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2010年8月29日 (日)

東海豪雨から10年・静岡新聞にコメント掲載

まもなく,いわゆる「東海豪雨」(2010/9/11~12)から10年が経過します.私自身の豪雨災害研究の土台となった現象の一つでもあり,時代の流れを感じます.

2000年9月東海豪雨 研究関連情報
http://disaster-i.net/disaster/20000911/

10年の節目ということもあってか,中京圏のメディアからいくつか取材を受けました.まずは8月25日付け静岡新聞の記事を紹介します.

「大規模なが豪雨災害」とはそもそもなにか,ということはかなり不明瞭で,現在私自身の定義について論文化すべく整理中ですが,浸水家屋数を目安とするとすれば「東海豪雨」をはじめ大規模事例が愛知,岐阜,静岡に集中していることは示唆的です.これら地域で大規模な豪雨災害が起こることは全く奇異なことではなく,今後も十分ありうることだと考えています.

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東海豪雨10年 水防体制、本県にも警鐘-当時の担当者「同様の雨起こり得る」

 愛知県西部を中心に記録的な大雨を降らせ、2万7000棟以上が床上浸水した東海豪雨から9月で10年。当時、名古屋市で対応に当たっていた本県の防災関係者は「静岡でも十分に起こり得た災害。人ごとではない」と口をそろえ、台風・長雨シーズンを前に水防体制の再確認を求めている。

 2000年9月11日、沖縄付近を進んでいた台風14号から、本州上に停滞している秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流入し、志摩半島付近で積乱雲が次々と発生した。雲は発達しながら数珠つなぎになって愛知県西部を北上。名古屋市で翌12日までに、年間降水量の3分の1に相当する567ミリの雨を降らせた。

 当時、名古屋地方気象台予報課に勤務していた静岡地方気象台の熊田浩一防災気象官は「同様の雨が静岡で降っても不思議ではない」と指摘。(1)太平洋側で台風の影響を受けやすい(2)高気圧の外縁になりやすい(3)低地に市街地が密集している―などの地理的特徴を挙げ「台風からの風が同じ場所に入り続ければ雨が集中する。台風の位置を除けば、東海豪雨は七夕豪雨とよく似ていた」と警鐘を鳴らしている。

 東海豪雨からの10年間に、洪水予報をはじめとした情報整備が進んだ。コンピューター技術の発達で気象の実況を把握する解析力も向上したが「予報技術自体に劇的な進歩はなく、詳細な予報は今でも難しい」(熊田防災気象官)。浸水想定区域図などを活用した自衛策を求めている。

 静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(災害情報学)によると、1970年以降、1県で2万棟以上の床上浸水があった水害は、七夕豪雨(74年、静岡)▽9・12水害(76年、岐阜)▽東海豪雨(2000年、愛知)―の3件。「県内が30年以上も大水害に遭っていないのは運が良かっただけだ。水害は危険個所が事前に分かりやすい災害。居住地の地域特性を知ることが備えの第一歩になる」と話している。
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 【東海豪雨の被害】
 総務省消防庁のまとめによると、死者は愛知7人、静岡、岐阜、三重各1人の計10人。床上浸水は愛知2万6531棟など東海地方を中心に計2万7180棟に上った。JR東海道新幹線が駅間で立ち往生して全面不通になったほか、静岡市の梅ケ島温泉では土砂崩れによる道路寸断で行楽客が足止めされるなど各地に大きな影響が出た。

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