読売新聞で報道されていました
8月10日付読売新聞(大阪夕刊)で,当方の調査結果について紹介されていたようです.取材を受けたわけではありませんので,公表資料を元に紹介していただいたもののようです.以下に引用します.
「避難行動中に」というのは厳密には,「なんらかの避難行動をとっている途中,もしくはとった後」という意味です.「避難場所に向かっている最中に」というケースは,下記で紹介されている262名中25名よりだいぶ少なくなります.
熱低も台風も,災害をもたらす激しい現象という意味ではあまり変わらない,という指摘には共感できます.
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豪雨の兵庫・佐用、濁流一気に住民のむ 2家族が手つなぎ?無事で…安否気遣う
<中略>
◆夜間の避難 危険伴う(解説)
今回の大雨では、避難する途中で水に流されたと見られる被害が相次いだ。同様の被害は過去の水害でも繰り返され、夜間の避難行動は危険を伴うことに改めて警鐘を鳴らした。
夜間に浸水が起きた後で避難すると、側溝に誤って転落したり、川から水があふれているのに気付くのが遅れて流されたりする危険がある。2006年の7月豪雨では、島根県出雲市で避難所に向かう車が川のようになった道路で水に流され、一家3人が死亡した。
雨量や水位が基準を超えると一律に避難勧告すると定めている自治体が多いが、教訓を踏まえて、夜に基準を超える見込みになったら早めに勧告を出すなどの改善を進める必要がある。
静岡大防災総合センターの牛山素行准教授が04~08年の主な豪雨災害の死亡・行方不明262人の状況を調べたところ、うち約1割の25人が避難行動中に犠牲になったと考えられた。
04年の新潟水害の死者12人について現地調査した林春男・京都大防災研究所教授は、うち5人が浸水の中を行動して流されたことを突き止め、「あらかじめ自分が住む地域の危険性を調べておき、家が破壊されるほどの浸水でなければ、むやみに指定避難所へ行くだけでなく、2階に屋内退避することも考えるべきだ」と提言している。
住民も水の怖さを知っておく必要がある。一般に、歩く速度の3倍ほどで流れる水の中では、深さが足首を超えると逆らって歩けなくなるとされる。
今回の大雨をもたらした台風9号は、日本に近づいた後で熱帯低気圧から台風になったため、警戒が遅れた可能性もある。
熱低も台風も、熱帯生まれの激しい渦巻きという自然現象に違いはなく、風の強さで区別されているだけだ。台風になる前から被災地周辺では強い雨が降っており、熱低だからといって油断してはならない。(科学部・川西勝)
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