静岡新聞で報道されました
8月5日付静岡新聞夕刊に,当方で行った市町村防災担当者対象のアンケートについての記事が載りました.下に引用します.
避難勧告積極派:慎重派が7:3であること,洪水ハザードマップ作成率が大幅に向上したことなどを,グラフ入りで紹介していただいています.
地震災害や津波災害では,「避難勧告をためらう」という状況が発生することはほとんど考えられません.地震災害では,「災害前の避難勧告発令」が事実上あり得ず,逆に津波災害の場合は,「災害前の避難勧告発令」が行える可能性が極めて大です.しかし,豪雨災害ではこれらと異なり,「災害前の避難勧告発令」が行える可能性自体はあるものの,津波のようにトリガーが明確ではありませんから,勧告の判断をすることは容易ではありません.
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土砂災害で全国市町村調査 避難指示など積極派67%-静岡大
静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(災害情報学)は5日までに、全国の市町村の防災担当者を対象にした土砂災害対策のアンケート調査の結果をまとめた。市町村長が出す「避難指示・勧告」について、「“空振り”を恐れずに積極的に出すべき」と答えた市町村が67・6%を占めた。一方で、空振りを懸念して「慎重に出すべき」と答えた市町村が32・4%あり、牛山准教授は「避難勧告をためらう自治体が少なくない。どのような情報の出し方がいいか、地域ごとに意識共有を図る必要がある」と訴えている。
避難指示の出し方や避難方法の伝え方は、7月末に中国・九州地方を襲った豪雨災害で問題化した。情報の利活用は「住民が判断すべき」が53・4%、「行政が責任を持って判断すべき」が46・6%と分かれた。
牛山准教授は「7月末の豪雨災害のケースでは、被災地住民の間に、『空振りを恐れるくらいなら積極的に発表してほしい』という意見が目立った。情報の受け手の意識は高い。行政任せではなく、関連機関や市民が一緒に情報の扱いを考えていくべき」と話している。
洪水や土砂災害に対応したハザードマップ(災害予測図)の作成率は72・1%。3年前に実施した同様の調査の40・5%を大幅に上回った。
調査は昨年末、全国1805市町村(昨年12月現在)の防災担当者あてにアンケート用紙を郵送し、今年4月末までに回収した。回収率は68・9%。
内容は解析を進めた上で、9月28、29日に京都大(京都府)で開かれる日本自然災害学会で発表する。
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