共同通信の記事になっていますが
8月15日付の共同通信配信の記事に当方のコメントが載っています.どこかの地方紙でも使われているかもしれません.
ただ,これはちょっと予想外の使われ方でした.そもそも私は美作市の土砂災害についてはほとんど情報収集もしていませんし,現場も見ていません.また,「自治体は、発令時のシミュレーションをし、地域ごとの避難計画を策定すべきだ」というコメントからは,あらゆる状況を考慮して『自治体が』地域ごとの避難計画を決めなければいけない,というように読み取れますが,私の意図とは全く反します.『自治体が』決めよ,という考え方を転換すべきと考えます.本当にソフト防災を進めるのであれば,我々みなが当事者意識を持たないとできないと思います.
また,「地域ごとの避難計画」というと,きっちりとしたマニュアルをイメージすると思いますが,そういうことをいいたいのではありません.災害の状況は様々です.全国一律,教条的なマニュアルを作るのではなく,まずはそれぞれの地域の災害特性を十分理解し,地域や個人それぞれにとって必要な行動をいろいろ考えておくことが重要だと思います.
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土砂警戒情報また生きず 豪雨被害の岡山・美作市
9日夜、豪雨に見舞われた岡山県美作市が、避難勧告発令の基準となる土砂災害警戒情報が出されたのに、土砂崩れで1人が死亡した同市田原地区に勧告を出していなかったことが15日、分かった。
同情報が美作市に発令されたのは2007年の運用開始以降初めてだった。市の中西祐司総務課長は「聞いたことがなく、勧告の基準にする考えはなかった。勉強不足だった」と話している。
7月に起きた山口県の豪雨災害でも土砂災害警戒情報が生かされておらず、行政の対応の甘さが再び露呈した。
美作市などによると、岡山県と気象台が警戒情報を市に出したのは9日午後9時15分。土砂災害警戒区域に指定されている田原地区の危険度は「直ちに避難すべき基準」とする最高レベルにまで上がった。
一方、市は午後10時半、同市林野地区に避難勧告を発令した。水位など市独自の基準を目安にした発令で、田原地区は対象外だった。
田原地区では午後9時半ごろに土砂崩れがあり、民家2棟が倒壊。4人が埋まり、全員救出されたが1人が死亡した。
山口豪雨では同県防府市に土砂災害警戒情報が届いたが、市は土石流で多数の死者が出た特別養護老人ホームに避難勧告を出さなかった。
静岡大の牛山素行准教授(災害情報学)は「災害予測の情報は生かせなければ意味がない。自治体は、発令時のシミュレーションをし、地域ごとの避難計画を策定すべきだ」と指摘している。
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