岩手日報にコメント掲載
1月6日付け岩手日報に当方のコメントが紹介されました.
2010~2011年にかけての年末年始は,ほぼ全国的に寒波,大雪に見舞われました.全国ニュースではあまり話題にならなかったようですが,岩手県では大雪の影響により広域で数日にわたる停電が発生しました.雪そのものの着雪による送電線の切断もありますが,雪の重みで生じた倒木が電線を切断するケースも多いようです.
停電は大規模な人的,物的被害には直結しにくいですが,じわじわと効いてくる災害です.今回は雪害「のみ」ですが,大雪の最中に地震・津波が生じる複合災害の可能性は,特に北日本では大いにあります.筆者は「個人でもできる災害に対する備え」として,「食料等の備蓄」は必ずしも重要度の高い「備え」ではないと考えていますが,このようなときには機能を発揮する「備え」だとは思います.
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2011年1月6日 岩手日報
雪害 孤立地区が多発 年末年始の県内 除雪/救助活動/家庭の備え 求められる対策見直し
県内は年末年始の大雪で多くの孤立地区が発生した。岩手日報社のまとめでは道路の除雪ができず孤立状態にあった地区(3日時点)は宮古市、岩泉町など7市町の22地区、約130世帯に上った。集落の孤立化は本県の防災対策上の大きな課題。近く宮城県沖地震の発生も懸念されており、冬場の防災対策の見直しや各家庭での備えが求められそうだ。
3日時点で孤立状態の地区が残ったのは、久慈市、岩泉町、宮古市、一戸町、葛巻町、岩手町、盛岡市の7市町。二戸市の5地区、久慈市、宮古市、盛岡市の一部は2日までに解消した。
一戸町は4日に全世帯が解消するまで、最大4地区65世帯が一時孤立。湿った雪の影響で除雪がスムーズに進まなかったことや倒木で復旧作業が遅れた。
孤立状態になった一戸町落合地区の田ノ岡仁八郎さん(75)は「情報源のテレビが見られず不安だった」と語る。
住民はまきストーブや反射式石油ストーブで暖をとり、食料も正月で普段よりも予備があった。電話で安否は確認され、大きな混乱はなかったが不便な状態は続いた。
孤立地区の発生は、2008年6月の岩手・宮城内陸地震でも課題となった。09年の県調査では、災害時に孤立する恐れのある地域は県内27市町村(当時)331地域。険しい山間部を抱える本県では大雪後に地震が襲う可能性もあり、対策は大きな課題だ。
県総合防災室の越野修三防災危機管理監は「冬場に地震が襲った場合は、復旧の長期化が予想される。孤立地区への救助活動の難航も予想され悩ましい。冬場の防災対策を見直したい」と語り、救援物資を送る方法や他県との除雪の連携などを検討する。
今回の大雪は停電戸数が22市町村、延べ7万3千戸に上り、家庭での備えの重要性も問われた。停電が長期化した二戸市内では、ろうそくや電気を使わないストーブが品薄となった。
静岡大防災総合センターの牛山素行准教授(前岩手県立大准教授)は「住んでいる地域でどういう災害が起こるかを点検してほしい。普段から食べ物を多めに買ったり、無くなると困るものをそろえるなど無理のない範囲で準備すべきだ」と指摘する。
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