本日の三陸沖の地震を見て思ったこと
本日3月09日11時45分頃,三陸沖を震源としたM7.2の地震が発生し,宮城県栗原市金成,登米市米山町,登米市迫町,宮城美里町木間塚でそれぞれ震度5弱が記録されました.
http://www.jma.go.jp/jp/quake/20110309115726391-091145.html
この地震により津波の発生が予想され,青森県太平洋沿岸,岩手県,宮城県,福島県に津波注意報が発表されました.
http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/focus_04_20110309114851.html
12時16分に大船渡で津波の最大波0.6mが観測されました.
http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/observation_04_20110309122121.html
「0.5mという予想より高いっ」などと怒らないでください.定型フレーズ通り「なお、場所によっては津波の高さが「予想される津波の高さ」より高くなる可能性があります」なのですから.
気象庁webより,大船渡の潮位観測データ.
http://twitpic.com/47o464
12時過ぎに津波が到達しているのが明瞭にわかります.が,ちょうど干潮のピークに当たったので,潮位の絶対値そのものは,今朝の満潮時よりもずっと低いものです.
津波情報を見るときは,「各地の満潮時刻・津波到達予想時刻に関する情報」 http://bit.ly/g1XfPH を合わせて見なければなりません.
無論,現に波打ち際付近にいるときは,急に水位が上がるわけですから,津波そのものの高さ(潮位偏差)の情報は重要です.しかし,陸域(満潮時でも海水が来ない場所)にいるときは満潮時間と重なっていれば,さらに危険性が高まることに留意が必要です.津波注意報が出たときに取るべき行動は,「海岸に近づかない」につきます.
●早川@群馬大さんとのやりとり
RT @HayakawaYukio: @disaster_i というより、こういう数値の精度が2倍や2分の1程度まで許容したものだと説明したほうがよい。
@HayakawaYukio その通りです.災害情報については,「精度」に対する理解が大変重要だと感じます.が,これを説明するのが大変難しい.
●気仙沼市からの情報発表を見て
RT @bosai_kesennuma: 気仙沼市で約1mの津波を観測しています。海岸付近に近づかないようにしてください http://bit.ly/fKcWVi
RT @bosai_kesennuma: 気仙沼では,現在も約60㎝の津波が,幾度か観測されています。海岸付近には近づかないようにしてください。
気仙沼市では独自の潮位計を設置しており,市から発信される情報はこの観測結果に基づいています.ネット上では見ることができない模様.
« 防災フェロー養成講座キックオフシンポジウム | トップページ | 「ゲリラ豪雨」と災害の関係について »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 2021年 新年のご挨拶(2021.01.01)
- 水害時 避難イコール避難所Go! だけ,ではない(2020.04.07)
- 時評=災害教訓に学ぶ難しさ 多くの事例収集重要(2019.09.30)
- 時評=大雨の際の避難行動 流れる水に近づくな(2019.07.31)
- 「大雨警戒レベル」に関する補足的なメモ(2019.06.03)