共同通信にコメント掲載
9月8日に配信された共同通信の記事中で当方のコメントが紹介されました.以下に記事を引用します.佐用水害から1ヶ月,という記事の一部です.内容はここのところあちこちで発言しているものですが,水害時の対応の難しさをあらためて喚起するものになっています.
共同通信記事ですので,少しずつ体裁を変えていくつかの地方紙にも載っているようです.
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水位は0・8~1・7メートル 避難住民流された場所
共同通信 2009.09.08)
18人が死亡した兵庫県佐用町の豪雨被害から9日で1カ月。避難先に歩いて向かう途中に住民が流されたとみられる場所付近の水位は0・8~1・7メートルに達していたことが、県と国土交通省近畿地方整備局の合同調査で8日、分かった。
2004年~08年に各地で起きた豪雨被害を分析した牛山素行(うしやま・もとゆき)・静岡大准教授(災害情報学)によると、洪水で流されて死亡した人の8割は屋外で移動中に遭難した。
牛山准教授は「流れる水の中では、水位がひざ下あたり(約50センチ)を超えると大人でもほとんど動けなくなる」と危険性を指摘している。
県などの調査は町内50カ所以上で住宅の壁に残る浸水跡などを基に路面からの水位を推定。屋内で被災した1人を除く17人の犠牲者のうち、被害に遭った場所がほぼ判明しているのは9人。8人が流された本郷地区は0・8メートル、残り1人の佐用地区は1・7メートルだった。
いずれも避難したのは夜間だったため、視界が悪く、足元も水に隠れてよく見えない状態だったとみられる。
一方、牛山准教授が04~08年の豪雨被害の犠牲者262人を分類したところ、最多は土石流やがけ崩れに巻き込まれたケースで約32%。次いで洪水に流されおぼれるなどして死亡したケースが約28%だった。洪水の犠牲者のうち8割は屋外を徒歩や車で移動中に被害に遭っていた。
ただ豪雨の際に逃げずに家の中にとどまるのが最善かというと、牛山准教授は「一概には言えない」と話す。豪雨によるがけ崩れや土石流で亡くなった84人のうち72人は屋内で被害に遭っているからだ。
牛山准教授は「地形などの条件によってどう災害に備えるべきかは異なるので、地域ごとの対応が必要。専門家の知恵も生かしながら、行政だけでなく、住民も一緒になって緊急時にとるべき行動を日ごろから考えておくべきだ」としている。
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