達システムの高度化、情報用語の改変などといった表層的な「改善」にとどまらず、情報利用者が納得・理解して避難行動をとるためにはどうしたらよいか、各地での調査結果を踏まえて議論する。

3.静岡県における集中豪雨の特性 ~注意報、警報の新たな取り組みについて~
講師:静岡地方気象台技術課予報官 遠山忠昭

内容:狩野川台風や七夕豪雨など、県内に発生する集中豪雨の気象特性、地域特性について紹介する。また、このような気象災害に対し、平成22年度に向けて気象庁が取り組んでいる「災害との関連性の高い指標を利用し、市町村単位で発表を行う新たな大雨、洪水注意報・警報」について紹介する。

2009年4月14日 (火)

リアルタイム豪雨表示システム再開作業中

当方の異動に伴い,3月16日から運用停止していました,

リアルタイム豪雨表示システム
http://disaster-i.net/rain/index.html

ですが,徐々に再開させつつあります.ネットワーク環境が変わったことなどから,表示するデータの種類や体裁をいろいろと変えつつあります.このため,当分の間は不安定な運用となります.表示されるデータも基本的に正しくないものと考えていただければ幸いです.

2009年4月 4日 (土)

異動のご挨拶

2009年3月31日付で,公立大学法人岩手県立大学総合政策学部准教授を辞職し,4月1日付で,国立大学法人静岡大学防災総合センター准教授に着任いたしました.同センターは,学部等に附属しない独立の組織で,2008年度に新設されました.専任教員は准教授2名で,そのうちの1名として採用されたものです.

静岡大学防災総合センター
http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/sbosai/

新設組織ということもあり,ここで何をしていくかは,まさにそれ自体をこれから作り上げていくという状況です.静岡は,防災というキーワードとは関わりの強い地域です.全く土地勘はないのですが,この地で何ができるか,いろいろなことに挑戦してみたいと考えています.

ちなみに,このポストは3年の任期(1回限り更新の可能性あり)がつけられています.つまり,私は2012年3月末までには失職することが今のところ決まっています.前職は任期の定めのない職でしたから,そこから任期付職についたことは,いささか冒険が過ぎたかもしれません.しかし,選んでしまった道ですから,次の仕事に就けるよう,努力するしかありません.

牛山を雇っていただける方,あるいは何らかの資金援助をいただける方がいらっしゃいましたら,どうかお声をおかけいただければ幸いに存じます.

それではみなさま,今後とも,ご指導,ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします.

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