広島県庄原市の豪雨事例は非常に難しい
7月16日夕方,広島県庄原市の一部で河川の氾濫や土砂災害があり,複数の人的被害が生じている可能性があるようです.
この事例は,非常に難しい事例といえます.アメダス庄原では24時間降水量,72時間降水量とも,1979年以降最大値よりだいぶ小さな値です.1時間降水量は17:40に64mmで最大値と同値ですが,3時間降水量は同じく64mmでそれほどでもない.災害発生現場近くにある広島県設置の川北観測所では,17時の1時間降水量が54mmですが,16-19時の3時間で125mmで,これはアメダス庄原の3時間降水量の最大値95mmよりだいぶ大きな値.
かなりいろいろな角度でみないと,激しい雨であることが把握しにくい事例といえます.庄原市に土砂災害警戒情報が出されたのは18:10で,これは災害が起こり始めた時刻頃のようです.
何もかもが予測困難,想定外の降り方であるかのような言われ方が頻繁になされますが,必ずしも妥当ではありません.庄原の事例は確かに,事前に予見することがかなり難しかった事例と言っていいと思いますが,このような事例ばかりではありません.
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