チリ地震津波に関するアンケート
2010年2月28日に日本に到達したチリ地震に伴う津波に際しての
対応行動などについて,岩手県,宮城県,静岡県の沿岸部に居住す
る人を対象に行ったアンケート調査の結果速報を公表しました.
2010年2月28日のチリ地震津波に関するアンケート 報告書
http://disaster-i.net/notes/100316report.pdf
主な結果を以下に挙げます.
背景・調査手法
- 2010年2月28日に日本付近に到達した,チリ地震による津波の際の行動などに関し,大津波警報が発表された岩手県,宮城県,津波警報が発表された静岡県の在住者を対象にアンケート調査を実施.
- インターネットを通じた社会調査サービスであるgooリサーチを利用.2010年3月11日~15日に,岩手県,宮城県,静岡県在住で,自宅が海岸線からおおむね2km以内と推測されるモニターに対し依頼メールを配信,岩手県73件,宮城県156件,静岡県260件,計489件の回答を得た.
- すなわち,回答者は「海岸線近くの居住者」だが,「今回の避難勧告の対象者」あるいは「津波浸水想定区域内居住者」とは限らない.
主な結果とコメント
- チリ地震の発生は2月27日中に67.1%が覚知.津波警報の発表を発表直後(約30分以内)に覚知した回答者は岩手・宮城66.4%,静岡45.0%.63.0%がテレビで覚知.
- 回答者のうち,指定避難場所へ避難した人は2.7%(ただしこれは「避難率」とは言えない)だが何らかの形で海岸から離れていた人は25.8%.実質的に避難行動をとっていた人は指定避難場所への避難者の数倍規模で存在した可能性がある.建物内避難のみ(必ずしも適切とは言えない)も8.2%おり,状況に応じた避難行動のあり方について議論が必要.
- 津波警報を発表したことに対しては,82.8%が肯定的な評価.
- 津波災害の危険度に対する危険側の回答の比率は静岡(やや危険+危険:57.6%)が岩手宮城(45.4%)よりやや高いが,津波の際の避難場所を決めていない率は静岡(52.3%)が岩手宮城(43.2%)よりやや高い.認識を行動に結びつけることも重要.
- 津波浸水予測図に対する認知率は,静岡24.2%,岩手宮城24.0%.予想される災害の姿を知った上で備えることも重要.
- 2m以下の津波予報での避難意向を持つ回答者は静岡13.1%,岩手宮城11.4%.10m以上の津波予報が発表されないと避難しない意向の回答者が静岡で38.8%,岩手宮城は41.0%.極めて深刻な結果で,量的津波予報が,一種の安心情報として機能している可能性もある.
« 毎日新聞で報道されました | トップページ | 毎日新聞で報道されました »
「災害」カテゴリの記事
- 2017年台風21号による静岡市清水区沿岸部の高潮・高波被害の簡単な現地踏査(2017.10.25)
- 2017年9月17日の東九州での豪雨に関するメモ(2017.09.25)
- 2017/7/22朝倉市付近現地踏査雑感(2017.07.24)
- 2017年7月九州北部豪雨災害では「流失」家屋が多い印象(2017.07.24)
- 2017/7/15-16朝倉市・東峰村付近現地踏査雑感(2017.07.24)
