高校で講演
9月1日,静岡県伊豆の国市にある静岡県立大仁高校にお邪魔し,防災の日に当たっての防災講話をさせていただきました.
静岡で防災とは地震でしょうが,私に地震の話はできないので,豪雨災害の話をいたしました.近年の豪雨災害では,10代以下の犠牲者がほとんど発生していません.ただ,その理由はどうもよくわからず,8月の佐用豪雨では10代の犠牲者が少なからず生じた所から考えますと,けっして10代以下は遭難しにくいということはないように思えます.
10代後半の高校生,大学生世代と災害の関わりとして思い浮かびやすいキーワードは,「ボランティア」かもしれません.しかし,災害に見舞われる当事者であることは,他の世代と変わるところはありません.被害が起こった後の助け合いも重要ですが,まずは,被害が起こらないように努力することが順序としては先ではないでしょうか.
一昔前は,地震の起き方や台風の構造なんかを教えることが「防災教育」だと考えられていました.しかし,最近は,災害が起こった後の助け合い方を教えることが防災教育であるかのような声が強いように感じます.私は,どちらも偏っていると思いますが,最近,前者が軽んじられすぎではないかと思うようになってきました.
個人レベルの防災対策のスタートラインは,やはり,自然を知り,危険を知ることだと思います.その上で,どう備えるかは,マニュアル化できることではなくて,個人個人の事情によって話がだいぶ変わってくるものだとおもいます.
講演の最後は,次のようにまとめました.
- マニュアル頭から卒業しましょう
- 地震「だけ」が災害ではありません
- 避難訓練「だけ」が備えではありません
- まずは予想される災害の把握
- 自分はどのような危険に見舞われそうか
- その上で,自分としての対策
- 何が重要かは,人それぞれ違います
- どうなったら自分は困るか? 具体的にイメージ
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